お手伝いでママの気持ちもピカピカに!自閉症のある息子と家事手伝い

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現在、特別支援学校高等部1年生の自閉症のある息子は、幼少期は超多動で大変でしたが、その凝り性な面を活かして小1頃から少しずつお手伝いをさせてきました。私は息子には将来、家族から”自立”してほしいという思いがあり、「子どもの家事スキルを上げる方法、子どもが自主的に家事をする習慣付け」を長年研究してきました。我が家の息子の家事手伝いの取り組みをご紹介します。

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自閉症のある子どもとのストレス…「家事手伝い」をさせたら減らせた?

自閉症のある息子は現在、特別支援学校高等部1年生で、療育手帳のB2判定を受けています。

幼少期は超多動で本当に大変でしたが、小学校高学年ぐらいから、イタズラや行方不明などの問題行動はだいぶ減り、おしゃべりもできるようになってきました。すると今度は「どうでもいい内容の長時間マシンガントーク」に、私は始終イライラして悩まされることになりました。

放課後等デイサービスなどの利用で息子から離れる時間を作っても、ひとりの時間は一瞬で終わってしまうような感覚でした。

息子は友達と遊びに行くことがほぼないので、総じて家の中で一緒にいる時間が長くなります。息子はDVDやゲームもしていましたが、そればかりしているのを見ると、私は「これでいいのだろうか…」と、将来が心配になりました。

「家の中で一緒にいても、息子から離れる時間がほしい。自立に欠かせない”家事”を毎日させたら、それが叶うかもしれない…」と思い、息子に家事を教え始めました。

実際、トイレ掃除などの家事を息子がしている間は、息子のマシンガントークから解放されました。精神的にも楽になっただけでなく、家の中もキレイになり、私は本当に楽になりました。

息子には将来、家族から自立してほしい気持ちがあります。そのためには、「障害のある本人が家事スキルを上げること、また本人が自主的に家事をする習慣付け」が必要となります。それには、多少、親の工夫と根気も必要ですが、結果的に家族全員が、どんどん楽になっていく方法があるのです。

我が家流「パパ・ママの気持ちをもっと楽にさせる!?ストレスの少ない子どもの家事手伝い」の一例をご紹介します。

先ずはゴミ出しから

お手伝いの最初は「ゴミ出し」などの簡単なお手伝いでした。息子は、簡単なお手伝いであれば、手順表を必要としないでやることができます。彼は素直に自分の役割として、今も習慣的にやってくれます。

【食】たべるのが好き!子どもの料理教室へ

息子は食べることが大好きです。それで近所の子ども料理教室に通っていました。最初の半年は付き添いましたが、先生に「息子の教え方のコツ」を教えてから、1人で月1回通っていました(小4~中3まで通いました)。

配慮としてお願いしていたことは、1週間前に料理のレシピをFAXしてもらうことです。そして、ネットでその料理を検索して「何を作るのか、小口切りとはどう切るのか」など、画像等で事前に予習をしてから行きます。

おかげで問題なく長年通えて、簡単な料理ならできるようになりました。
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【食洗機の食器の入れ方 (中1~)】
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小5の頃からは、手間の多いお手伝いもしてほしくて【食器洗いの手順表と食洗機の食器の入れ方】を作りました。今では食器洗いも食洗機の使い方も上手になり、休日は時々やってくれます。「掃除機、トイレ掃除などの手順表」も作り、今ではほぼ任せられます。

手順表は、透明の「硬質カードケース」などに入れ、ラミネートはしません。後から息子の様子を見て、いくらでも修正することがありますので、すぐに書き込めるようにするためです。
イラスト版 台所のしごと―子どもとマスターする37の調理の知識
坂本 広子 (著)
合同出版

お手伝いトークンと予定表で「お金」も管理、金銭感覚も少しずつ

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【お手伝いトークンと2週間の予定表 (小3~)】
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小3頃から息子はお手伝いも板に付いてきました。金銭感覚も身につけ生活力をあげてほしい気持ちから、お手伝いの料金として「リアルなお金」もちょっとずつ登場させています。これも自立を視野に入れた取り組みのひとつです。

