ある日、夫が海外転勤に。妻と障害のある子は一緒に行ける?ダウン症のわが子を連れての駐在経験

ライター:Masami
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ダウン症の娘が中学1年生の秋、夫に突然海外赴任の話が持ち上がりました。赴任先はタイのバンコク。家族は一緒に行ける?行けない?!学校・療育・日常生活・日本人コミュニティ・・・障害がある子を連れての2年半にわたる海外生活についてつづります。

ダウン症の娘との海外生活、紆余曲折の2年半

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担任のエイミー先生と娘
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「障害のある子と一緒に海外で生活すること」について、考えたことはありますか?

私は、現在16歳になるダウン症の娘と15歳の息子を育てている、40代後半のパート主婦です。
娘がダウン症だとわかった時、将来、旅行ぐらい行けたらいいな…とは思いましたが、まさか家族で海外に暮らすことになるなんて夢にも思いませんでした。
それどころか、夫には「もし転勤(もちろん国内)の話があっても、絶対に断ってね!!」と言っていたほどでした。

ところが、娘が中学に入った夏、突然持ち上がった夫のタイ・バンコクへの転勤話。紆余曲折ありながら、2年半現地の生活を楽しんで帰ってきました。

海外で障害のある子と暮らした体験談をつづりたいと思います。

タイに行きタイ!なんて話していたら…

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安くておいしい近所の食堂
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ダウン症の娘は、地域の保育園、小学校支援級、中学校の支援級へと進みました。
中学校では、まさかの陸上部に所属し、私はそのサポートでバタバタとしていました。
そんな時、夫に突然のタイ・バンコクへの転勤話が持ち上がったのです。

娘が小さなころは定期的な病院通いや療育のこともあり、引っ越しなんてとんでもない!!と思っていましたが、中学に入るころには、いろいろと落ち着き、「今なら行ってもいいかも?」と思えるようになっていました。

また、結婚した頃は海外赴任に憧れていた時期もあったので、夫婦で「タイに行きタイ!」と盛り上がりました。

とはいえ、学校や生活はどうなるんだ??ということで、タイの情報収集を始めました。

まずは学校。
タイのバンコクには「泰日協会学校」(通称:バンコク日本人学校)という、世界で一番古い、しかも世界で一番生徒数の多い日本人学校があります。
ホームページを見ると、小・中学校があり、支援級もあるとのこと。

また、「Group With」という海外で暮らす家族をサポートしているサイトの、「海外日本人学校における特別支援教育―心身の発達に障害があり、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の受け入れについて」というアンケートをみたところ、中学生の受け入れもあるような体裁で書かれていました(今ははっきりと小学校6年生までと書いてあります)。

学校のホームページに「支援学校のお子さんは入学できません」とは書いてあったものの、我が娘は支援級在籍だし、何も問題ないだろうと思っていました。

夫とも、「家族で行く方向で考えよう!」ということになり、数カ月後、夫は一足早くタイへ旅立っていきました。
Group With
https://www.groupwith.info/

日本人学校編入希望が、まさかの「門前払い」に!?

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全校生徒参加の年に一度の劇。この年の演目は「アラジン」
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秋から、次年度の入学・編入受付が始まることで、申し込み日に子ども二人分の申し込みをしました。
ところが、まさかの「中学校には支援級がないので編入できません」とのお返事が…

メールを読みながら、サーっと血の気が引きキーボードを打つ手がわなわな震えるのを感じました。
しかし、伊達に障害児の母を15年もやっていません!(笑)わなわなしながらも、頭の中ではクルクルと相談先をサーチしていました。

まずは日本人学校編入学担当者へ「なんとか受け入れてもらえないか」というメールを出しつつ、現地の情報を集めることにしました。

偶然、以前勤めていた会社の同期がバンコクに駐在家族として住んでいたので、お友達経由で日本人学校中学部の障害のあるお子さんの状況を聞いてもらいました。

また、日ごろお世話になっている元支援学校の先生に、お知り合い経由で情報を聞いてもらうことにしました。

すると、このネット時代、海外の情報なのに、その日の夜には情報が入り始めました!

どうやら中学校にも障害のあるお子さんがいるらしいけれども、支援級は設置されていない様子。
そして、今後も障害のある生徒の中学部の受け入れは難しい状況のようだということがわかってきました。
次ページ「それでもやっぱり「家族でいたい」決意の先に見えてきた道」

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