新学期がはじまり…先生と合わないかも?と感じたら

新学期、新しく出会った先生とどう関係づくっていくかについてご紹介してきました。とはいえ、先生の中でもまだ発達障害への理解があまりなかったり、実際に配慮をしてくれるわけではなかったりと、先生との関係づくりに苦労することもあると思います。

以下では新学期が明けてしばらく過ごしてみたら、「もしかして先生と合わないかも…?」と感じたときの対処法をご紹介します。

先生に対して、どんな点で合わないかも?と思っているか洗い出してみる

「親の私自身と先生が合わないのか、子どもと先生が合わないのか…」どちらにせよ、その要因はどこにあるか具体的に挙げ、本当に先生との相性の問題なのか、改めて考えてみましょう。

例えば、先生に子どもの特性を伝えたにもかかわらず、なかなか配慮をしてくれていない様子が見られると、つい「この先生には合理的配慮をする気はないんだ」と思い込んでしまいがちです。

子どもへの配慮をお願いしたのに、それが実現されず、子どもが困り感を抱えたまま通学しているとなると、保護者としても何とかしたいという思いから、先生を責めてしまうこともあると思います。

ですが、もう一工夫、先生にアプローチすることで状況が変わることもあります。「子どもの特性はわかったけど、じゃあどうすればよいのかがわからない」「配慮したい気持ちはあるけど、ほかの子との兼ね合いでなかなか実現できない」といったジレンマを先生自身が抱えている可能性もあります。

ですので、この例の場合は先ほど紹介した6つのコツをもとに、改めて先生の実現しやすい配慮方法を提案してみるなどの改善策が挙げられます。

このように、「この先生とは相性が悪い!」とすぐ決めつけてしまうのではなく、本当に相性の問題なのか、それとも頼み方・頼む先生・頼む内容に関してこちらでまだできることがないか一度立ち止まって考えることが大切です。

こちらの要求ばかり言いすぎていないか振り返ってみる

先生は同時に何人もの子どもを見ています。合理的配慮をしたいと思っていても、手が回らなかったり、ほかの子どもとの兼ね合いで実行できなかったりすることも多くあります。そのような状況の中で、子どもの特性だけ伝えて、配慮方法は先生にお任せになっていたり、クラス全体を巻き込む必要があったりするとなると、先生も対応しきれないことがあります。

つい、親心として、わが子が学校で困っているとなると、自分の子どもへの対応や配慮のことだけを考えてしまいがちです。しかし、他の子どもに対しても平等に見る必要があり、日々さまざまな業務がある先生にとっては、対応できる範囲に限度があることも事実です。

先生が普段から多くの業務を抱えているということを念頭に、先生側に負担がかかりすぎていないか今一度チェックしてみましょう。

子どもが感じる先生への気持ちに寄り添う

なかなか配慮がされない、となると子どももだんだん困り感が溜まってきたり、先生への不満を感じたりすることがあるかもしれません。そんなときは、否定も肯定もせず、「大変だったね」「困ったことがあったのに、よくがんばったね」と共感の姿勢を見せることが大切です。

一方、「あの先生はお母さんも好きじゃない」「先生の○○なところ、嫌だよね」というような先生に対するネガティブなイメージを親の口から子どもに伝えることはおすすめしません。親・子どもどちらにとっても、先生への信頼感を築きにくくなってしまうからです。

子どもが感じる先生への気持ちと、親が察知する子どもから先生に抱く感情は同じだとは限りません。あくまでも中立的な立場で、子どもの気持ちに共感の姿勢をもちましょう。

担任の先生以外に頼れる・相談できる人がいないか探してみる

とはいえ、担任の先生に障害のことや合理的配慮をなかなか理解してもらえないこともあります。その場合、担任の先生以外の先生や職員で頼れる人はいないか、視野を広げてみましょう。例えば、学校だと学年主任・教頭・校長先生や保健室の先生、特別支援教育コーディネーター、スクールカウンセラーなどが主に挙げられます。他にも医師や各種支援センターなど、協力をあおぐことができる可能性のある人はさまざまです。

担任の先生にすべての配慮を委ねると、どうしても他の子どもへの対応もあるため、こちらの要望通りにうまくいかないこともあると思います。担任の先生以外に親子が頼れる存在を見つけられると、別の角度からサポートの糸口を見つけられるかもしれません。

「こんな風に先生と協力しています!」合理的配慮の体験談を紹介

ここまで先生とどうやって関係を構築していくか、どう配慮を依頼するかを解説しましたが、実際他の親子はどのように先生と協力体制を築いているのでしょうか。それぞれの工夫や体験談をご紹介します。これならできそう、と思えるアイディアがあったら、さっそくこの新学期に試してみるのもよいですね。

サポートブック、連絡帳を活用しています

さきほどご紹介した合理的配慮のお願いのコツにもある「サポートブック」。また、日々先生とのやりとりで使う連絡帳をうまく活用している、という声が多く寄せられました。
新学期になり担任の先生が決まったら電話で伝え、必要な書類を渡しに行きました。

