精神障害にはどんな種類があるの?
精神障害にどんな障害が含まれるのかは診断基準や使用される文脈や制度によっても異なります。
ここでは、国で採用している国際的な疾病分類『ICD-10』(※)のなかで、いわゆる心の不調について記されている第五章「精神及び行動の障害」の分類を紹介します。
精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療(精神通院医療)の申請の際に必要な診断書にICDの診断コードの記載が必要となるなど、現在の日本の行政における精神障害の概念として用いられることが多い分類です。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
ここでは、国で採用している国際的な疾病分類『ICD-10』(※)のなかで、いわゆる心の不調について記されている第五章「精神及び行動の障害」の分類を紹介します。
精神障害者保健福祉手帳や自立支援医療(精神通院医療)の申請の際に必要な診断書にICDの診断コードの記載が必要となるなど、現在の日本の行政における精神障害の概念として用いられることが多い分類です。
※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。
ICD-10の分類
ICDでは、身体疾患から精神障害にわたって網羅的な分類を設定し、「ICDコード」と呼ばれるコードを付与しています。以下の表は2003年改訂版ICD-10における「ICDコード」と中間分類項目の名称の対応リストです。
F00-F09 症状性を含む器質性精神障害
F10-F19 精神作用物質使用による精神及び行動の障害
F20-F29 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害
F30-F39 気分[感情]障害
F40-F48 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
F50-F59 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
F60-F69 成人の人格及び行動の障害
F70-F79 知的障害〈精神遅滞〉
F80-F89 心理的発達の障害
F90-F98 小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害
(引用:第Ⅴ章 精神及び行動の障害(F00-F99) |厚生労働省HP)
上記のほかに、てんかん(G40)、薬物依存(F19)なども対象に含まれます。
精神障害者保健福祉手帳については以下のリンクより確認することができます。
精神障害者保健福祉手帳については以下のリンクより確認することができます。
ICD-10、ICD-11とは?ICD(国際疾病分類)の概要、DSMとの違いなどについて解説します
精神障害と知的障害・発達障害との関係は?
知的障害とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を意味します。
発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達が見られない、または年齢相応のスキルが獲得できないことで日常生活にさまざまな困難が生じ、それらが持続する状態を意味します。
ICDやDSMなどの国際的な診断基準においては、知的障害も発達障害も、精神障害(mental disorder)の枠組みに入っています。
精神障害は精神の不調一般を指す広い概念であるのに対し、知的障害と発達障害は範囲が限定されているのです。
発達障害とは、先天的な脳機能の障害で、想定される時期に年齢相応の発達が見られない、または年齢相応のスキルが獲得できないことで日常生活にさまざまな困難が生じ、それらが持続する状態を意味します。
ICDやDSMなどの国際的な診断基準においては、知的障害も発達障害も、精神障害(mental disorder)の枠組みに入っています。
精神障害は精神の不調一般を指す広い概念であるのに対し、知的障害と発達障害は範囲が限定されているのです。
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一方、行政や福祉などの場面においては、法律や支援サービスごとに対象となる範囲が異なります。
例えば、上述の精神保健福祉法での「精神障害」には知的障害が入っていますが、この法律の手帳制度である精神障害者保健福祉手帳の対象者には知的障害は入りません。
行政、福祉面ではそれぞれの法律やサービスごとに、自分が対象であるかどうか確認しましょう。
例えば、上述の精神保健福祉法での「精神障害」には知的障害が入っていますが、この法律の手帳制度である精神障害者保健福祉手帳の対象者には知的障害は入りません。
行政、福祉面ではそれぞれの法律やサービスごとに、自分が対象であるかどうか確認しましょう。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは、所持している人が一定程度の精神障害がある状態であることを認定するものです。精神障害のある方が自立し、社会参加を積極的に行えるよう、さまざまな制度やサービスの利用をしやすくすることを目的にしています。
取得することでさまざまなサービスや割引・給付が受けられるようになるほか、教育を受けたり就労するにあたり配慮や支援を受けやすくもなる、とても便利な制度です。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
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精神障害者保健福祉手帳とは?判定基準やメリット、申請方法まとめ