【医師監修】自己愛性パーソナリティ障害とは。特徴・原因・2つのタイプと「境界性」との違い、接し方まで解説
自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)は自己愛の未成熟から生じるパーソナリティ障害で、自己誇大や共感性の薄さ、他者からの評価に敏感といった特徴があります。今回は自己愛性パーソナリティ障害の特徴やタイプ、境界性パーソナリティ障害との違いについて解説していきます。
産業医
自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)とは?特徴と2つのタイプ、チェックリストや行動などの実例
この記事で分かること
- 【医師監修】自己愛性パーソナリティ障害の症状例と、モラハラ・虚言癖などの具体例
- 「無自覚型」と「過敏型」2つのタイプとは? それぞれの具体的な行動パターンと口癖
- 【関わる方へ】自己愛性パーソナリティ障害の人への「OK/NG対応」。職場や家庭での具体的な付き合い方
- 「治るの?」と悩んだら。本人・家族ができる治療法(精神療法・薬物療法)のステップ
- 原因は「育て方」のせい? 気質的・環境的要因(親との関係)についての解説
- 「境界性パーソナリティ障害」との違いは? 診断基準と見分け方
- 「何科に行けばいい?」すぐに相談できる窓口リストと、保険診療に関するQ&A
自己愛性パーソナリティ障害とは
これらの特徴から、繰り返し嘘をつく虚言癖やモラハラ、「自分は特別だ」が口癖などの行動パターンがみられることがあります。
診断にあたっては、以下のような症状が5つ以上みられるか、その症状が成人期早期までにあらわれているかが確認されます。
- 自分の才能や成果を実際よりも誇張する
- 成功、権力、美しさ、理想的な愛を手に入れているという空想にとらわれている
- 自分は特別な存在であり、他の特別、または地位の高い人たちだけが自分を理解しかかわることができると信じている
- 過剰な賛美を求める
- 特権意識をもち、そう対応されることが当然だと期待している
- 自身の利益のために他者を利用することはいとわない
- 共感力が欠如していて、他者の気持ちなどがわからない、または気づこうとしない
- 他者に対して嫉妬心を抱いたり、反対に他者から嫉妬されていると思い込む
- 尊大かつ傲慢な言動が見られる
◇自己愛って?
自己愛とは自分を大切にすることをいいます。自己愛は少なからず誰にでもあるものです。自己愛は年齢を重ねるごとに成熟していくといわれています。
この「自己愛の成熟」とは精神医学では自分を肯定して愛することができる状態といわれていて、さらに、成熟すると自分以外の他者にも愛情を注げるようになるといわれています。
◇自己愛性パーソナリティ障害は自己愛が未成熟な状態
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己愛が未成熟な状態にあると言えます。自己愛が未成熟な状態とは、ありのままの自分を受け入れ愛することができていない状態をいいます。その未成熟さの現れが「自己の誇大化」、「他者からの評価に対する過敏さ」、「共感性の薄さ」になります。
例えば自分自身が掲げる理想の姿が高く、「自分は特別」「自分はできる人間だ」という思い込みが強い傾向があります。そのために誇大な言動が表出します。「自分はできる人間だ」と思い込んでいるために他者からの評価を受け入れることができず、怒り出したり、過敏に傷つき、引きこもりやうつ病になったりすることもあります。
さらに共感性の薄さによって、相手の立場に立って物事を考えることができず、その場にふさわしくない言動をしていたり、自分の目的達成のために友人を利用したりするような対人関係がみられることをいいます。
以上の傾向に柔軟性がなく、持続的で、社会生活が困難になるほどの苦痛を引き起こしている場合に自己愛の歪みや未成熟さがあり、自己愛性パーソナリティ障害と判断されます。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴は?
