アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?回復のアプローチや取り組み方も解説します

2018/02/16 更新
アダルトチルドレンとは?症状や、生きづらさの原因は?回復のアプローチや取り組み方も解説しますのタイトル画像

アダルトチルドレンは、「子ども時代に、親との関係で何らかのトラウマを負ったと考えている成人」のことです。自己認識の概念であり、医学的な診断名ではありません。

ここでは、アダルトチルドレンの心理の特徴や、二次的に現われやすい症状、生きづらい状態から回復するための方法などを解説します。

発達障害のキホン
381098 View
目次 アダルトチルドレンとは? アダルトチルドレンの特徴 アダルトチルドレンと精神疾患との関係は? アダルトチルドレンが回復するためのアプローチ方法 アダルトチルドレンの回復の取り組み方とは? アダルトチルドレンと家族 まとめ

アダルトチルドレンとは?

アダルトチルドレン(AC)とは、自分は子ども時代に親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている成人のことをいいます。

親との関係でのトラウマとなりうる精神的な傷つき体験としては、アルコール依存症や薬物依存症、セックス依存症、ギャンブル依存症、ワーカホリックなどといった嗜癖障害(依存症)の親の元で育つことや、機能不全家族の元で育つことなどが挙げられます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説のタイトル画像

関連記事

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説

機能不全家族とは、家庭内で弱い立場にある人に対して、身体的または精神的ダメージを与えるさまざまな要因があり、子育てや生活などが機能しない状態となっている家庭のことです。

機能不全家族においてダメージを受ける存在は、子どもや高齢者である場合がほとんどです。身体的・精神的ダメージの例としては、虐待やネグレクト(育児放棄)といった行為、また家族同士の不仲による対立や生活貧困、子どもに対する過剰な期待などがあります。
機能不全家族とは?影響を受けるとアダルト・チルドレンになる?原因、相談先や家族の立て直し方をご紹介のタイトル画像

関連記事

機能不全家族とは?影響を受けるとアダルト・チルドレンになる?原因、相談先や家族の立て直し方をご紹介

親に依存症があったり、虐待などを行う機能不全家族の場合、家庭は子どもにとって「安全な場所」でない可能性があります。そして、子ども時代に受けたトラウマは強い後遺症をのこすことがあります。中にはあまりにつらい体験を認めたくないために、無意識のうちにその経験を忘れてしまったり、自分自身が傷ついていたことすら認識できないという人もいます。

知らず知らずのうちにためこんだ感情が抱えきれなくなった結果、自身も依存症になってしまったり、怒りと攻撃性を爆発させ問題行動を起こす場合(行動化)があります。

一方、目立った問題を起こさない人もいます。ですがそうした人も生きづらさを感じており、二次的に精神疾患を発症することがあります。

アダルトチルドレンの特徴

アダルトチルドレンは「周囲が期待しているようにふるまおうとする」「NOが言えない」「しがみつきと愛情を混同する」「楽しめない」などといった思考の特徴をもちます。

以下はアダルトチルドレンの特徴の一覧です。
・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・何もしない完璧主義者である
・尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている
・「NO」が言えない
・しがみつきと愛情を混同する
・被害妄想におちいりやすい
・表情に乏しい
・楽しめない、遊べない
・フリをする
・環境の変化を嫌う
・他人に承認されることを渇望し、さびしがる
・自己処罰に嗜癖している
・抑うつ的で無力感を訴える。その一方で心身症や嗜癖行動に走りやすい
・離人感がともないやすい
心の問題はさまざまな形で現れますが、アダルトチルドレンに共通してみられるのは自尊感情の低さです。

尊大で誇大的な傾向が目立つ人もいますが、これは自己評価が低く、他人に自分の真価を知られることを恐れていることから来ています。他人の評価を気にするがゆえに、尊大な態度を取り、自分に従う者だけを周囲に集めようとするのです。

人が、自分を価値ある存在とみなすようになるためには、「親のあたたかさ」と「明確に定義された限界」、「丁寧な処遇」が必要だとされています。これらがそろった家庭で育つと、子どもは自尊感情を育みやすいと言われています。

