もう一度、走りたい―世界初となる競技用義足の図書館、クラウドファンディングで出資者募集中!
ライター:発達ナビニュース
自分の足で思いっきりグラウンドを走りたいーそんな願いも義足ユーザーの方にとっては“当たり前”には叶えられないのが現状です。走るための「競技用義足」は、高価で使用できる環境も限られているからです。もっと多くの人に競技用義足を体験してもらいたい。そう考える義足ランナー・エンジニアが「義足の図書館」立ち上げを目指してクラウドファンディングに挑戦中です。
世界初となる義足の図書館をつくりたい!義足ランナーとエンジニアがプロジェクトを立ち上げ
自分の足で、歩く、走る。行きたいところがあれば移動する、疲れたら座って休憩する…
両足を自由に使える人ならば無意識に行なっている日常の行為も、義足を使っている人にとっては「当たり前」ではありません。
日常生活で義足を使っている人を目にしたことがある人は多いかもしれません。
だけど、そうした日常用の義足では、その人は「走る」ことができないのです。
「歩く」「走る」それぞれの用途により、義足の種類や性能は異なり、走るためには競技用の義足という、通常より高価な義足が必要になるからです。
そうした状況に対して、「走ることが出来る競技用の義足を体験出来る場をつくりたい」と活動している義足のランナーと義足エンジニアの方々がいます。
現在、オンライン上で個人が寄付をすることができる「クラウドファンディング」のプラットフォーム「Readyfor」で、総額1500万円の立ち上げ資金支援を集めるプロジェクトを展開。7月10日の午後11時まで募集をしています。
両足を自由に使える人ならば無意識に行なっている日常の行為も、義足を使っている人にとっては「当たり前」ではありません。
日常生活で義足を使っている人を目にしたことがある人は多いかもしれません。
だけど、そうした日常用の義足では、その人は「走る」ことができないのです。
「歩く」「走る」それぞれの用途により、義足の種類や性能は異なり、走るためには競技用の義足という、通常より高価な義足が必要になるからです。
そうした状況に対して、「走ることが出来る競技用の義足を体験出来る場をつくりたい」と活動している義足のランナーと義足エンジニアの方々がいます。
現在、オンライン上で個人が寄付をすることができる「クラウドファンディング」のプラットフォーム「Readyfor」で、総額1500万円の立ち上げ資金支援を集めるプロジェクトを展開。7月10日の午後11時まで募集をしています。
プロジェクトメンバーの一人には、発達ナビ「100人のストーリー」インタビュー記事にご登場いただいた、義足開発研究者の遠藤謙さんも。
この記事ではプロジェクトの目標や、義足を取り巻く背景や課題、プロジェクトメンバーの方々の思いをご紹介します。
この記事ではプロジェクトの目標や、義足を取り巻く背景や課題、プロジェクトメンバーの方々の思いをご紹介します。
「技術の力で障害の概念を変える。」ロボットの研究から義足開発へ転身した遠藤謙のライフストーリー
世界初となる義足の図書館をつくりたい
健常者にとって当たり前の「走る」という行為は、義足歩行者にとってはとてもハードルが高いものだそうです。
その理由として第1に、私たちがよく目にする義足はそもそも走るように作られていないということ。
走るためには歩行用の義足ではなく競技用の義足が必要となってきます。
そして第2に、この競技用の義足というものはとても高価だということ。
1本あたりの値段は約20万~60万円と高価にも関わらず、試し履きができる場所はほぼなく、使ったことがない方がほとんどだそうです。
またお金の問題が解決出来たとしても、第3の課題として環境の問題があります。
競技用義足を使って走るためには、安全面に配慮し、陸上競技場など障害物のない安定した場所が必要になります。また、誤った装着は怪我の元となるため、義肢装具士の同伴が必要となります。
そこで、このプロジェクトチームは、「自分の足で走ってみたい」と願う子どもから大人まで全ての義足歩行者を対象とした、競技用義足の貸し出しシステム「義足の図書館」を作り、これらの課題を解決したいと考えているそうです。
その理由として第1に、私たちがよく目にする義足はそもそも走るように作られていないということ。
走るためには歩行用の義足ではなく競技用の義足が必要となってきます。
そして第2に、この競技用の義足というものはとても高価だということ。
1本あたりの値段は約20万~60万円と高価にも関わらず、試し履きができる場所はほぼなく、使ったことがない方がほとんどだそうです。
