精神障害の定義や種類、精神障害者保健福祉手帳・障害年金・生活保護・就労支援など、精神障害に関する支援について【専門家監修】
ライター:発達障害のキホン
この記事では精神障害の分類、神経発達症(発達障害)・知的発達症(知的障害)との違い、精神障害者保健福祉手帳と障害年金の等級、受けられる福祉サービス、生活保護の障害者加算の金額などの生活の支援、就労支援サービス、相談窓口までご紹介します。
監修: 青木聖久
日本福祉大学 福祉経営学部 医療・福祉マネジメント学科 教授/博士(社会福祉学)
精神保健福祉領域のソーシャルワーカーとして、1988年より、岡山、神戸の精神科病院で約14年間勤務。その後、自らが立ち上げていたNPO法人が運営する、明石(兵庫県)の小規模作業所の所長として4年間勤務。そして、2006年より、大学に拠点を移し、精神障害がある人の普及啓発の講演や執筆を本格的に展開。主な取り組みは、経済的支援の現実的アプローチと、一方で、多くの当事者の歩みを社会に追体験していただく情緒的アプローチ。これらを通して、誰もが自分及び他者を愛おしめる社会づくりを目指している。
精神障害とは
精神障害とは、脳の器質的または機能的変化により心身にさまざまな影響が出て、働くことや日常生活に困難が生じる状態のことをいいます。統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害)、てんかん、薬物依存、高次脳機能障害などが知られています。
医療的側面、福祉的側面からの精神障害
「精神障害」は、大きく分けて医療的意味(disorder:~症、不調)と福祉的意味(disability:不自由)の2つに分類することができます。
以下それぞれの意味を説明します。
以下それぞれの意味を説明します。
医療的側面からみた精神障害(disorder)
日本で使われている精神疾患の診断基準であるICDやDSMなどで示している「精神障害(disorder)」は、広い意味での精神の不調一般を指します。ここでの「精神障害」は日常生活で困難があるなしにかかわらず、さまざまな症状の障害、疾患が含まれます。
福祉的側面からみた精神障害(disability)
福祉的な側面から見た精神障害は、精神の不調により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受けることを指します。
精神の不調そのものへのアプローチは医学的なものになりますが、精神の不調と密接に関係する日常生活や社会生活での困難は行政をはじめとする専門機関などのフォーマル、および、仲間や家族などのインフォーマルによる福祉的なアプローチが必要になります。福祉的な意味で「障害」を捉えると、その障害(disability:不自由)から生じる困りごとは、周囲の環境が整っていないために起っている、ともいえるのです。
精神の不調そのものへのアプローチは医学的なものになりますが、精神の不調と密接に関係する日常生活や社会生活での困難は行政をはじめとする専門機関などのフォーマル、および、仲間や家族などのインフォーマルによる福祉的なアプローチが必要になります。福祉的な意味で「障害」を捉えると、その障害(disability:不自由)から生じる困りごとは、周囲の環境が整っていないために起っている、ともいえるのです。
障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、身体障害、
知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(難病に起
因する障害を含む。)のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と
相対することによって生ずるというモデル(いわゆる「社会モデル」)の考え方
を踏まえているものです。
引用:障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン - 厚生労働省
法律上の解釈による精神障害者と支援
法律上の解釈による精神障害者の意味は、大きく2つに分けられます。
1.医療の介入を必要とする、いわゆる精神疾患がある者(医療的意味)
2.精神疾患の影響で日常生活面に問題を抱える状態である者(福祉的意味)
これらの精神障害者に医療面と福祉面それぞれからの支援を行うため、下記のような法律や制度が定められています。
1.医療の介入を必要とする、いわゆる精神疾患がある者(医療的意味)
2.精神疾患の影響で日常生活面に問題を抱える状態である者(福祉的意味)
これらの精神障害者に医療面と福祉面それぞれからの支援を行うため、下記のような法律や制度が定められています。
◇精神保健福祉法(正式名称: 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」)
精神保健福祉法は、精神障害がある人の医療と保護や、社会復帰、自立の促進のための援助などにより、精神障害者のための福祉の整備や精神保健の向上を目的とした法律です。
精神障害者保健福祉手帳制度や、措置入院、医療保護入院などの入院形態の規定、精神保健福祉センターの設置などが定められています。
精神保健福祉法は、精神障害がある人の医療と保護や、社会復帰、自立の促進のための援助などにより、精神障害者のための福祉の整備や精神保健の向上を目的とした法律です。
精神障害者保健福祉手帳制度や、措置入院、医療保護入院などの入院形態の規定、精神保健福祉センターの設置などが定められています。
◇障害者基本法
障害者基本法は、障害がある人の法律や制度についての基本的な考え方を示した法律です。
障害のあるなしにかかわらず、全ての人が互いに尊重し合い共生する社会の実現のために、障害がある人の自立と社会参加を支援する法律や制度に関する基本的な計画(障害者基本計画)を立てることや差別の禁止、療育や職業、雇用、住宅における支援制度を整えることなどが定められています。
障害者基本法は、障害がある人の法律や制度についての基本的な考え方を示した法律です。
障害のあるなしにかかわらず、全ての人が互いに尊重し合い共生する社会の実現のために、障害がある人の自立と社会参加を支援する法律や制度に関する基本的な計画(障害者基本計画)を立てることや差別の禁止、療育や職業、雇用、住宅における支援制度を整えることなどが定められています。
また、障害者基本法第4条の「差別の禁止」をより具体的に規定した法律に、障害者差別解消法というものがあります。
この法律では、障害があるという理由で障害者への商品やサービスの提供を拒否することを「不当な差別的扱い」とし、障害者から配慮を求める意思表明があった場合は過度な負担になりすぎない程度な個別の調整ー「合理的配慮」を行うことが定められています。
この法律では、障害があるという理由で障害者への商品やサービスの提供を拒否することを「不当な差別的扱い」とし、障害者から配慮を求める意思表明があった場合は過度な負担になりすぎない程度な個別の調整ー「合理的配慮」を行うことが定められています。
◇障害者総合支援法(正式名称: 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
障害者総合支援法は、障害がある人が基本的人権を享受する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を送ることを目的とし、障害福祉サービスの充実や地域生活支援事業、そのほかの必要な支援を行うことが規定されている法律です。
全国の障害福祉サービス事業所の一覧です。是非ご活用ください。
障害者総合支援法は、障害がある人が基本的人権を享受する個人としての尊厳にふさわしい日常生活・社会生活を送ることを目的とし、障害福祉サービスの充実や地域生活支援事業、そのほかの必要な支援を行うことが規定されている法律です。
全国の障害福祉サービス事業所の一覧です。是非ご活用ください。