アダルトチルドレンが育つ家庭では、自尊感情を育む条件が欠落しているか、矛盾した形でしか存在しない場合が多くみられます。親が何らかの問題を抱えているため、子どもの心の成長に必要なものを満たせるだけのエネルギーがほとんど残っていない場合が多いからです。その結果、子どもは家族の病の犠牲となり生きづらさを抱えるようになってしまうのです。

精神面で、アダルトチルドレンとしての影響が現れてくるのは思春期以降、さらにはっきりと現れるのは、成人後、20代半ばにさしかかってからとされます。自分の行動、思考、感情や人間関係に支障をきたしたり、なんらかの生きづらさを感じるようになります。理由なく孤独感に見舞われたり、家族との関係がぎくしゃくするほか友人関係や会社での自分の役割、自分の人生の選択などさまざまな場面で違和感を持つことがあります。

アダルトチルドレンと精神疾患との関係は?

アダルトチルドレンとは、状態像を示す用語で、診断のための医学用語ではありません。
ですが、親との関係で何らかのトラウマを負ったことにより、二次的に精神疾患の症状が現れることがあります。

二次的な精神疾患の例としては、
・アルコールなどの依存症
・うつ病
・不安障害
・ひきこもり
・PTSD
・摂食障害
 
などが挙げられます。

こうした精神疾患の症状に対して医療機関の受診や治療が必要となる場合があります。
精神疾患とは?症状や診断方法ごとの種類、原因からチェック方法まで解説しますのタイトル画像

関連記事

精神疾患とは?症状や診断方法ごとの種類、原因からチェック方法まで解説します

アダルトチルドレンが回復するためのアプローチ方法

アダルトチルドレンが回復するためのアプローチ方法

アダルトチルドレンは自己認識の概念のため、医療的な治療の対象ではありません。ですが、おのおのが抱える生きづらさを軽減するためのアプローチ方法があります。アダルトチルドレンという概念の生みの親であるクラウディア・ブラックは、回復のための4つのステップを提唱しています。

過去を探る
過去の事実を認め、そのときの自分の感情を語る。ここで、埋もれていた怒りが出てくるのは、失ったものを悼み悲しむグリーフワークのプロセス。

過去と現在をつなげる
過去の何が、現在の自分にどう影響しているのか、つかんでいく。現在の自分の課題に焦点を移すステップ。

自分の中にとりこんだ信念に挑む
自分が「すべき」「すべきでない」と思っているものを点検する。助けになっているメッセージはそのままとっておき、自分を苦しめているメッセージはおきかえる。

新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ
感情を認知し、表現する。助けを求める。問題に向き合って解決する。相手に耳を傾ける。交渉する。限界を設定する。ノーと言う。遊ぶ。リラックスする。決断する……などが、ACに有益なスキル。

出典:クラウディア・ブラック著『もちきれない荷物をかかえたあなたへ』(アスク・ヒューマン・ケア 1998/7/20)P.24-25

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4901030027/
ここでは「過去を探る」「過去と現在をつなげる」「自分の中にとりこんだ信念に挑む」「新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ」という4つのステップを習得するための方法と、それがなぜアダルトチルドレンの回復に役に立つのかを紹介します。

グリーフワーク…過去を探る

グリーフ(grief)とは深い悲しみや悲嘆を指す言葉で、大切な何かを失ったときに起こる身体上・精神上の変化のことをいいます。死別、離婚、引っ越し、失業など、大切なものを失う経験は人生において起こりうることですが、その喪失を受け入れるには一定の手順が必要だとされています。

グリーフワークでは、家族に言えなかったことを一人で、もしくは信頼できる相手の前で口に出してみたり、出さないつもりの手紙を親に宛てて書くなどをし、失われたもの、または最初からなかったものに対して嘆きを表現します。これは「過去を探る」ステップに有用です。