【お手伝いトークンと2週間の予定表】が一緒になった表をExcelで作り、本人が毎晩お金シールを表に貼って、私は2週間ごとにお給料をまとめて払っています。

シールを貼ってモチベーションを上げながら、取り組ませました。

お金の計算も筆算で自分でやっていて、その時に、両替の練習もしています(最初は妹も一緒にやっていましたが、今は息子のみやっています)。
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【息子の市販カレンダー (小5~)】
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そして、小5の1月から息子用の【市販カレンダー】に移行しました。よりシンプルになっています。

お金は大事に使い、中3から「お小遣い帳」を付け始め、将来海外旅行に行く事を目標に、旅行資金を貯めています。

ちなみに息子のお小遣いは「お年玉+お手伝いのお給料」だけです。お手伝い1回で10~30円もらえます。だいたい毎月、2000円ぐらいのお給料になります。

16歳の今でもお金がもらえるのを励みに自発的に続いて習慣化しています。

わかりやすい貯金箱

銭別銀行とりだし君 ブルー
お金が貯まっていくのが日常的に見えるように【半透明の貯金箱(銭別銀行とりだし君 ブルー)】を小3からずっと使っています。

必要なお金が出しやすく、やはり中身が見える方がモチベーションが上がるようです。(お札は彼の引き出しの財布に入っています)

【住】粘着ローラーの掃除の工夫

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小5から、リビングのセンターラグの掃除を、粘着ローラーで息子にさせてみました。スタートがわからなければ、ぐるぐる真ん中あたりを掃除していて、いっこうに進みませんでした。

そこで、たて線のたくさん入ったセンターラグを探して購入しました。「このはしっこがスタート」と決めて、まっすぐ進み、突き当りで横の3列のすじに進みます。そうすることで、最後まで無駄な動きも少なく粘着ローラー掃除ができるようになりました。

【視覚的な工夫】今日のお手伝い ホワイトボード

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【今日のお手伝い ホワイトボード 表と裏 (小5~)】
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小5くらいから、できるお手伝いが増えてくると、息子は汚れが気になる所を選んで、自発的に掃除をする時も増えました。

そこで「階段・廊下掃除は週1回」など決め事を作り、本人が予定をたてやすいように、【今日のお手伝いホワイトボード(A4)】も作りました。

表面のよくする家事のマグネットシートは、1日5枚まで貼れます。(たくさん貼りすぎて疲れて家事がイヤになるのを、物理的に防ぎます)チェック✔ や開始時間、合計金額も息子が書き込めるようにしました。

裏面は20枚以上の「お手伝いマグネットシート」が「メッシュケース(A6)」にストックされています。裏面には「お手伝い一覧」もあり、「掃除とその他の家事」を下地色で分類しています。何のお手伝いをするか息子と相談するため、お互いが選びやすいです。
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ごみ出しなどのすぐ終わる(マグネットシートに無い)他のお手伝いも多いので、数えやすいように他に【平日・休日のお手伝いチェック✔表(1回10円)】も紙で作りました。

彼はそれも毎晩「今日したお手伝い」にまとめてチェック✔を入れて「ホワイトボードとチェック表」両方の合計金額を合算し、カレンダーにお金シールを貼ります。

子どもに家事をしてもらうポイント

ここでは、私が息子に家事手伝いをしてもらう上で意識していたことや、決めていたマイルールをご紹介します。

・私は、息子がお手伝いをしてくれたら、すぐ「ありがとう!」と笑顔で喜んで、できるだけ言うようにしています。お子さんがお手伝いをしてくれたら、以下の3つの「受け取る言葉」どれかをすぐ言うようにしましょう。

