日本ダウン症会議ーダウン症のある人と専門家が「どんな人も豊かに生きられる社会」を考えた会議をレポート

ライター:発達ナビニュース
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11月11・12日の2日間、東京の大正大学にて、第1回「日本ダウン症会議」が開催されました。会議にはのべ865人の参加がありました。

講演やシンポジウムのほか、医療・保育・教育・福祉・就労各分野の分科会が催され、専門家による最新の取り組みの紹介や活発な質疑応答がありました。

ここでは、その様子や、参加者の声などをお伝えします。

日本ダウン症協会による、初めての全国的会議「日本ダウン症会議」の様子を徹底レポート!

2017年11月11日・12日の2日間にわたって開かれた、第1回 「日本ダウン症会議」。ダウン症のある人やその家族、現在第一線で活躍している専門家や研究者、支援者などが集い、「新しいダウン症像」を考えて意見交換をする、日本で初めての催しです。

シンポジウムや分科会、ダンスパフォーマンスや市民公開講座など…ときに真剣に、ときに楽しく、多くの人が集まり、交流した2日間、その見どころを徹底レポートします!
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第1回 「日本ダウン症会議」が11月11日・12日に開催!

障害は強みや価値に変わるー「バリアバリュー」を掲げた特別講演、タレントあべけん太さんのサイン会も

「LOVE JUNX」のメンバー11名による歌とダンスのパフォーマンス
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第1回日本ダウン症会議は、ダウン症のある人たちが活動する「LOVE JUNX」のダンスパフォーマンスで幕を開けました。キレのあるダンスに、会場からは感嘆の声が。

続いて、玉井邦夫大会長の挨拶と、株式会社ミライロで講演講師として活躍する岸田ひろ実さんによる特別講演が行われました。
株式会社ミライロの岸田ひろ実さんによる特別講演の様子
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岸田さんは、16年前にダウン症のあるお子さんを授かりました。その後、パートナーの突然死、ご自身が病気の影響で下半身不随となるといった様々な出来事を乗り越え、現在は株式会社ミライロで活躍しています。

ご自身の体験をもとに、トラウマやコンプレックス、障害は克服すべきものではなく、強みや価値として生かしていこうという“バリアバリュー”の考え方や、さりげない配慮をしていこうという”ユニバーサルマナー”について語られました。
開会式の前後に、タレントのあべけん太さんと岸田ひろ実さんのサイン会が催されました
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ママ、死にたいなら死んでもいいよ (娘のひと言から私の新しい人生が始まった)
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2日間にわたり、医療・保育・教育・福祉・就労の各分科会が開催。最新の研究や取り組みが発表

医療の分科会(1日目)の様子。専門家による発表が行われました
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分科会では、各分野でダウン症のある人に数多く関わる専門家による、研究や課題について発表がありました。

1日目の医療分野の分科会では「成人期の医療課題」について、ダウン症がある人のアルツハイマーやうつ、成人期の健康状態についてや、小児科からの引継ぎでの留意点などの解説がありました。会場からは、薬剤についての質問などのほか、「仕事・通勤のストレスから認知症を発症したようだ」という声も。

「ダウン症のある人は頑張りすぎる傾向がある。無理しすぎるとうつや認知症を発症することもあり、頑張らせすぎないようにしてほしい」という専門家のコメントがありました。

2日目の医療分野の分科会は、子どもの健康管理がテーマ。

メガネを嫌がる場合の慣れさせ方や、発語がない場合の視力検査の方法、靴選びの方法などが紹介されました。質疑応答では、発達障害などの併存についても意見が飛び交いました。

参加者には医師や研究者、支援者のほか、お子さんと一緒の保護者も大勢参加。会場は赤ちゃんや子どもの声も混じり和やかな雰囲気でした。参加したお母さん方は、「普段の短い診療時間では聞けない話が聞けた」「成長するとどうなっていくかイメージしやすくなった」「本には載っていない具体的なデータを知ることができた」と話してくれました。

そのほか、保育分野「就学前段階での実践事例」、教育分野「小学校段階での実践事例について」「中学・高校段階での実践事例」、福祉分野「障害児者をめぐる法的な動向」「本人の暮らしのための相談事例」、就労分野「就労の在り方について」の各分野の専門家から発表がありました。
次ページ「ダウン症のある人を中心にした連携。本人や家族も自分の言葉で発表を」

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