自分の内面を打ち明ける居場所を少しずつ見つけ…

高校2年の終わりごろになると、娘は学校に遅刻することが増えていきました。

「行くつもりはあるけど、体が重くて動かない」

ある日、超スローモードの娘の身支度が昼の11時近くまでかかったことがありました。その日は午前授業だった為、学校の先生と相談し欠席することになったのですが、

「身支度を整えて行こうと思っていたのに、行くところがなくなってしまった」ことに娘は深く落ち込んだようです。

娘は午後から予定していた放課後デイサービスに早めに行き、カフェスペースでお弁当を食べることにしました。他に子どものいない静かで和やかな雰囲気の中で、娘はそれまで口に出すことが出来なかった本当の気持ちをカフェスタッフの先生に打ち明けました。

「学校はつまらない。本当はやめたい。」

「親はよく将来の自立に向けて準備しておいたほうが良いって言うけど、今は家にいたい気持ちが強い」


それは娘が、

「周りの大人が自分に何を期待しているか」を解っているから。

「学校の先生や親は、将来を案じてアドバイスや指導をしてくれている」そのことを理解しているからこそ、遠慮して、ずっと言えなかった言葉だったのでした。

「自分の気持ちを伝えるツール」を模索して…

高校2年の春休み、娘は美術部を退部したいと顧問の先生に伝えました。

その時は顧問の先生に「一人の世界に籠ってしまいそうで心配だわ。最高学年になるあなたが辞めてしまうと他の3年生に負担がかかってしまうというのもあるし。もう少し考えてみたら?」

と言われ一度は引き下がった娘でしたが、3年生に進級してすぐに『自分の考えをまとめた表』を持って再び先生のもとを訪れました。
自分の考えをまとめた表のイラスト
Upload By 荒木まち子
これは言葉で自分の気持ちを伝えることが苦手な娘なりに考えた方法でした。顧問の先生も納得し、娘は美術部を退部したのでした。

娘が子ども食堂に行ってから変わったこと

今ものりは完璧に落ち着いているわけではありません。とても不安になったり、イライラを爆発させたり、攻撃の矛先を自分に向けたりとまだまだ不安定な部分もあります。

でも色々なことを自ら選択し、自分で新たな居場所を見つけたり、作ったりしたことで変化しているのは確かです。

娘曰く、「こども食堂に行って心が温められたことで“殻”がポロって取れて少し素直になれたような気がする」とのことでした。

こども食堂に行って固かった心の殻が取れてきた娘
Upload By 荒木まち子
次ページ「自分から殻を破ってゆく娘。母への優しいお誘いも…」

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