生活保護の障害者加算

生活保護制度とは、資産や能力など全てを活用しても生活が困難な方を対象としたもので、健康で文化的な最低限度の生活ができるような保護を行い、自立支援する制度のことです。

障害の程度にもよりますが、精神障害者の方が生活保護を受給した場合、受給費に加算される可能性があります(障害者加算)。

加算額は、現在住んでいる場所障害の程度で決められます。
生活保護の障害者加算の表
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参考:【生保基準】最低生活費の算出方法(R4.4 )|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000776372.pdf
◇現在住んでいる場所
現在住んでいる場所は、在宅の場合と入院や社会福祉施設・介護施設に入所している場合に分けられ、在宅の場合はご自身がお住まいの場所がどの級地に当たるのか調べる必要があります。

以下のリンクにて全国の級地区分が調べられます。
リンク:級地区分(H.30.10.1)|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/kyuchi.3010.pdf
◇障害の程度
障害の程度は原則、国民年金法(昭和34年政令第184号)別表に定められる等級により決まるとされていますが、この等級は精神障害者保健福祉手帳における等級と重なるとされています。
参考:精神障害者保健福祉手帳による障害者加算の障害の程度の判定について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta8465&dataType=1&pageNo=1
参考:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準平成28年6月1日改正|日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2016/201606/0601.html
参考:第8節/精神の障害|日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-8.pdf
参考:国民年金・厚生年金保健 精神の障害に係る等級判定がガイドライン|日本年金機構HP
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20160715.files/A.pdf

精神障害者の雇用・就労支援

法定雇用率

日本において、全ての事業主は一定の割合(法定雇用率)以上の障害者を雇う義務があります

この「障害者」は今まで身体障害者と知的障害者に限られていましたが、平成28年改正障害者雇用促進法により、2018年4月からは精神障害者(発達障害を含む)も加わることになりました。
障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要 |厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000121387.pdf
2022年6月現在の法定雇用率は以下の通りです。
民間企業 2.3%
国、地方公共団体 2.6%
都道府県等の教育委員会 2.5%
特殊法人等 2.6%
障害者の法定雇用率が引き上げになります|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/120620_1.pdf
企業の障害者法定雇用率、2.3パーセントに引き上げへー発達障害・精神障害者の雇用機会は広がるかのタイトル画像

企業の障害者法定雇用率、2.3パーセントに引き上げへー発達障害・精神障害者の雇用機会は広がるか

就労支援サービスの種類

◇就労移行支援事業所
就労移行支援は障害がある方の就労をサポートする障害福祉サービスです。就労を希望している障害・難病がある方に対して、働くために必要な知識・能力を身につけるトレーニングや、その人に合った職場探しのサポート、就労後の職場定着までのアフターケアを行います。

企業などでの就労を希望する方で、就労が可能であると見込まれる65歳未満の方が対象です。利用期間は原則2年となっています。また、必要性が認められれば、1年間の延長がなされることもあります。

就労移行支援事業所を探す際には、複数の事業所を掲載した検索サイトなどを参考にすることができます。
就労移行支援についてもっと詳しく知る|LITALICO仕事ナビ
https://snabi.jp/article/2
◇公共職業安定所(ハローワーク)
公共職業安定所とは、職業紹介や就労支援のサービスを行う無料で利用できる行政機関です。障害者を対象とした求人情報の提供が受けられます。

仕事の探し方など、就職に関するさまざまな相談に乗ってもらえるだけでなく、職業訓練の仲介なども行っているので、お気軽に御相談ください。
全国ハローワークの所在案内|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
◇障害者就業・生活支援センター
就業や、それに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者を対象に、相談や職場・家庭訪問などを行い支援する機関です。

就労支援の面では就職に向けた準備支援や、求職活動支援、職場定着支援から関係機関との連絡調整などをし、生活支援の面では生活習慣の形成、健康管理、金銭管理などの日常生活の自己管理に関する助言、関係機関との連絡調整などをします。
仕事と生活のワンストップ窓口!障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)とは?|LITALICO仕事ナビ
https://snabi.jp/article/3
◇地域障害者職業センター
各都道府県に設置されています。障害者の就労を支援するために、ハローワークや病院、福祉施設などの関係機関との連携を行いながら、地域に密着した職業リハビリテーションを行う施設です。

