IQとは。知識指数を示すIQの定義や知能検査の種類、知的指数と疾患や障害との関係を解説
ライター:発達障害のキホン
知能指数(IQ)とは人の知能の基準を数値化したものです。一般的にIQが「高い」「低い」という言葉をよく聞きますが、知能指数の値は子どもの成長とどのように関係があるのでしょうか。今回は知能指数に対する正しい理解について、知能指数を知る目的や検査、関係する疾患などについて紹介します。
知能指数(IQ)とは
知能指数とは、人の知能の基準を数値化したものであり、IQ(intelligence quotientの略)と言うこともあります。
知能指数は、知能検査と呼ばれる検査によって計ることができます。小学校入学後のお子さんが受検する場合が多いですが、知能検査の種類によっては2歳から受検することができます。また検査結果は、一人ひとりに合った支援や学習指導の方向性を検討するヒントとして使われます。
知能指数の値として、現在は偏差IQというものが使われています。偏差IQは「同年齢の集団においてどの程度の発達レベルなのか」を把握するために、年齢別の平均値を基準として知能指数を算出したものです。
以前は精神年齢(知的発達を示す年齢)/ 生活年齢(実年齢)×100という数式が使われていました。しかし年齢が高くなるにつれて値が低く算出されるという問題が発見されたため、単純な計算式で知能指数を算出することはなくなりました。
知能指数は、知能検査と呼ばれる検査によって計ることができます。小学校入学後のお子さんが受検する場合が多いですが、知能検査の種類によっては2歳から受検することができます。また検査結果は、一人ひとりに合った支援や学習指導の方向性を検討するヒントとして使われます。
知能指数の値として、現在は偏差IQというものが使われています。偏差IQは「同年齢の集団においてどの程度の発達レベルなのか」を把握するために、年齢別の平均値を基準として知能指数を算出したものです。
以前は精神年齢(知的発達を示す年齢)/ 生活年齢(実年齢)×100という数式が使われていました。しかし年齢が高くなるにつれて値が低く算出されるという問題が発見されたため、単純な計算式で知能指数を算出することはなくなりました。
知能指数を調べる目的は?
知能指数を調べる目的は、以下の3点です。
1. 適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知る
2. 疾患や障害の有無を鑑別をするヒントを得る
3. 知的機能の遅れがあるかどうかを知る
知能指数の結果は、療育手帳を取得する際や、特別支援学校での教育を受ける際の判断材料の一つとして使われています。自閉症スペクトラム障害やADHDと知的障害が合併していないかや認知特性の偏りを調べる際、学習障害(LD)知的障害を見分ける際などにも、知能指数を用います。
しかし、知能指数だけ疾患や障害の有無を判断することはありません。医師の診断を受ける際には、知能検査の結果だけでなく、直接の問診や行動観察、その他の検査結果などが参考にされます。そうして見えてきた個人の特性や困難状況を総合的に判断して、疾患・障害の診断が下されたり、支援、治療の判断がなされるのです。
1. 適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知る
2. 疾患や障害の有無を鑑別をするヒントを得る
3. 知的機能の遅れがあるかどうかを知る
知能指数の結果は、療育手帳を取得する際や、特別支援学校での教育を受ける際の判断材料の一つとして使われています。自閉症スペクトラム障害やADHDと知的障害が合併していないかや認知特性の偏りを調べる際、学習障害(LD)知的障害を見分ける際などにも、知能指数を用います。
しかし、知能指数だけ疾患や障害の有無を判断することはありません。医師の診断を受ける際には、知能検査の結果だけでなく、直接の問診や行動観察、その他の検査結果などが参考にされます。そうして見えてきた個人の特性や困難状況を総合的に判断して、疾患・障害の診断が下されたり、支援、治療の判断がなされるのです。
知能指数の値は、どのように評価されるの?
知能指数(IQ)は、知能を計るものさしの一つとして広く使用され、一般的な言葉としても受け入れられています。
一方で、一口に「知能指数」と言っても、その数値に対する評価基準はさまざまです。ここでは一般的な知能指数の評価分類、WHOが定める知的障害の基準、厚生労働省が定める障害の程度・判定基準をご紹介します。
一方で、一口に「知能指数」と言っても、その数値に対する評価基準はさまざまです。ここでは一般的な知能指数の評価分類、WHOが定める知的障害の基準、厚生労働省が定める障害の程度・判定基準をご紹介します。
知能指数(IQ)による評価分類
『発達障害事典』(2011年・明石書店刊)によると、IQの値による知能評価の分類は以下のような基準になっています。
・130以上 きわめて優秀
・120~129 優秀
・110~119 平均の上
・90~109 平均
・80~89 平均の下
・70~79 境界線級/ ボーダーライン
・70未満 知的障害
WHOが定める知的障害の程度・判定基準
世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)では、知的障害の程度基準を、以下のように定義しています。
・50~69 軽度知的障害
・35~49 中度知的障害
・20~34 重度知的障害
・20未満 最重度知的障害
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
厚生労働省が定める知的障害の程度・判定基準
厚生労働省は、知的障害の程度や判定基準について、以下のように定義しています。ただし、厚生労働省の基準では、知能指数だけでなく日常生活能力の水準も加味して、知的障害の程度を判断するとしています。
◇知的障害の程度の判定に、基準となる知能指数の範囲
・51~70 軽度知的障害
・36~50 中度知的障害
・21~35 重度知的障害
・20以下 最重度知的障害
◇障害の程度及び判定基準: 重度(A)とそれ以外(B)に区分
重度(A)の基準
① 知能指数が概ね35以下であって、次のいずれかに該当する者
・食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする。
・異食、興奮などの問題行動を有する。
② 知能指数が概ね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由等を有する者
それ以外(B)の基準
重度(A)のもの以外
◇療育手帳取得の際に、基準となる知能指数の値
標準化された知的検査によって測定された知能指数(IQ)が75以下であること。
(70以下に規定している自治体もある)
◇知的障害の程度の判定に、基準となる知能指数の範囲
・51~70 軽度知的障害
・36~50 中度知的障害
・21~35 重度知的障害
・20以下 最重度知的障害
◇障害の程度及び判定基準: 重度(A)とそれ以外(B)に区分
重度(A)の基準
① 知能指数が概ね35以下であって、次のいずれかに該当する者
・食事、着脱衣、排便及び洗面等日常生活の介助を必要とする。
・異食、興奮などの問題行動を有する。
② 知能指数が概ね50以下であって、盲、ろうあ、肢体不自由等を有する者
それ以外(B)の基準
重度(A)のもの以外
◇療育手帳取得の際に、基準となる知能指数の値
標準化された知的検査によって測定された知能指数(IQ)が75以下であること。
(70以下に規定している自治体もある)

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