反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の特徴は?子どもの発達障害との関係も解説

ライター:発達障害のキホン
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反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)とは、規則を守ろうとしない、他人を傷つけてもそれを正当化するといった特徴を持つ障害です。診断がでるのは成人のみになります。この記事では、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の特徴、原因、治療方法などについてご紹介します。

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監修: 染村宏法
精神科医
産業医
大手企業の専属産業医として勤務後、昭和大学精神医学講座へ入局、昭和大学附属烏山病院での勤務を経て、現在は精神科外来診療と複数企業の産業医活動に従事。また北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場のコミュニケーション、簡易型認知行動療法、睡眠衛生等に関する介入研究や教育に携わった。
目次

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)とは?子どもは診断されるの?

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)は、他者の尊厳を軽視し、自分勝手な都合で衝動的(または無計画)に権利を侵害するような言動を繰り返すパーソナリティ障害です。社会的なルールや法律に反する行動をする、自分の利益のために繰り返し嘘をつく、自分や他者の安全を考えない、自分の行動で相手を傷つけても無関心である、計画性がなく衝動的で暴力を繰り返す、というような特徴のうち複数があてはまることが基準の一つです。

また、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)は対象者が18歳以上であり、かつ15歳以前に素行症を発症している場合に限り診断されます。

素行症とは、罪悪感を感じることなく、他者を傷つけたり、物を盗んだり、嘘をついたりといった行動を繰り返す病気のことです。素行症の子どものうち、3分の2は成人するまでに問題行動を起こさなくなると言われていますが、問題行動が治まらない場合は反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)につながる場合があります。

現在、さまざまなパーソナリティ障害が確認されていますが、、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)はそのうちの一つです。18歳以上の人に診断されますが、子どもの頃の素行症が診断基準の一つとなっています。そのため反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の前触れとなる子どもの行動についても知っておくとよいでしょう。素行症については記事の後半でご説明します。

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の推定有病率は0.2%~3%となっており、男性の方が女性より多いという調査があります。また、問題行動をとる反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の人はいますが、反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)が必ず犯罪につながるわけではありません。

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の人の多くは、まわりと同じように社会生活を送れているようにみえても、実は本人が問題を抱えて悩んでいるという場合も少なくありません。そのため周りの人が本人の悩みに気づいて支援につなげることが大事だと言えます。
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パーソナリティ障害とは?分類と症状、原因や具体的な治療法、周囲の接し方について徹底解説!

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の特徴

この章では反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の特徴をご紹介します。

衝動性が高い
何かをしたいと思ったときに、計画を立てたり、結果を考えたりすることなく、衝動的に行動を起こす特徴があります。
例えば、自分や周りの人の安全性を考慮することなく、車を運転しているときに過度にスピードを出すことや、お酒に酔った状態で運転することなどが挙げられます。また、金銭面を深く考えずに衝動的に会社を辞める、引っ越しをするなどの行動をする場合もあります。

無責任な行動をする
金銭のやり取りや、社会的な立場などに関して無責任な行動をとることも特徴の一つです。例えば、公共料金や借金などの請求書を受け取っても支払いをしなかったり、子どもの養育費を支払わないなど行動が見られます。

他者に攻撃的になる
衝動性のコントロールが難しいことや、行動の影響を考えるのが難しいため、何か気に障ることがあるとすぐに怒り出して、身体的な暴力に及ぶこともあります。周りから見ると些細なことでもすぐに「キレる」という印象を持たれることもあります。

繰り返し嘘をつく
自分の利益のためには繰り返し嘘をつき、人をだましたり、利用をしたりします。偽名を使ったり、仮病を装うなどの行動が見られることがあります。

自己正当化をする
自分の行動の結果として相手を傷つけても、その人のせいにしたり、「社会が悪い」と世の中を責めることで、自分の行動を正当化する傾向があります。なお、望みを達成するために他者に対して感じよく接する場合もあります。

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の原因と発達障害との関係性

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の原因は、遺伝的要因と環境的要因の2つだと考えられています。

遺伝的要因

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)の原因の一つに遺伝的要因の関連が挙げられます。

親や兄弟姉妹(第1度近親者)に反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)がある場合は、発症する可能性が高まると言われています。

環境的要因

遺伝的要因と合わせて環境的要因も指摘されています。

幼少期に虐待やネグレクトを受けていることや、一貫性のないしつけを受けていることが素行症へつながり、そのことが反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)にもつながると考えられています。

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)と発達障害との関係性

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)は対象者が18歳以上であり、かつ15歳以前に素行症を発症している場合に限り診断されますが、素行症は、ADHD(注意欠陥多動症)と併存することがよくあると言われています。ADHD(注意欠陥多動症)のある子どもが、不注意や多動などの行動に対して怒られることが多くあると、子どもは自分への否定的な感情を持つようになり、そういった状況が続くことで二次的に素行症につながるのです。

反社会性パーソナリティ障害(反社会性パーソナリティー症)には年齢が低い時の素行症が大きく関係しています。子どもの頃に素行症を発症しないように予防し、また重症化しないようにすることも重要であると考えられています。素行障害について詳しく知りたい方は以下の関連記事を参考にしてみてください。
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