自己愛性パーソナリティ障害の症状がある人は、「3つの自己」を持っているといわれています。
- 誇大化させて形成された尊大で傲慢な自己
- 自分は欠陥がある人間だというイメージを持った自己
- 奥底に隠れている本当の自己
◇誇大な言動
・自分は才能がある特別な人間だと思い込み、それに伴った言動が目立つ
・有名人や権威のある人と知り合いであることを自慢する(知り合いである自分は特別という裏打ち)
◇他者からの評価に過敏
・恥をかいたり、屈辱感を抱いたりするとカッとなって激しく怒り出す
・ときにはその憤り(いきどおり)を超えて、ひどく落ち込み、自殺を考えだすこともある
◇他者への共感性の薄さ
・病気で入院している人のところへお見舞いに行って、自分の健康自慢をするなど相手の状況を考えない言動をする
・自らの成果や目標達成のために、友人を利用したり裏切ったりという行為をする
・わがままかつ傲慢な性格のため、あまり自分の意見を言えない友達を従えてあたかも自分が一番偉いかのように振る舞う
自己愛性パーソナリティ障害の特性をチェック。虚言癖やモラハラなど多く見られる口癖や行動パターンの実例も
これらの特性が、虚言癖やモラハラにつながるケースも多く、職場や夫婦関係などに大きな影響を与えることも少なくありません。
・モラハラの実例
自分がいかに仕事ができるか、人脈が豊富で人から信頼されているなど、自慢話や自分の話しかしない上司。人の言うことは聞かず、話が通じないため、「この人は自己中心的だな」という気持ちからそっけない返事をしているうちに、ターゲットにされるように。
全員の前で「こんなことも知らないのか」「何だそのやり方」など暴言に近い言葉ばかり投げかけられたり、無視されることも多々あった。精神的に参ってしまい、数ヶ月休職したのち他部署に異動した。
・虚言癖の実例
自己愛性パーソナリティ障害のある夫に悩む妻も。
子どもの野球部のパパ友に「自分はプロ野球選手を目指していた」「有名選手とも親友だ」などと嘘をついていたことが発覚。自分の職業など、ほかにもかなり大胆な嘘をついていたことが分かり、これは虚言癖ではないかと疑い、夫婦で話し合って、現在は心療内科へ通院している。
このように自己愛性パーソナリティ障害のある人は、自身への誇大なイメージが言動にもあらわれることがあり、「自分は特別だ」「自分は完璧だ」「有名人と知り合いだ」などといったことを口癖のように語ることもあります。
自己愛性パーソナリティ障害の2つの特性「無自覚型」「過敏型」
◇周囲を気にしない「無自覚型」タイプ
このタイプの人は、自分はできる・自分は特別だと思い込み、社交的に振る舞いつつも他人のことに興味はなく自分の利益だけを考えています。このタイプの人が他者と親しく付き合うのは、自分に何かしらの利益があるからだと考えているためですが、自分の意向に沿わないときや責められると激怒することがあります。このような言動は本来の弱い自分を守るための防衛本能だといわれています。そのほかにも次のような特徴がみられます。
- わがまま・傲慢な態度をとる
- 自分に夢中で他人のことは全く考えない
- 注目の的でないと気に入らない
- 他者に対する言葉づかいは常に攻撃的
- 他者の反応を気にしない/怒りに表わすことで気にしないことにしている
- 他者の気持ちを傷つけても平気
◇周囲を過剰に気にする「過敏型」タイプ
このタイプは身の丈に合わない理想化した自分自身を掲げますが、現実の自分との間にあるギャップに悩みます。他者からの評価に過敏ですぐに傷つきますが、自分には本当は才能があるという思いを持ち続けています。それゆえに自分自身を責めて落ち込んでいくサイクルが続きます。ほかにも次のような特徴がみられます。
- 内気で恥ずかしがり屋
- 自分の意見や感情を出さない
- 傷つけられたと感じやすい
- 注目の的になるのを避ける
- 他者の反応に対して敏感に落ち込む
- 他者からの評価を気にする
この障害がある人が自分を誇大化する理由は、本当の自分に自信が持てないなどの理由があります。本当の意味で自分自身を受け入れることができていない状態なのです。
モラハラ――職場でのトラブル実例
