親なきあと、「居場所」への備え

住む場所

まずは、親なきあとの子どもの居場所にはどのような場所があるのか、どのようなサービスが受けられるのかについて紹介します。

一人暮らしや親族・きょうだいの家の他にも、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一部として、精神障害者居宅介護等制度(ホームヘルプサービス)、施設入所支援、共同生活援助(グループホーム)、短期入所(ショートステイ)などがあります。

その他のサービスや詳しい情報については以下の記事をご参照ください。
精神疾患かな?と思ったら…病院選びから治療、経済面・生活面などの支援、相談先、対応の仕方まで【精神科医監修】のタイトル画像

精神疾患かな?と思ったら…病院選びから治療、経済面・生活面などの支援、相談先、対応の仕方まで【精神科医監修】

働く場所

障害のある人の場合、一般企業で働くことも考えられますが、障害者向けの就労支援のサービスを利用することもできます。

ここでは就労支援サービスの代表的なものとして、就労移行支援事業所、就労継続支援、地域障害者職業センター障害者就業・生活支援センターを紹介します。

就労移行支援とは、障害がある方の就労をサポートする障害福祉サービスです。就労を希望している障害・難病がある方に対して、働くために必要な知識・能力を身につけるトレーニングや、その人に合った職場探しのサポート、就労後の職場定着までのアフターケアを行います。

企業などでの就労または開業を希望する方で、就労が可能であると見込まれる65歳未満の方が対象です。利用期間は原則2年です。
就労移行支援とは?就労継続支援との違い、対象者や利用期間、利用料などを解説のタイトル画像

就労移行支援とは?就労継続支援との違い、対象者や利用期間、利用料などを解説

■就労継続支援
一般企業等への就職ではなく、就労継続支援を利用して事業所で働くという選択肢もあります。就労継続支援には、A型と、B型があります。

■地域障害者職業センター
各都道府県に設置されています。障害者の就労を支援するために、ハローワークや病院、福祉施設などの関係機関との連携を行いながら、地域に密着した職業リハビリテーションを行う施設です。

具体的には、職業能力などの評価や支援計画の作成、就職活動の相談、短期間の作業体験や事業所見学などが行われます。

■障害者就業・生活支援センター
就業や、それに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者を対象に、相談や職場・家庭訪問などを行い支援する機関です。

就労支援の面では就職に向けた準備支援や、求職活動支援、職場定着支援から関係機関との連絡調整などをし、生活支援の面では生活習慣の形成、健康管理、金銭管理などの日常生活の自己管理に関する助言、関係機関との連絡調整などをします。

福祉施設利用者や特別支援学校卒業者などのケース別の支援の流れは以下のページをご参照ください。
参考:障害者が就職・定着するまでの標準的な支援|厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/shingikai01/pdf/5-1.pdf
また、ジョブコーチ支援実施機関や、その他の就労支援サービスについては以下の記事をご参照ください。
精神障害の定義や種類、精神障害者保健福祉手帳・障害年金・生活保護・就労支援など、精神障害に関する支援について【専門家監修】のタイトル画像

精神障害の定義や種類、精神障害者保健福祉手帳・障害年金・生活保護・就労支援など、精神障害に関する支援について【専門家監修】

いざという時の頼みの綱

生活保護

生活保護制度とは、資産や能力など全てを活用しても生活が困難な方を対象としたもので、健康で文化的な最低限度の生活ができるような保護を行い、自立を奨励する制度のことです。

障害の程度にもよりますが、精神障害のある方が生活保護を受給した場合、受給費に加算される可能性があります(障害者加算)。加算額は、現在住んでいる場所と障害の程度で決められます。
精神障害の定義や種類、精神障害者保健福祉手帳・障害年金・生活保護・就労支援など、精神障害に関する支援について【専門家監修】のタイトル画像

精神障害の定義や種類、精神障害者保健福祉手帳・障害年金・生活保護・就労支援など、精神障害に関する支援について【専門家監修】

親なきあと、支援の網の目からこぼれ落ちないために

何から始めたらいいのか分からないという場合、まずは、さまざまな情報が入ってくるように、また何かあった時に助けてもらえるように、人や機関とのつながりをつくることからはじめてみましょう。

発達ナビライターの立石美津子さんは以下のコラムで、支援は受け身ではなく自発的に求めないといけないと書いています。どのような支援制度が受けられるのか自発的に調べることや、ママ友や当事者会などの助け合いの場とつながることの大切さについて発信しています。

支援制度も法律も変化していくため、一人で最新情報を追っていくのは結構大変なものです。ママ友や当事者会などさまざまな人や機関とつながることで、保護者だけでなく本人の負担を減らしていくことにもなります。
親なきあとのこと、考えていますか? わが子が支援の網の目からこぼれ落ちないためにできること のタイトル画像

親なきあとのこと、考えていますか? わが子が支援の網の目からこぼれ落ちないためにできること

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