子どもがレット症候群かも、と不安を感じたら

相談する

◇乳幼児健康診査
乳幼児健康診査は乳児健診とも呼ばれ、母子保健法の定めにより各自治体が実施するものです。各市区町村の保健センターなどで行い、赤ちゃんが順調に発達しているかどうかを確認し、病気の予防や早期発見をするための検査です。3ヶ月、6ヶ月、1歳半といった乳幼児の発達の節目に受けることができます。レット症候群の場合には、初期症状が生後6ヶ月~1歳半ごろから出始めるので、3、6ヶ月の時点ではもちろん、1歳半健診の際にも、見過ごされてしまうことがありますので注意が必要です。

乳幼児健診では普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。乳児健診は同じ月齢の赤ちゃんを育てるほかの保護者も来ており、育児の工夫や悩みを共有したり情報交換したりできる場としても利用できます。

検査を受けるには、出生届を出した自治体から送られてくる受診票の案内に従います。指定された日時に集団で受けるケースがほとんですが、事情があれば日付の変更や受診場所の変更をしてもらえることもあります。

また、以下のサイトでは、全国の発達相談にのってくれる施設を検索することができますので参考にするとよいでしょう。
発達障害者支援センター・一覧 |出典:国立障害者リハビリテーションセンターホームページ
http://www.rehab.go.jp/ddis/action/center/
◇地域子育て支援センター
行政や自治体が主体となって運営している施設です。子育ての不安・悩みに対し専門的なアドバイスをしてくれる保健師が在籍または巡回しています。日時によっては乳幼児の発達相談を無料で行っています。

地域の母子向けに子育てサロンを開催や発達に合わせたセミナーを主催していることもあり、気軽に利用できます。

◇児童相談所
児童相談所では、育児の相談、健康の相談、発達の相談など、0~17歳の児童を対象としたさまざまな相談を受け付けています。必要に応じて発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、理学療法士などからの支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市区町村のHPなどを見て、スケジュールを確認するようにしましょう。
全国児童相談所一覧|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html

病院を受診する

上記で紹介したレット症候群の症状が明らかである時には、すみやかに医療機関で診察を受けることをおすすめします。医療機関の受診を考える場合には、まずはお近くの小児科で相談してみてもよいでしょう。

レット症候群は、認知度の低い疾病であり、一般の病院を受診しても残念ながら確定診断に至らない場合があります。ですので、受診の際にはお近くの「指定難病特定医師」を訪ねることをおすすめします。

以下のサイトから指定難病特定医師のいる病院を検索できます。参考にしてみてください。
都道府県別指定医師一覧|難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5309
「小児神経医のいる施設|一般社団法人日本小児神経学会」
https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=3

レット症候群の治療法

レット症候群は、残念ながら根本的な治療が確立されていません。ですので、レット症候群のある患者さんに対しては、それぞれの症状をケアする対症療法により症状の緩和を目指します。

例えば、運動機能の低下に対しては理学療法が行われ、発話に関しては言語療法が行われます。また症状として多く見られるけいれんには、抗けいれん薬の調整などです。ほかに、背骨がゆがんでくる側弯に対してはコルセットを使用して姿勢の維持を行うなど、一つひとつの症状に対してアプローチを行っていきます。

レット症候群のあるお子さんの保護者の方へ

レット症候群のある子どものケアや子育てで気を付けたいことをご紹介します。

視線でのやりとりを大切に

レット症候群のある子どもは、うまく身体を動かすことはできませんが、耳で捉えた音はしっかりと聞こえていますし、においや触られた感覚はあります。しかしレット症候群のある子どもは、自らの意思により体を動かすことが難しいので、自分の意思を伝える方法が限られてきます。

ここで重要になるのが、視線を動かすことです。疾病の度合いが重度の場合には、外界からの刺激に対して反応をできるのは視線を動かすこの方法のみとなります。声をかけてあげるときには、目を見ながらやりとりを行うのがよいでしょう。

近年では視線入力装置などの代替コミュニケーションの手段も開発されています。安価で視線入力装置の貸し出しを行うプロジェクトが行われています。詳しく知りたい方は以下のサイトをご覧ください。
視線入力装置|NPO法人 レット症候群支援機構
https://npo-rett.jp/rett_communication-P.html

栄養状態に配慮を

レット症候群のある子どもは嚥下が困難なために、食事にかかる時間が長く必要です。食事の際には、誤嚥(ごえん)を防ぐためにトロミをつけて、便秘を抑えるためにも、食物繊維の多い食事が推奨されます。身体の中に管を入れて栄養をとっている場合には亜鉛、必須アミノ酸、カルニチンなどの不足にならないように注意が必要です。

また骨密度の低下により骨折することが多いので、定期的に骨密度などを測定し、活性型ビタミンDやカルシウム摂取などを心がけたいものです。

早いうちから整形外科に相談を

症状が進行してくると、筋緊張の異常や側弯によって歩行が困難となります。お子さんのレット症候群に気が付いた場合には、歩行機能を失わないうちに、整形外科に相談してコルセットや補装具を作成する相談をすることが望ましいです。
次ページ「レット症候群に対する医療費の補助制度 」

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