またお金の問題が解決出来たとしても、第3の課題として環境の問題があります。
競技用義足を使って走るためには、安全面に配慮し、陸上競技場など障害物のない安定した場所が必要になります。また、誤った装着は怪我の元となるため、義肢装具士の同伴が必要となります。
そこで、このプロジェクトチームは、「自分の足で走ってみたい」と願う子どもから大人まで全ての義足歩行者を対象とした、競技用義足の貸し出しシステム「義足の図書館」を作り、これらの課題を解決したいと考えているそうです。
クラウドファンディングが成立したら、この走ることが出来る競技用の義足を体験出来る場になる「義足の図書館」には、子供用から大人用まで世界で多くの人が使用している競技用義足25本程(およそ1200万円分)の設置が予定されているとのこと。
「そんなに設置する必要があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、競技用義足(板バネ)の硬さは、ユーザーの体重に合わせて、それぞれ5~9カテゴリーに分かれているため、多くの方にご利用いただけるようにするためには、少なく見積もってもこのくらいは必要になるのです。
学びたいと思う全ての人々が自由に本を手にすることができるように、「走りたい」と願う全ての人々が自由に競技用義足を手にすることができる、そんな空間を目指しているそうです。
「そんなに設置する必要があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、競技用義足(板バネ)の硬さは、ユーザーの体重に合わせて、それぞれ5~9カテゴリーに分かれているため、多くの方にご利用いただけるようにするためには、少なく見積もってもこのくらいは必要になるのです。
学びたいと思う全ての人々が自由に本を手にすることができるように、「走りたい」と願う全ての人々が自由に競技用義足を手にすることができる、そんな空間を目指しているそうです。
技術の力で障害を取り除く
今回紹介したクラウドファンディングの主催者の1人である義足ランナーの佐藤さんも、中学はサッカー部に所属する根っからのスポーツ少年でした。
しかし中学3年のときにユーイング肉腫と診断され、右足膝下を失ったそうです。
佐藤さんのような根っからのスポーツ少年にとって、当たり前のようにできていた「走る」という行為が日常生活から消えてしまうかもしれないことは本当に怖かったということ。
そして、そんな思いをしている人が他にもいるんだったら今度は自分がそうした方々の力になりたい、そう思って今の活動を行っているそうです。
これまで発達ナビでは、発達障害のある人が直面する課題をテクノロジーの力を使って解決する取り組みについて多く紹介してきました。
しかし中学3年のときにユーイング肉腫と診断され、右足膝下を失ったそうです。
佐藤さんのような根っからのスポーツ少年にとって、当たり前のようにできていた「走る」という行為が日常生活から消えてしまうかもしれないことは本当に怖かったということ。
そして、そんな思いをしている人が他にもいるんだったら今度は自分がそうした方々の力になりたい、そう思って今の活動を行っているそうです。
これまで発達ナビでは、発達障害のある人が直面する課題をテクノロジーの力を使って解決する取り組みについて多く紹介してきました。
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技術の力で困難を取り除き、一人ひとりが制約なく自分の「やりたい」ことを追求できるようになったなら、障害はもう「障害」ではなくなっていく…
発達障害や身体障害といった障害の種別にかかわらず、こうした取り組みが広がっていくことで、
少しずつ社会は変わっていくのだと思います。
クラウドファンディングの募集期間は7月10日(月)午後11:00まで。
プロジェクトに共感した方は、ぜひ応援を!
発達障害や身体障害といった障害の種別にかかわらず、こうした取り組みが広がっていくことで、
少しずつ社会は変わっていくのだと思います。
クラウドファンディングの募集期間は7月10日(月)午後11:00まで。
プロジェクトに共感した方は、ぜひ応援を!
クラウドファンディング募集ページはこちら
プロジェクトメンバー、遠藤謙さんの発達ナビインタビューはこちら
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無理に熱中しなくていい。 決断は先延ばし、世界を広げることから始めよう。