ディズニーが異例の映像使用許可!自閉症児のドキュメンタリー映画「ぼくと魔法の言葉たち」

ライター:発達ナビニュース
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4月8日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開される映画「僕と魔法の言葉たち」。発達障害の一種である自閉症により2歳の時に突然言葉を失ってしまった少年が、次第に言葉を取り戻していく実話ドキュメンタリー作品です。©2016 A&E Television Networks, LLC. All Rights Reserved.

言葉を失った自閉症児が言葉を取り戻す!実際にあった話

「ぼくと魔法の言葉たち」トレーラー動画 ©2016 A&E Television Networks, LLC. All Rights Reserved.

2歳の時に突然言葉を失ってしまった、自閉症の少年・オーウェンが、家族の愛情とサポートのもと、大好きなディズニー・アニメを通じて徐々に言葉を取り戻していった様子と、障害を抱えながらも底抜けに明るく、前向きに社会と向き合い、自立を勝ち取るまでの現在の彼の姿を、ユーモアたっぷりに、そして感動の涙とともに描く映画「僕と魔法の言葉たち」が、4月8日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開されます。

発達ナビ編集部はこの映画にご招待頂いたので一足お先に鑑賞してきました。今回はこの「僕と魔法の言葉たち」の魅力をレポートします。
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自閉症であるオーウェンの頭の中をアニメーションで描き出す

映画のワンシーン
©2016 A&E Television Networks, LLC.
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このドキュメンタリーの主人公・オーウェンは、サスカインド家の二男として生まれました。生まれたときには発達に問題は見られなかったのですが、2歳の頃から突然言葉を発さなくなります。そんな彼についた診断は、広汎性発達障害・自閉症。両親はショックを受けながらも、彼を大切に育てていました。

映画は、このドキュメンタリーの主人公で自閉症者のオーウェンが、卒業を控え社会に出る直前の学校の授業風景からはじまります。

彼が言葉を失い、そして取り戻す過程。言葉を取り戻した後も、学校でのいじめなどといった困難や、自立や失恋、そして親亡き後というこれから起こりうる困難。これらを現在の風景やインタビュー、過去のホームビデオ、そしてディズニーアニメーションとオリジナルアニメーションで臨場感豊かに、前向きに描き出します。

オーウェンの自閉症傾向が強く、言葉を発さなかった時期でも熱心に見ていたディズニービデオ。彼にとってディズニーの物語は、目の前の人や社会を理解するための枠組みとなりました。ディズニーアニメ特有のオーバーなアクションや豊かな表情は、自閉症の彼にとっても理解しやすい物語だったのです。

オーウェンにとってディズニーアニメは、自分自身と外界をつなげる媒介のような存在。この映画の見どころは、このオーウェンの外界との媒介であるディズニーアニメとオリジナルアニメーションを使うことで、逆に外界の私たちが彼の想像力豊かでオリジナリティ溢れる頭の中の世界をかいま見たように感じられる表現がなされているところだと感じました。

オーウェンを支え続け、彼を変化させた家族の深い愛

映画のワンシーン
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オーウェンが発する、意味をなさないと思われた言語がじつはディズニーアニメのセリフだったことに気付いた両親。父がオーウェンの大好きなディズニーキャラクターのパペットを使い、キャラクターになりきって話しかけたところ、キャラクターに受け答えをしました。

医者から無理だと言われても、彼の特性や興味に気付き、諦めず、粘り強く語りかけていった結果、オーウェンはディズニーのセリフを使って家族とコミュニケーションを取れるようになっていきます。

この家族には、大変なことも多いですが、真ん中に愛のある家族だと感じました。そんな家族の姿から、前向きになる勇気をもらいます。

また両親はもちろんのこと、兄のウォルトとの関係が素晴らしいです。未来を不安に思いながらも、弟を守ろうとするウォルトはオーウェンにとってはヒーローのような存在。兄として、時に友として、オーウェンにさまざまなことを教える様子はとてもほほえましかったです。
次ページ「ひとりの発達障害の人の青年期を真正面から描いた作品」

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