自分の部下を自分の出世のために利用したり、平気で嘘をついたり(虚言癖)、などというケースも少なくないようです。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、部下の気持ちを想像したり、事情を考慮することが難しく、自分の出世や周りからの評価のことしか考えないため、それがモラハラやパワハラにつながり、部下や同僚をうつ病に追い込んでしまう、というケースもみられます。
発達ナビのQ&Aコーナーにも以下のような投稿が寄せられています。
自己愛性パーソナリティ障害の同僚が容姿や経歴を平気で罵倒したり、仕事の報告内容を聞いて怒り出したりします。普通なら無視すればいいのですが、私の場合は身内にも自己愛性パーソナリティ障害の人いて、ターゲットにされているという経緯があり、彼らの顔を見ただけでパニックを起こしたり、多汗気味になったり、心拍数が上がったりします。
私も職場で自己愛性パーソナリティ障害の人のターゲットになったことがあります。色々と誇張して、噂を言いふらされました。でも、そういう人は、あまり意地悪をしているつもりもないようで、一定期間を過ぎると忘れて、愛想良くしてくることもあるし、噂話もそう長くは続きませんでしたが、ストレスが溜まるばかりなので、異動希望を出す決意をしました。
自己愛性パーソナリティ障害のある人への接し方、付き合い方
自己愛性パーソナリティ障害の症状がある人への接し方
前述したように、自己愛性パーソナリティ障害のある人は性格や特性が極端なケースが多いため、無防備に関わってしまうと、モラハラを受けたり虚言で悩まされたりすることもあるため、接し方に注意が必要です。では、どのような接し方をすればいいのでしょうか。
1.自慢話などには極力付き合い、できれば認めたり賞賛する
…適当な相槌で済ますと、「自分の偉大さが分かっていない、気にくわない」と思われる可能性があります。心酔したり関係を深めたりすることは避けつつ、口先だけ合わせることが大切です。
2.世話を焼かれても、感謝だけ
…自己愛性パーソナリティ障害の人は、深く関わってこようとしたり、頻繁に世話を焼くなどして、周りの評価を求めようとする傾向にあります。そして「あのときやってやったんだから、こうしろ」などと後に支配下に置こうとしたり、反発すると周囲に吹聴するケースも。感謝の意を表すのみにして、あまり頼らないようにしましょう。
3.「勝ち負け」「優位性」に乗っからない
自己愛性パーソナリティ障害があると、「自分と他人のどちらが上でどちらが下か」という物差しで判断しがちです。正常な努力による「勝ち」ではなく、学歴、持ち物、プライベートなど、相手を貶したりからかう行為によって「優っている」という意識を持ちたがる傾向にあります。このため、詮索されてもはぐらかす、「勝ち負け」で人を判断しない心構えを持つことが大切です。
しかし、自己愛性パーソナリティ障害のある人自身も「人間関係が上手くいかない」「人とどう接したらいいか分からない」と悩んでいます。蔑んだり、単純に突き放すのではなく、あくまで「上手な接し方」として捉えてほしいと思います。
自己愛性パーソナリティ障害の症状との付き合い方・対処法
対処法として一番大切なのが、本人が「自覚」する、「ありのままの自分を受け入れる」ことです。具体的にどのようなことができるのか、いくつかの対処法を紹介します。
・自分の思考を客観視する
…「自分は今こういう考え方をしている」と自分の思考を追ってみる。考え方を変えていくためのスモールステップになる。
・すぐに相手を「敵」だと思わないようにする
…上手くいかなかったり批判されると、「あの人が悪いから=敵」とみなしがちです。そこを、「自分も間違っていたかも」「敵・味方ではなく、合う・合わない」という思考に変えていく。
・事実と向き合う
…日記を書いたり、その日の出来事を冷静に思い返すなど、ありのままの事実と向き合え、「自分はこういう人だ」と自身を客観視でき、少しずつ受け入れていくことができます。
自己愛性パーソナリティ障害があると、「自分は尊大だ」と「自分はダメな人間だ」と思う極端な二面性を持っているといえます。少しでも対人関係を穏やかに、そして生きやすくするには、「尊大でもない非力でもない」ありのままの自分を受け入れ、アイデンティティをしっかり持つことが大切になってきます。
自己愛性パーソナリティ障害の治し方は?
