機能訓練指導員とは?どのような職種なの?仕事内容の特徴、資格ごとの役割や特色などお伝えします!

2017/03/22 更新
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「機能訓練指導員」とは、介護保険において利用者の日常生活に必要な機能を訓練する人のことを指しています。この職種で働くにはどのような資格取得が必要となるのか、仕事内容はどういったものかなどについて詳しくご紹介します!

発達障害のキホン
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目次 機能訓練指導員とは? 元になる国家資格ごとの「機能訓練指導員」としての役割・特色 機能訓練指導員が訓練する「機能」って? 介護保険法における機能訓練指導員の支援対象 機能訓練指導員の業務内容 機能訓練指導員に必要な知識・考え方 まとめ

機能訓練指導員とは?

「機能訓練指導員」とは、介護保険において人が生活するのに必要な機能を訓練する職種のことを指しています。主に介護老人福祉施設や、通所介護施設などで、介護が必要な人の機能面でのサポートを行っています。

1997年に成立した「介護保険法」をもとにして厚生労働省が定めた「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」では「機能訓練指導員」が次のように説明されています。

機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。

出典:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11F03601000039.html
ここで「訓練を行う能力を有する者」とありますが、これは以下の6つの国家資格のうちいずれかを持っている人のことを言います。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護職員
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師

これらの資格を持っている人が、介護保険法の定める機能訓練指導員として活躍することができるのです。

元になる国家資格ごとの「機能訓練指導員」としての役割・特色

ここでは、それぞれの元になる国家資格を持った人が「機能訓練指導員」としてどのような役割を持っているのかをご紹介します。

・理学療法士
身体の機能を回復させたり(運動療法)、水や光線、電気などによって症状を改善したりします(物理療法)。また理学療法士の資格を持った機能訓練指導員の仕事は幅広く、福祉用具の選定や在宅ケア、生活習慣病の予防なども行っています。

・作業療法士
障害のある人が活動できるようになることを目指して、さまざまな機能の回復・維持・開発を行います。主体的な活動を目指し、他の職種の人とともにその人の活動をサポートするのが特徴的です。
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・言語聴覚士
食べることや話すことなどの支援を行う言語聴覚士は、機能訓練においては主に言語の分野を担当し、口腔機能を向上させる役割をになうことも期待されています。
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・看護職員
看護職員とは保健師・助産師・看護師・准看護師をさします。利用者の健康状態を見極めるバイタルチェックなどを主な仕事としています。医療・介護を越えた活躍も期待されています。

・柔道整復師
地域において整骨院などを開業している場合の多い柔道整復師は、高齢者に馴染みの深い存在です。それまで脱臼などの外傷を担ってきた経験から、骨や関節などの運動機能の向上を中心に機能訓練を行います。

・あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、疲れや身体の諸症状をマッサージによって改善することを目的としています。機能訓練指導員として働くあん摩マッサージ指圧師は、トレーニングによる疲労感を軽減することに加えて、運動機能の向上に対しての指導を行うことを目指しています。

機能訓練指導員が訓練する「機能」って?

では、機能訓練指導員の「機能」とはいったい何を指しているのでしょうか。ここでの「機能」を理解するためには、「国際生活機能分類(ICF)」の考え方を理解する必要があります。

ICFとは「国際機能分類」の名前にもあるとおり、人間の生活に必要な機能を分類分けした分類法のことを指しています。ICFでは人が生きていくのに必要な機能をとらえるとき、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの視点から総合的に生活機能の状態を把握します。
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つまり、病気やけががあるかどうかといった身体的な状態のみから人の健康状態を判断するのではなく、その人が自分で歩いたり食べたりすることができるか、また学校や仕事に行くことができるか、といった活動や参加の状況も踏まえて生活機能をとらえるということです。

介護保険制度において指導を行う機能訓練指導員は、上の3つの生活機能のうち、「心身機能・身体構造」や「参加」の状況を考慮しつつも、特に「活動」の部分に重きを置いて指導を行うのが特徴です。
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介護保険法における機能訓練指導員の支援対象

上記、元となる様々な資格を持っている人が「介護保険法」において機能訓練指導員として働くことができるとありましたが、その介護保険法とは、一体どのようなものなのでしょうか。

