親なきあとのこと、考えていますか? わが子が支援の網の目からこぼれ落ちないためにできること
ライター:立石美津子
子どもはやがて大人になります。そして多くの場合、親が先に亡くなるでしょう。親なきあとに残された障害のある子が、支援の網の目からこぼれ落ちることなく、その後の人生を生きて行くために、親は元気なうちにどんな準備をしたらよいのでしょうか。
『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子です。
「どこに出しても恥ずかしくない子でいなさい!」
「人に迷惑をかけない子でいなさい!」
幼い頃からこんな風に言われ続けて育った人が、やがて母になり、生まれた子に障害があると知ったら…。子どもの障害について、幼稚園の先生やママ友などになかなか言えない人もいます。「障害があることは恥ずかしい」という気持ちがどこかに潜んでいるのかもしれません。
「どこに出しても恥ずかしくない子でいなさい!」
「人に迷惑をかけない子でいなさい!」
幼い頃からこんな風に言われ続けて育った人が、やがて母になり、生まれた子に障害があると知ったら…。子どもの障害について、幼稚園の先生やママ友などになかなか言えない人もいます。「障害があることは恥ずかしい」という気持ちがどこかに潜んでいるのかもしれません。
ダウン症候群であったり、障害が重い場合は、理解を得られやすいためか、周りに伝えたり相談したりできる人も多いようですが、自閉症児の場合は見た目でわかりにくいこともあり、わが子の障害を周りに伝えず、知的発達の遅れがあっても療育手帳を取らないで隠し通そうとする人もいます。
けれども、これでは親一人で孤軍奮闘して頑張らなくてはならない事態に陥ってしまいます。
けれども、これでは親一人で孤軍奮闘して頑張らなくてはならない事態に陥ってしまいます。
福祉は自己申告制、役所からの案内を待たずに行動を
障害のある子のいる家庭に、役所から「3歳になったら療育手帳を取り、必要な支援を受けてください」といった連絡は来ません。
税金の滞納があれば督促状が送られてきます。障害基礎年金は年収が一定額越した時点で段階的に支給停止になります。けれども、税金の戻し(例えば、確定申告時に医療費控除を受け、還付金を受け取ること)などは、自分から申請する必要があります。
これと同様に、親が自分から動かないと、障害のある子に必要な支援については、役所からの案内はこないのです。
療育手帳や身体障害者手帳などを持っていると…
・ヘルパー派遣を受けられる
・特別支援学校への入学許可が出やすい
・法定雇用率の中で就労できる
など、様々な支援を受けることができます。
「診断を受けて療育手帳を取得して、障害者のレッテルを貼られてしまうと伸びるものも伸びなくなる」という考えでいると、かわいそうなのは子どもだと私は思います。
療育手帳がないために、支援の網の目からこぼれ落ちてしまう可能性が高まるからです。
税金の滞納があれば督促状が送られてきます。障害基礎年金は年収が一定額越した時点で段階的に支給停止になります。けれども、税金の戻し(例えば、確定申告時に医療費控除を受け、還付金を受け取ること)などは、自分から申請する必要があります。
これと同様に、親が自分から動かないと、障害のある子に必要な支援については、役所からの案内はこないのです。
療育手帳や身体障害者手帳などを持っていると…
・ヘルパー派遣を受けられる
・特別支援学校への入学許可が出やすい
・法定雇用率の中で就労できる
など、様々な支援を受けることができます。
「診断を受けて療育手帳を取得して、障害者のレッテルを貼られてしまうと伸びるものも伸びなくなる」という考えでいると、かわいそうなのは子どもだと私は思います。
療育手帳がないために、支援の網の目からこぼれ落ちてしまう可能性が高まるからです。
我が子の障害者手帳、取得した方がいい?それとも・・・
手帳を持っているだけではダメ、使える支援制度について知ろう
けれども、療育手帳を持っているだけでは実は不十分なのです。なぜなら手帳取得者に対して、「お子さんに合った、こんな支援がありますよ。あんな支援がありますよ」と親切に細かく連絡は来ないからです。
そうなると、受け身の状態で待っていればよいのではなく、自ら役所に出向くなど、受けられる支援を調べる姿勢が必要になってきます。
その一つの例が「自立支援医療制度」です。
私の住んでいる自治体では中学3年生までは医療費は無料です。しかし、高等部になると3割負担となります。
実は、「精神障害や発達障害などで、それに関わる医療機関に係る場合、自立支援医療受給者証を発行してもらうと薬や診察代は1割負担」になります(所得に応じた、月当たりの負担上限額も設定されています)。でも、これを知らない人がたくさんいます。
そうなると、受け身の状態で待っていればよいのではなく、自ら役所に出向くなど、受けられる支援を調べる姿勢が必要になってきます。
その一つの例が「自立支援医療制度」です。
私の住んでいる自治体では中学3年生までは医療費は無料です。しかし、高等部になると3割負担となります。
実は、「精神障害や発達障害などで、それに関わる医療機関に係る場合、自立支援医療受給者証を発行してもらうと薬や診察代は1割負担」になります(所得に応じた、月当たりの負担上限額も設定されています)。でも、これを知らない人がたくさんいます。
東京都の場合、交通費は愛の手帳を提示すれば割引になります。また、都営交通(都営バス、都営地下鉄、都電など)は本人は無料になります。しかし、これは区役所に行き「都営交通無料乗車券」を申請し、受け取らなければ無料にはならないのです。
私も上記2点は友達から教えてもらい役所に申請に行きました。これ以外にも自己申告によって受けられる支援がたくさんあります。
親だけで頑張りすぎないで、周囲にSOSを出すことも視野に入れて
つまり何が言いたいのかと言うと…我が子に障害があるとわかったら、隠したり、「親の力だけで何とかしよう!」と頑張るのではなく、「うちにこんな子が生まれました。皆さん気にかけてください。助けてください」とSOSを出す姿勢が大切だと言うことです。
多くの場合、親が子どもより先に死ぬことになります。親なきあとは、様々な支援に頼らなくては生きていけない子ども達です。幸いにわが国は、社会と接点があれば、どこかで救ってもらえる体制が準備されています。でも、そのつながりは親が作っておかなくてはならないのです。
だから、子どもを囲い、隠すのではなく、発信してほしいと思います。
先日、読んだこの二冊の本には、障害のある人が受けられる支援や、親が元気なうちにしておくべき準備にについて具体的に書いてあります。とても役に立ちましたので是非皆さんお読みくださいね。
多くの場合、親が子どもより先に死ぬことになります。親なきあとは、様々な支援に頼らなくては生きていけない子ども達です。幸いにわが国は、社会と接点があれば、どこかで救ってもらえる体制が準備されています。でも、そのつながりは親が作っておかなくてはならないのです。
だから、子どもを囲い、隠すのではなく、発信してほしいと思います。
先日、読んだこの二冊の本には、障害のある人が受けられる支援や、親が元気なうちにしておくべき準備にについて具体的に書いてあります。とても役に立ちましたので是非皆さんお読みくださいね。
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