個人精神療法
1週間に1~2回、30分から1時間程度、治療者が患者さんと面接する形で行うのが一般的です。内容に関しては個々の治療者の判断によるところが多く、統一のガイドラインはありません。
この治療法においては、以下の3点を患者さんと周囲の人々が理解する必要があります。
・効果が表れるのに時間がかかる治療法であり、一般的には数年かかる
・誰にでも効果が期待できるものではない
・治療者との信頼関係がなければ効果は得られない
個人精神療法は、精神科医が行うもっとも基本的な治療法の一つではありますが、「絶対的な治療法」であるという過度の期待を持つと、すぐに効果が出ないと治療を投げ出してしまったり、治療者を疑ったりと逆に治療が困難になってしまうことがあります。
その場しのぎではなく問題を根本から改善しようとするものであるため、時間はかかりますが、本人が治療の意思を持って、治療者と信頼関係をしっかり結んで治療を継続していくことが必要です。
集団精神療法
ほかの患者とコミュニケーションをとりながら、自分と同じ障害がある人を見つめることで問題に気付き、それを自分にあてはめて考えることができるようになります。集団精神療法での仲間体験は、患者自身の自己肯定感を持たせることにつながり、他人とコミュニケーションの取り方を練習する機会にもなります。
また患者本人だけでなく、家族にも治療を行う場合があります。パーソナリティ障害がある患者は、その家族にも認知や思考のパターンに偏りがあることが多いためです。この偏りのために、家族の努力が患者さんの症状を逆に悪化させていることもあります。
具体的には、治療者が家族全員と面接を行ったり、患者さんの付き添いで来院した際に話を聞いたりします。患者さんに思いをうまく伝える言葉のかけ方や、患者の気持ちを安定させるための振舞い方など、適切な対応法を治療者から指導します。
なお家族療法は、患者が未成年のときに行われることが多いです。患者がある程度の年齢に達している場合は、患者自身が家族から自立する方向で治療が行われる傾向にあります。
薬物療法
使われることのある薬の種類と働きは以下の通りです。
■抗精神病薬
主にドパミン系の神経に作用し鎮静させます。自傷行為などの衝動性が強くみられる場合に使われることがあります。
■抗うつ薬
気分の落ち込みが続くときなどに用いられます。主にセロトニンなどの神経伝達物質を調整するSSRIやSNRIなどを使用します。
■抗不安薬
不安や焦り、恐怖感が強い場合に使われますが、依存や乱用、衝動的な行動を増すおそれなどがあるため、長期間にわたる使用には注意を要することがあります。
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自己愛性パーソナリティ障害の原因はなに?
自己愛性パーソナリティ障害は、生まれながらに持っている気質的要因に環境的要因が影響し、パーソナリティ(人格)が形成されていくという精神分析学者のカーンバーグの説と、環境的要因が最も作用しパーソナリティが形成されているという国際精神分析学会のコフートの説があります。
気質的要因って?
例えばある物事をどのくらい細かくみられるか、どのくらい面白がれるか・関心を持てるか、没入できるかなどは人それぞれで、その度合いも異なります。物事に細かい神経質な人もいますし、その反対に大ざっぱな人もいますよね。気質として自己愛が低い人がいることがあってもおかしくありません。その感覚は人それぞれですが、家族でその気質は似ることもあります。
環境的要因(家族環境・親と子どもの関係性)って?
◇コフートが考える環境的要因
コフートは例えば、幼少期の子どもの「お母さん(お父さん)見て!」という承認欲求に対して、親が肯定的に応えて「共感」の態度をとることは、自己愛の形成に大きな影響を与えているといいます。
幼い子どもはみな誇大な自己を持っていて、なんでもできる気になっています。そして親に褒められたいと思うようになり、顕示し承認されることで自己愛を育みます。そして成長に伴ってその理想像が変化し、親から褒められることがそれほど重要なことと思えなくなっていきます。それがまさに自己愛の成熟の過程の一部です。
しかし親が子どもへの「共感」の態度を示さないと共感不全の状態に陥り、自己愛が育ちにくいといわれています。自己愛が未成熟のまま成長すると親だけではなく他人からの称賛や注目を集めて自己愛を満たそうとしますが、それで自己愛が成熟することはありません。コフートは必要な精神療法を用いて自己愛を成熟させる治療は可能だと考えています。
◇カーンバーグが考える環境的要因
カーンバーグは本人の気質的要因と家族がつくりだす環境的要因の2つが作用していると考えています。気質的要因はこれまで述べた通りです。環境的要因として過剰な期待をのせて、才能を褒め立てて「特別な子ども」と言い聞かせて育てたり、体の弱い子に対して過保護になったりすることが挙げられます。
良かれと思っていても過度にそういった行動をすると自己愛が成熟せず、未成熟の状態が続いてしまいます。
以上のことから先天的な気質要因と後天的な環境要因の影響が加わって、人格および自己愛が形成されていくといわれています。
自己愛性パーソナリティ障害の診断と、境界性パーソナリティ障害との違いや合併について
自己愛性パーソナリティ障害と見分けるのが難しい境界性パーソナリティ障害って?