「ありがとう」「うれしい」「助かる」

特に、簡単なお手伝いをしてもらう最初の頃は、私は大げさに喜んでこの3つの言葉をよく言っていました。

・お手伝いで失敗があっても、物覚えが悪くても、私は息子を叱りません。手順表を作り、わかりやすいマークを付けたり工夫して「どうしたら良いのか」を具体的に教え続けます。

・できたら「そう!それでいい、OK!上手にできてるよ。」などと言って、息子に「このやり方でいいんだ」と自信をもってもらいました。

・息子のできる家事は少しずつ増やしていきました。例えば息子が浴槽掃除が一人でできるようになります。私は風呂場まで見に行き「すご~い!ツルツルだね~。私よりも掃除上手だね!この調子で排水溝の髪の毛取りもしてくれるかな?そうしたら10円アップだよ。」とほめながら彼のやる気を促し、できる家事を増やしていきます。

・息子のやる家事が多すぎて家事嫌いにならないように、例えば「洗濯物干し・取り込み」は男物だけ分担してもらうなど、家事量を調整しています。

・「早く!」も最初から要求すれば、負担になります。手順と早くできる具体的な方法を教え続けて、完全に「トイレ掃除」などマスターしてから、目標時間を相談し本人に決めさせ、(キッチンタイマーなどで)早くする練習を始めます。

・「やりなさい」と命令されると、誰でもやりたくなくなってしまうのが、人間の心理です。「ちょっと○○してくれない?」と子どもができる簡単なことをお願いをしてみることから、お手伝いを始める方が良いと思います。

・いきなり「今から草むしりしてくれない?」など急に頼むのはやめましょう。特に自閉症の人は急な予定変更ばかりだと、辛くなります。「土曜日の午前中にお願い」など、早めに本人に伝えた方が、本人の心の準備とやる気につながります。

・完璧を目指さず、息子が疲れているようなら休ませます。「自立のために家事をたくさんやらせなくちゃ!」と、毎日お手伝いボードを持って母が子どもの帰りを待ち構えるのは、やめた方がいいです。(自閉症児は疲れて帰宅することが多いですから)

また、多くの自閉症児は真面目で疲れやすいので「今はしんどくて無理です」などの断り方も教えます。

息子とわたしたちの未来のために

息子が小学生の頃は、はっきり言って、家事を教え続けるのはとても面倒でした。でも「息子と一緒に家事ができたらいいな~♪ 息子の自立に役立つし、家の中もキレイになるし、一石二鳥!」と思い続けていました。

子育てで、こういうことをしていると私が言うと「お金がもらえなくては動かない人になるのでは?」と心配する保護者もいます。でも、うちの場合は全然そんなことはありません。「はさみ取って、窓閉めて~。」など周囲のお願いは、息子は(お金に関係なく)よく動いてくれます。

「周りの人達の苦労やお金の価値もわかり、金銭管理もしてほしい。家事ができる息子は(将来の就労先や、グループホームなどでも)きっと周りの人たちの役に立つ、助けられる人になる」と思うのです。

私は息子の頑張りをいつも気分よくほめているし、息子に感謝の言葉をよく言っています。それで息子からも「ありがとうございます。よろしくお願いします。」の言葉が自然と増えました。

確かに療育手帳B1以上でないと、多くの家事はできないかもしれません。でも、お子さんにゴミ出しなど、簡単なこと一つだけでもやらせて下さい。それが習慣化するだけで、母は気持ち的にとても楽になるでしょう。

うちの息子は幼少期、超多動児でした。私は希望もなくうつ病になったりで大変でした。

しかし自閉症児は真面目で几帳面な子が多く、息子は掃除をし続けていると、どんどん長所が「キレイ好き」に変わっていきました。

一般的に多動児の方が家事能力など、伸びやすいようです。多動児は「動いている方が楽な人たち」が多いので、今は「多動はプレゼント」だと思えるようになりました。


※私の「発達障がい児には 家事をさせよう!」のブログには(上記の詳細記事以外にも)お手伝い記事などをたくさん掲載しています。
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