検査結果のコピーと服用している薬の説明と本人がどうしてもらえると不安じゃなくなるのかをわかってもらう為に絵と解説文が載っている本をコピーしました。5パターンくらいだったと思います。予定の書き忘れ、切り替えが難しいなど。
わかりやすいように大事な部分に線を引きました。
スモールステップが必要だった時は担任の先生にも1ヶ月のスケジュールを渡し協力してもらえました。
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/140?page=2
普通級だけど配慮が必要なことは、入学時に「教員で共通理解して、毎年新担任にも伝えます」とお約束してもらっていますが、それ以外にも、

毎年家庭訪問の時に息子の苦手なこと(聴覚過敏など)とその対応を書いた紙(私は息子のトリセツと題名をつけています)を渡し、実際に家の中を見ていただいて、家ではこういう工夫をしていますなど見ていただいています。

その時気を付けているのは、家でこうやってるから学校でもこうやってくださいと押し付けないこと。先生方もプロなんだから、色々なアプローチのしかたがあるだろうし、家で一人に対応するのと、クラスでやるのでは違って当然。プロとしてプライドもあるので、あくまで我が家では…的な感じで。

あとは、気になることがあれば年2回の個人面談で先生と一緒に課題の洗い出しと対応を考えています。+年1回の療育相談の結果を連絡帳で報告しています。緊急用件は連絡帳を使って。
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/140?page=2
新学期の先生が変わる時期には、サポートブックや子どもの特性と配慮がわかりやすくまとまった資料があると、先生の理解も得られることが多いようです。

また、この体験談のように「家での方針を押しつけすぎない」「クラスの中で対応してもらっていることを忘れない」ということを意識していると、先生との関係も構築しやすくなるでしょう。

事前の面談、話し合いを大事にしています

多くの方が実行しているのが、本格的に新学期が始まる前の面談・話し合い。具体的に誰と、どんな風に面談をしているのでしょうか。
担任や同じ学年の他クラス担任、そして校長などと面談してもらってます。
そして、伝えるべきことは伝えており新学年にあがるときはそれら引き継いで一緒にやっていきましょうってスタンスです。
学校にいるときは学校になじむことは大事です。
が、それが行き過ぎないよう、学校側にも配慮をお願いしつつ
コチラも学校と連携して今後もやっていく所存です。

(中略)

今年度、さまざまあったのですが担任や他クラス担任たちの配慮ある見守り・行動などにより息子も落ち着いてきました。
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/140?page=2
今の通級学級担任の先生には、本当にお世話になりました。
年配のベテラン先生で、凸凹発達の息子を良く見てくれ、別け隔てなく、誉めて育てる‼がモットー。

支援クラスの先生は、入学当時からお世話になっています。

息子は、アスペルガーで、とにかく、事前の流れが解らないと不安で…。
聴覚過敏、味覚過敏、嗅覚過敏…等過敏症な子です。だから、イヤーマフ持参、偏食な為おにぎり持参、等予め、先生同士の申し送りはしてくれていますが、春休み最後の日は、必ず学校に行き、教室の場所、下駄箱の場所、トイレの場所、新担任の先生に挨拶を済ませています。

その時に、こうして欲しい!って事は予め伝えています。
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/140?page=2
面談は、一番密接に関わる担任の先生以外にも、他クラスの先生や校長先生とも行っている方も多くいます。他の先生とも話しておくことで、さりげなく子どもをサポートしてくれる人を増やしていけそうですね!

また、先生と話すだけでなく、教室の位置や設備を見ておくのも、新学期をスムーズにはじめるきっかけになりそうです。

さまざまな人と連携・協力体制を築いています

小学校や中学校、適応指導教室、教育支援センターや子ども家庭支援センター、医師などに相談しながら子ども家庭支援センターの方と共に色んな所と連携して息子の配慮のために色々、動いてます。

感覚過敏や聴覚過敏、視覚障害に必要な精密検査を受けたり診断書や指示書を書いて貰ったり息子の特性や今の様子などを中学校へ報告したり通級の見学もしてます。
出典:https://h-navi.jp/selective_surveys/140?page=2
学校の教職員以外にも、協力を求めることができます。この保護者は、適応指導教室、教育支援センターや子ども家庭支援センター、医師など、さまざまな人と連携しているそうです。

診断書や報告書などが、合理的配慮に必要なこともあります。先生だけにとどまらず、子どもをサポートしてくれる人すべてを巻き込んでいくこともよい方法です。

まとめ

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目からウロコ!発達障害&グレーゾーンの子への、歴代担任の先生達のさり気な〜い「合理的配慮」5選!

新学期、「新しい先生はどんな人か、うまくやっていけるか」気になる保護者も多いと思います。

とくに発達障害の子どもに関しては、担任の先生をはじめ、学校とうまく連携できるかどうかで子どもが元気に学校に通えるかどうか変わってきます。

親子で取り組めること・先生にお願いしたいことを考えたうえで、先生と良好な協力関係を築き、子どもの学校生活をサポートしていきましょう。
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「合理的配慮」を学校にお願いする前に、やっておきたい3つのこと

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