「見捨てられる不安」とはどういうことかというと、自身が信頼をおいている相手には依存する症状がある一方で、常に根底では「自分が見捨てられてしまうのではないか」という不安を感じているということです。
「自己イメージの不安定さ」とは、自己同一性(アイデンティティ)が確立していないことから、例えば一面的な評価を自分の全人格に対する評価として過剰に受け取ってしまいます。その度にひどく落ち込んでしまったり、同じ人からの評価にも関わらず、褒められたときはその人のことを好意的に思う一方で、問題などを軽く指摘されただけでその人に敵意を示し激しい怒りを感じたりします。
自己愛性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害の違いは?
この2つの障害の違いは、境界性パーソナリティ障害は、自己否定を繰り返し考え続けることで情緒不安定を生みます。それに対して自己愛性パーソナリティ障害は、理想と現実のギャップを受け止められず、自己防衛のために誇大化した言動を繰り返し、自信があるようにうかがえるという点です。
そもそもパーソナリティ障害はそれぞれ独立して存在するのではなく、重複している共通の症状があるため、複数のパーソナリティ障害が併存しやすくなっています。ですので境界性パーソナリティ障害に限らず、ほかのパーソナリティ障害が合併していることがあったり、判断が難しかったりする場合があります。
境界性パーソナリティ障害(ボーダーラインパーソナリティ症)とは?【医師監修】
パーソナリティ障害とは?分類と症状、原因や具体的な治療法、周囲の接し方について徹底解説!
自己愛性パーソナリティ障害かもと思ったら―相談先や医療機関、保険診療できるのかについて
自己愛性パーソナリティ障害の診療や治療は医療保険の対象なの?
医療機関での受診先は精神科、精神神経科、心療内科などになります。「相談」のつもりであっても、形式は「受診」になるため、できるだけ本人を連れていくようにしましょう。
「もしかして自己愛性パーソナリティ障害かも…?でも、医療機関を受けるほどのことでもないような気がする…」そのような場合は、各都道府県や政令指定都市に設置されている精神保健福祉センター、または各市区町村に設置されている保健所・保健センターの相談窓口へ相談してみてください。もちろん、本人だけではなく家族が電話などで相談することもできます。
次のリンクは全国の精神保健福祉センターの一覧になりますので、参考にしてみてください。
企業や学校のカウンセラーは、その人が所属している組織の内情にも通じているため、より適切なアドバイスをもらうことができる可能性が高いです。また、連携している医療機関を紹介してもらえる場合もあります。
自己愛性パーソナリティ障害で医療機関を受診する場合は保険診療となります。ですが自己愛性パーソナリティ障害と診断されて治療を開始することは少なく、二次障害として現れるうつ病や摂食障害などの治療から始めることが多いです。この場合でも保険診療となります。
自己愛性パーソナリティ障害克服のヒント
■家族が本人に向けてできること
まずは本人が自分の障害になっていることを突き詰めて考えていくよう促します。そのときに自分に障害があることを家族や誰かのせいにする、医師が何とかしてくれるという考え方を捨てて、自分自身の問題だと自覚し、自分で向き合っていくというスタンスをつくっていきます。これはとても時間が必要ですので、何度も何度も繰り返しながら新しい考え方をつくっていくように心がけることが大切です。
■家族自身ができること
これまでの育て方や障害になったのは自分のせいだ、と思い悩まずに、障害がある本人のために何ができるかということを考えていきましょう。家族の在り方を見直し、本人だけをみるのではなく家族全体の「関係性」に視点を変えていきます。どのような関係性ができあがっているのか、それをどのように調整していったら良いのかなど、改善できそうな点を挙げて実践していくことをおすすめします。
「自己愛」は自己愛性パーソナリティ障害だけでなく、ほかのパーソナリティ障害の根本的な原因にもなりうるといわれています。人間がより幸福に生きていくためには心と体の健康を意識しなくてはなりません。幼少期に十分にコミュニケーションをとることやスキンシップをとることは、心の健康を育てていくこととつながります。
自己愛性パーソナリティ障害に関しては、自己愛の未成熟さは治療によって成熟に向かうこともあるといわれています。治療はある意味でこれまでの生き方やその人らしい考え方の変化とも言えます。そのため、治療には長い時間がかかりますし、本人がより生きやすくなるためには家族の協力も必要になってきます。
家族だけでは難しい場合は周囲の人と協力して環境を調整していく努力も重要です。
今まで築いてきた本人や家族のスタイルを見直すことは容易なことではありません。しかしより良い環境へ変化させていくチャンスだと思って積極的に取り組んでいくことで、それぞれにとって生きにくさを解決するきっかけになることもあるのです。
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