介護保険法は1997年に制定され、2000年に施行された法律です。高齢化が進む中で、加齢などによって日々の生活に支援が必要となった人を、社会全体でサポートしあう体制を作ることを目的として制定されました。

そして介護保険法に基づいて実施され始めたのが、「介護保険制度」です。介護保険制度では訪問介護から介護保険福祉施設など、さまざまなサービスを展開しています。そのサービスの一部の施設で活躍するのが「機能訓練指導員」なのです。

たとえば、通所介護(デイサービス)や短期入所生活介護、介護老人福祉施設などには機能訓練指導員を一人以上配置することが義務とされています。

そのため、機能訓練指導員の支援を受けることができるのは、介護保険において要介護認定を受け、かつ支援に機能訓練が必要だと判断された方になります。介護を受ける理由としては、「高齢による衰弱」や「認知症」、「パーキンソン病」などが多いようです。

機能訓練指導員の業務内容

はじめに説明したように、機能訓練指導員は支援を必要とする人がよりよい状態で日々の生活を送り続けられるようなサービスを提供しています。

機能訓練指導員の具体的な仕事の内容には、機能訓練の実施だけでなく、その前後の振り返りや次への計画なども含まれます。ここではそのうちの2つをご紹介します。

・機能訓練の実施
実際の機能訓練では、寝返り訓練、起き上がり訓練、立ち上がり訓練、歩行訓練などの訓練が多く行われています。これらの訓練を行う際にも、利用者の最終的な目標を達成するためのスモールステップとして、訓練を行うことが重要と言えるでしょう。

・機能訓練の評価
実際に機能訓練を行った結果、利用者にとってどのような良いことがあったか、逆にどのようなことが課題として挙げられたかを検討します。その結果何か次に改善したことが良いことがあれば改善し、さらに良い訓練内容を作っていきます。

利用者が機能訓練を最大限に生かすことができるようになるためには、事前に利用者のニーズを把握し、適切な訓練を計画するということが欠かせません。すべての段階において「利用者にとっての目標は何か」「その目標を達成するためにはどのような支援が必要か」を考えながら、ほかの担当職員とも協力して支援をしていくことが求められています。

機能訓練指導員に必要な知識・考え方

機能訓練指導員には、利用者が潜在的に抱えている「ニーズ」を把握し、そのニーズに対して適切な支援をすることが求められています。そのために必要な能力として、ここでは2つご紹介します。

・機能訓練とリハビリテーションの違いを理解し、機能訓練を実施する
前にふれたように、介護保険における機能訓練は、障害のある器官そのものの機能を回復することのみを目的としたものではありません。

あくまでも機能を回復した先に、その人が自立した生活を送ることができるようになるためには、どのような支援ができるか、を考えます。それに対してリハビリテーションではその人に存在している器官などの疾病を、早期に回復させることを目的としています。機能訓練とリハビリテーションの違いを理解し、機能訓練として利用者をどのように支援できるか、を考えていくことが不可欠です。

・機能訓練が「寝たきり」にさせないことを目的としていることを理解している
介護保険法における機能訓練では対象が高齢者となっていますが、高齢者の「寝たきり」は、筋力の低下や、体力の低下につながってしまう場合があります。それは本人にとっても、家族や社会全体にとってもマイナスの結果をもたらしかねません。

そのため高齢者を対象とした機能訓練では、なるべく早く訓練を開始することを心がけ、「寝たきり」の状態を短くするよう意識していくことが重要です。

これ以外にも機能訓練指導員として支援を行う際に必要となる能力はたくさんあります。介護や福祉に関する知識に加えて、「その人がその人らしく生きていくために適切な支援」を考え続けていくことが機能訓練指導員には必要であるといえます。

まとめ

介護保険制度は高齢化する日本において、高齢者がより健康に、自分らしく生きていくことを目指して実施が始まりました。

そんな介護保険制度の一環として、設置された機能訓練指導員は、その人がその人らしく、日々の生活をしていくためのお手伝いをする仕事です。

利用者が生活において不自由に思っている部分を改善するだけではなく、その人が支援を受けた後に主体的な生活を送ることができるよう多角的な視点で支援をすることを目的とする機能訓練指導員は、今後幅広く活躍が期待される職種です。
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