具体的には、職業能力などの評価や支援計画の作成、就職活動の相談、短期間の作業体験や事業所見学などが行われます。
参考:精神障害者総合雇用支援|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構HP
https://www.jeed.or.jp/disability/person/person04.html
◇障害者職業能力開発校
障害者職業能力開発校は、一般の職業能力開発施設において職業訓練を受けることが困難な重度障害者などを対象にし、その障害に対応した訓練を実施しています。
参考:障害者を対象とした職業訓練|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/shougaisha.html
◇ジョブコーチ支援実施機関
職場適応援助者(ジョブコーチ)が、利用者の職場に訪問し、職場への適応・定着を支援します。
障害者本人への支援だけでなく、障害者を雇用する事業主や障害者の家族に対する助言などの支援も行います。
ジョブコーチは、地域障害者職業センターや障害者の就労支援をする社会福祉法人や、障害者を雇用する企業に在籍していることがあります。
参考:職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06a.html
◇就労継続支援A型
就労移行支援を利用したが企業への一般就労に結びつかなかった等の理由があり、ある程度の支援があれば就労することができる方を対象としたサービスです。
施設と利用者で雇用契約を結び、働くことができます。利用期間に制限はありません。

◇就労継続支援B型
就労移行支援や就労継続支援A型の利用経験がありますが、年齢や体力の面で雇用が困難な方を対象としたサービスです。施設との雇用契約は結びませんが、生産性にこだわらず自分のペースで働くことができます。利用期間に制限はありません。ただし、就労継続支援B型事業所は、施設ごとに、職業訓練を重視したところや、居場所機能を重視したところなど、さまざまなタイプがあります。

ケースごとの以上の施設を利用する際の流れなどについては以下のサイトをご参照ください。
就労継続支援A型とは?仕事内容と給料、利用までの流れを徹底解説!|LITALICO仕事ナビ
https://snabi.jp/article/16
就労継続支援B型とは?作業内容や工賃の額、対象者、利用手続きなどを解説します|LITALICO仕事ナビ
https://snabi.jp/article/15
参考:障害者が就職・定着するまでの標準的な支援|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha02/pdf/16.pdf

精神科訪問看護/精神科デイ・ケア

ここでは、在宅生活している人を支える医療サービスとして、精神科訪問看護精神科デイ・ケアを紹介いたします。

いずれも在宅での生活を支えるサービスで、自立支援医療(精神科通院医療)制度を利用すると医療費が原則1割負担になります。

◇精神科訪問看護
自宅などの居住している場所で保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などにより行われる療養上の世話または必要な診療の補助を行うことを指します。

具体的には病状の観察と情報収集や日常生活の維持・向上、対人、家族関係の調整や精神症状の悪化の予防、社会資源活用の支援等が行われます。

詳細は以下のリンクでご確認ください。
訪問看護について|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/dl/s0423-7c.pdf
◇精神科デイ・ケア
精神科デイ・ケアは、社会で生活するために必要な能力の回復を目的として、社会的なリハビリテーションを行うものです。

利用時間や利用開始時間に応じてデイ・ケア、ショート・ケア、ナイト・ケア、デイ・ナイトケアなどの種類があります。

統合失調症やうつ病などの疾患別プログラムや、高齢者や思春期、青年期などの年代別プログラム、家事能力や復職支援などの目的別プログラムなど、さまざまな内容があります。施設により内容が異なります。

保健所で行っている場合は費用がかかりませんが、そのほかの場合はかかります。とはいえ、自立支援医療(精神通院医療)を利用すれば、自己負担額は減ります。また、市町村によっては、条例をつくり、「医療費助成」として、一定の等級の精神障害者保健福祉手帳を所持していることを条件に、独自に、減免しているところもあります。詳細は、お住いの自治体にお尋ねください。
参考:精神科デイ・ケア等について|厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0604-7b.pdf
次ページ「精神障害について悩んだときは」

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