機能訓練指導員とは?どのような職種なの?仕事内容の特徴、資格ごとの役割や特色などお伝えします!

ライター:発達障害のキホン
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「機能訓練指導員」とは、介護保険において利用者の日常生活に必要な機能を訓練する人のことを指しています。この職種で働くにはどのような資格取得が必要となるのか、仕事内容はどういったものかなどについて詳しくご紹介します!

目次

機能訓練指導員とは?

「機能訓練指導員」とは、介護保険において人が生活するのに必要な機能を訓練する職種のことを指しています。主に介護老人福祉施設や、通所介護施設などで、介護が必要な人の機能面でのサポートを行っています。

1997年に成立した「介護保険法」をもとにして厚生労働省が定めた「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」では「機能訓練指導員」が次のように説明されています。
機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能を改善し、又はその減退を防止するための訓練を行う能力を有すると認められる者でなければならない。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000100039
ここで「訓練を行う能力を有する者」とありますが、これは以下の6つの国家資格のうちいずれかを持っている人のことを言います。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護職員
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師

これらの資格を持っている人が、介護保険法の定める機能訓練指導員として活躍することができるのです。

元になる国家資格ごとの「機能訓練指導員」としての役割・特色

ここでは、それぞれの元になる国家資格を持った人が「機能訓練指導員」としてどのような役割を持っているのかをご紹介します。

・理学療法士
身体の機能を回復させたり(運動療法)、水や光線、電気などによって症状を改善したりします(物理療法)。また理学療法士の資格を持った機能訓練指導員の仕事は幅広く、福祉用具の選定や在宅ケア、生活習慣病の予防なども行っています。

・作業療法士
障害のある人が活動できるようになることを目指して、さまざまな機能の回復・維持・開発を行います。主体的な活動を目指し、他の職種の人とともにその人の活動をサポートするのが特徴的です。
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・言語聴覚士
食べることや話すことなどの支援を行う言語聴覚士は、機能訓練においては主に言語の分野を担当し、口腔機能を向上させる役割をになうことも期待されています。
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・看護職員
看護職員とは保健師・助産師・看護師・准看護師をさします。利用者の健康状態を見極めるバイタルチェックなどを主な仕事としています。医療・介護を越えた活躍も期待されています。

・柔道整復師
地域において整骨院などを開業している場合の多い柔道整復師は、高齢者に馴染みの深い存在です。それまで脱臼などの外傷を担ってきた経験から、骨や関節などの運動機能の向上を中心に機能訓練を行います。

・あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、疲れや身体の諸症状をマッサージによって改善することを目的としています。機能訓練指導員として働くあん摩マッサージ指圧師は、トレーニングによる疲労感を軽減することに加えて、運動機能の向上に対しての指導を行うことを目指しています。

機能訓練指導員が訓練する「機能」って?

では、機能訓練指導員の「機能」とはいったい何を指しているのでしょうか。ここでの「機能」を理解するためには、「国際生活機能分類(ICF)」の考え方を理解する必要があります。

ICFとは「国際機能分類」の名前にもあるとおり、人間の生活に必要な機能を分類分けした分類法のことを指しています。ICFでは人が生きていくのに必要な機能をとらえるとき、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの視点から総合的に生活機能の状態を把握します。
生活機能の状態を表した図
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つまり、病気やけががあるかどうかといった身体的な状態のみから人の健康状態を判断するのではなく、その人が自分で歩いたり食べたりすることができるか、また学校や仕事に行くことができるか、といった活動や参加の状況も踏まえて生活機能をとらえるということです。

介護保険制度において指導を行う機能訓練指導員は、上の3つの生活機能のうち、「心身機能・身体構造」や「参加」の状況を考慮しつつも、特に「活動」の部分に重きを置いて指導を行うのが特徴です。
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ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!

次ページ「介護保険法における機能訓練指導員の支援対象」

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