笑顔のやり取りは赤ちゃんにとってどんな意味があるの?

そもそも、にこっと笑顔を見せたり、笑い声を出すということは、赤ちゃんにどんなことをもたらすのでしょうか。

自尊感情とコミュニケーションを取る楽しさを育む

先ほども触れたように、生まれたばかりの赤ちゃんが、言葉を使ってコミュニケーションを取ることはできません。ですが、保護者が笑顔で自分を見て、話しかけ、お世話してくれているということはきちんと理解しています。そして、このようなやり取りの中で赤ちゃんがコミュニケーションを楽しいと思う気持ちも育まれていきます。

言葉の獲得へつながる

笑顔のやり取りは言葉の獲得にも大きな意味を持ちます。赤ちゃんは社会的微笑ができるようになるに伴い、声も出るようになってきます。その後首がすわるようになるとさらに声が出るようになるので、「いないいないばあ」や「くすぐり遊び」など発声を引き出す遊びを多く取り入れていくといいでしょう。
参考書籍:河原紀子監/『0歳~6歳子どもの発達と保育の本』2011年/Gakken保育Books
https://www.amazon.co.jp/dp/4054048919

赤ちゃんの笑いを引き出すコミュニケーションの取り方は?

では、赤ちゃんが笑わない場合、笑顔を引き出していくためにはどのようにコミュニケーションを取っていけばよいのでしょうか。いくつかポイントとコツをご紹介します。

子育てをする大人が笑顔で赤ちゃんに接する

赤ちゃんの笑顔を増やしたい、表情豊かな子どもに育てたいと思うのであれば、子育てをする大人自身が笑顔で赤ちゃんに接していくことが大切です。

赤ちゃんはあやしてくれる人の表情をよく見ています。発達が不安なあまり、心配そうにあやしたり、ストレスを抱えた状態であやしたりすると赤ちゃんもその不安やストレスを敏感に感じ取ってしまうでしょう。このような環境では、赤ちゃんはあやしてくれる保護者に笑顔を見せることが少なくなり、表情が乏しくなることがあります。

赤ちゃんの笑顔を引き出すには、保護者自身が明るい気持ちでいられる環境を作り、赤ちゃんに対して自然と笑顔をみせられることが何より大切なのです。

赤ちゃんに対して語りかけたり、何か発した言葉をオウム返しする

赤ちゃんに対して「おっぱいたくさん飲んでお腹いっぱいだね」「おむつを替えて、すっきりしたね」などと赤ちゃんの気持ちを代弁するようにたくさん語りかけてあげましょう。また、赤ちゃんが「うーうー」「あーあー」などと声を出したら、そっくりそのまま真似して返してみましょう。

保護者から赤ちゃんにたくさん関わりかけることで、赤ちゃんは自分が発したことに応えてくれる人がいると感じ、そのやりとりを楽しいと感じます。このような語りかけやオウム返しの繰り返しによって、赤ちゃんの表情や感情がどんどん豊かになっていきます。
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テレビやスマホなどの電子機器の使用頻度に気をつける

テレビやスマートフォンは、子ども向けのコンテンツもたくさん登場しているので、子どもも夢中になって見てくれますよね。そのため、家事を進めたいときや1人で落ち着きたい時など、テレビやスマートフォンに子どもの相手をしてもらうという場合もあるでしょう。

ですが、テレビやスマートフォンは画面から一方的に刺激が与えられるものです。赤ちゃんがテレビやスマートフォンを見て笑ったとしても、これらの電子機器は赤ちゃんの笑いや反応一つひとつに対応している訳ではありません。それゆえに、テレビやスマートフォンに頼りすぎてしまうと、赤ちゃんの笑いや表情の豊かさを奪ってしまう可能性があります。

赤ちゃんにはできるだけ保護者や周りの大人含め、人との交流を大切にしてあげましょう。そうすることで、赤ちゃんの笑顔を引き出し、表情豊かに育っていくでしょう。

あやし方を変えてみる

しかし「子どもにはちゃんと笑顔で接しているし、語りかけもしている。なのにあまり笑わないのはなぜ…?」と思っている保護者もいるかもしれません。そんな時は、赤ちゃんのあやし方を変えてみるのも方法の一つです。

特に、他の大人にあやされた時は笑うのに、自分があやすと笑わないという場合は、あやし方が赤ちゃんの好みではない可能性があります。赤ちゃんとはいえ一人の人間なので、当然一人ひとり好みも変わってきます。

中には、母親の自分には笑ってくれないのに保育士には笑う、という悩みをもっていた方が、抱っこの仕方を変えたことで自分にも笑ってくれるようになった、という体験談もあります。

負担にならない程度に、あやし方や赤ちゃんへの接し方を色々試してみるのも一つの手です。

まとめ

赤ちゃんの笑いは、周りの大人を幸せにするだけでなく、赤ちゃん自身が健やかに育つために必要なものです。赤ちゃんの発達には個人差がつきものなので、なかなか笑わなくて気になる場合であっても不安になりすぎることはありません。

それでも赤ちゃんが笑わないな?と感じた時は、保護者がにこやかに赤ちゃんと接することができているか、細やかなコミュニケーションがとれているか、あたたかなスキンシップがとれているかについて、日々の子育てを振り返ってみましょう。振り返る中で何か思い当たる点があったら、その点を意識して子育てに取り組んでいくことで、赤ちゃんの笑顔を増やすことができるかもしれません。

いつも笑顔で赤ちゃんに接することは、とても難しいことですが、保護者が笑顔で子育てをすることが、赤ちゃんの笑顔を引き出すことにもつながります。しかし、「笑わない」こと以外にも気になる様子があったときは、家庭だけで抱え込まずにかかりつけの小児科や保健センターなど身近な窓口に相談するようにするといいでしょう。
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