アダルトチルドレンは子ども時代に深い傷つき体験をしているにもかかわらず、自分が傷ついた自覚もないまま成人していることが多くあります。安心して過ごせる子ども時代や、本来の自分自身の姿を失っているのです。嘆きを表現することは、自分が傷ついていたことを認識し、あたらしい気持ちで本当の自分を見つめ直すきっかけとなります。

これは、子ども時代の不適切な環境や、それが原因で生きづらさを感じていることについて、他人に責任転嫁することとは違います。

ナラティブセラピー…過去と現在をつなげる

ナラティブセラピーとは、自らの成育歴を物語として治療者に対して語り、治療者からの助言を得て自分史の再構成を行う精神療法で、これは「過去と現在をつなげる」ステップに有用です。

自分史の再構築を行うことによって、過去や自分自身に対して違った見方ができるようになり、自分本来の個性や力を取り戻していくことができるからです。

認知行動療法…自分の中にとりこんだ信念に挑む

認知行動療法とは、物事の受け止め方や考え方(認知)を再検討することで、感情・気分・行動を変えていく精神療法の一種です。
これは「自分の中にとりこんだ信念に挑む」ステップに有用です。なぜならアダルトチルドレンは物事の受け止め方や考え方に一定の癖がついている場合が多いからです。

さまざまな出来事を受け止めたり考えたりする際に、「つらさ」があるとき、そこには長年培ってきた「癖(信念)」があるのかもしれません。そこで、いったん受け止めた物事であっても、あらためて考えたり検討するようにします。勝手に浮かんでくる考えと、現実との間の違いを意識するのです。そうすることで、感情や気分、行動に変化を起こしていくことができます。
認知行動療法(CBT)は心の病気に効果的? メカニズムや形式、体験談まとめのタイトル画像

関連記事

認知行動療法(CBT)は心の病気に効果的? メカニズムや形式、体験談まとめ

アサーティブなコミュニケーション…新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ

アサーティブなコミュニケーションとは、相手の権利や要求も尊重することによって、自分の意見や要求を相手が受け取りやすいように伝えるコミュニケーションの方法です。

これは「新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ」ステップに役に立ちます。なぜならアダルトチルドレンは自己表現の仕方に問題を抱えている場合が多いからです。

言いたいことが言えず、相手の要求を飲み続ける受身的な態度や、反対に、相手がその発言に至った経緯・権利などを否定することもなく、お互いを尊重し合い、気持ちよくやりとりできる状態での自己主張を目指します。

アダルトチルドレンの回復の取り組み方とは?

当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
放課後等デイサービス・児童発達支援の求人一覧です。待遇・給与、勤務時間、研修・教育制度、職員のインタビューからあなたにぴったりの職場を探せます。
会員登録後のエントリーで1,000円のAmazonギフトカードがもらえるキャンペーンを実施中!
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

発達障害のキホンを知る

発達障害のキホンを知る

この記事を書いた人

発達障害のキホン さんが書いた記事

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説のタイトル画像

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説

PTSDは、つらいできごとがトラウマとなり、さまざまな症状を発症する疾患です。発症すると、そのできごとに関わる人・場所を過度に避けたり、考...
発達障害のこと
253668 view
2018/12/09 更新
子どもの癇癪(かんしゃく)とは?原因、発達障害との関連、癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめのタイトル画像

子どもの癇癪(かんしゃく)とは?原因、発達障害との関連、癇癪を起こす前の対策と対処法、相談先まとめ

大声で泣き叫んだり、暴れたりする子どもに困っている…。一旦気持ちが爆発するとなかなか収まらない癇癪ですが、子どもが癇癪を起こす背景には必ず...
発達障害のこと
655706 view
2018/12/07 更新
難病の軽症高額該当で、医療費助成の対象外でも支援が受けられる?制度該当条件などを詳しく解説します!のタイトル画像

難病の軽症高額該当で、医療費助成の対象外でも支援が受けられる?制度該当条件などを詳しく解説します!

難病法には重症度基準が設けられ、病状の程度が一定以上の人は、医療費助成の対象となります。しかし、指定難病の診断を受けていても、治療により症...
身のまわりのこと
3550 view
2018/12/04 更新
放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。