子どもたちが自分の特性を理解できるように

いずれ子どもたちが自分の力で歩き出すときに、どんなことが必要になるでしょうか。

身の回りのことを自分でできるようになっておくこと、お金の使い方を知ること、他人とのコミュニケーションの取り方を身につけておくこと。

いろいろあると思いますが、私は「自分の特性を理解し、工夫する術を知っている」ということがとても重要だと考えています。

私自身も長い間、他人も自分と同じような感じ方・捉え方をしていると当然のように思っていました。そして、自分は他人より能力が低いために、人と同じように振るまえない出来損ないの人間だと思っていました。

でも、子どもたちが発達障害と診断されて学んでいくうちに、情報の認知の仕方も処理のしかたも人それぞれで、同じやり方で同じ結果が残せなくても、それは自分がダメな人間だからではないと知ったのです。

自分がどんなタイプで物事をどう処理しているのかを知る、苦手を工夫で補えることを知る、というのは、自分を否定せずに生きていくうえでとても大切なことだと思うのです。

そんな思いから、私は普段から子どもたちとそれぞれの特性についてお話しをすることにしています。

「お姉ちゃんは過去のことが忘れられなくて苦しんでるんだよ。でも、いつも細かいことをたくさん覚えていてくれて、すごく助かっちゃうよ!頼りになるよね!」

「弟は覚えられなくていつも面白いことになっちゃうよね~!困ることも多いけど、気分をケロッと切り替えられるからそこはとってもいいところだよね!」

こうすることで、娘が辛い過去を思い出してるときに息子が頭をなでてあげたり、息子が今何をすべきかを忘れた時は、娘がさりげなくヒントを出してあげたり、お互いに助け合うことができるようになってきました。

ダメなところを否定するのではなく、苦手な部分はさり気なくサポートをし合える。家族でそれができるようになれば、今度は親しいお友だちや親戚と手を差し伸べあう。そんな風に子どもたちの世界が広がって行ってくれればいいなと思います。

皆様のご家庭でも、お父さん、お母さん、お子さま、おじいちゃん、おばあちゃん。それぞれどんなタイプで、どんなおもしろい面やちょっと困った面があるのか話し合ってみませんか?

自分を知る、身近な家族を知ることが、子どもたちの世界が広がる第一歩になるといいですね。
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