担任の先生に「合理的配慮」の相談をするときの実例9つのヒント
ライター:瀧本 三輪子
担任の先生に我が子への支援をもうちょっと工夫してもらいたいと思うこと、ありませんか?そんな時、先生と前向きに建設的な話し合いをするための大切な視点が「合理的配慮」です。とはいえ、保護者から学校の先生に配慮を訴えるのはなかなかハードルが高いもの。そんな時に参考にしていただけるように、学校現場で行われている代表的な学習支援の例を書いてみます。
より1人ひとりにあった学習環境を整えるために
「育児・療育を通して、親も子も自分の本質をつかみ、才能を最大限に発揮しよう!」療育アドバイザーの瀧本三輪子です。
みなさんは、合理的配慮という言葉を聞いたことがありますか?
みなさんは、合理的配慮という言葉を聞いたことがありますか?
合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことです。
これは「全ての子どもたちが十分な教育を受けられるように、家庭と学校が協力し合って、一人ひとりに合った働きかけを工夫していこうという考え方」だと私は解釈しています。
2016年4月1日に施行される「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称、「障害者差別解消法」)により、行政機関や事業者には、障害のある人に対する合理的配慮を可能な限り提供することが求められるようになりました。
障害者差別解消法の施行によって、保護者を含む「子ども本人側」から支援を求めやすくなりました。
それでも、
「先生にお願いするのはちょっと気が引ける」
「具体的に何をどうしてもらえばいいのかわからない」
こんな気持ちから、声を上げづらいなと感じている保護者もおられると思います。
そこで今日は、学校現場で行われている代表的な学習支援の例をご紹介します。先生と話し合う際の枠組みとしてご活用いただければと思います。
それでも、
「先生にお願いするのはちょっと気が引ける」
「具体的に何をどうしてもらえばいいのかわからない」
こんな気持ちから、声を上げづらいなと感じている保護者もおられると思います。
そこで今日は、学校現場で行われている代表的な学習支援の例をご紹介します。先生と話し合う際の枠組みとしてご活用いただければと思います。
合理的配慮とは?考え方と具体例、合意形成プロセスについて【専門家監修】
学習面での配慮の9つのポイント
1.環境を整える
黒板に集中できるよう、黒板側の壁の掲示物を整理して余計な刺激をなくします。
2.時間の構造化
1時限内の時間配分を示す、「あと○分で終わる」と終了時間を明示するなど、時間の流れを明確にします。
3.ルールの明確化
「他の子が発言している最中には自分はしゃべらない」など、暗黙のルールをはっきりと言葉にします。
4.視覚化
すぐ忘れてしまいそうな事柄、言葉では説明が難しい事柄、重要な事柄などは、目で見てわかるように、文字・イラスト・写真などで示します。
5.ノイズ対策
机やイスの足に、切ったテニスボールを履かせて、引きずりによる騒音を減らします。
6.テレビ会議システムやskypeなどを活用
院内学級などで主に行われている方法ですが、情緒級のお子さんにも活用できるでしょう。教室内の刺激をどうしてもコントロールしにくいお子さんに、離れた場所から通常教室と同じ授業に参加してもらえる仕組みです。画面上で映像と音声を視聴し、マイクがあれば発言もできます。
7.段階を踏む
易しい順に問題を配置する、難易度別のプリントを用意する、ペア活動→個人活動の順で問題に取り組む、今できているところまで戻って学習を進めるなど、習得度に合わせて支援を工夫します。
8.体を使った教材・活動
実際に触って体感できる教材、体を動かす・絵を描く・声を出すなどの体験型の活動を組み込んで授業を構成します。座っているだけでは学びにつながりにくい、集中力の持続が難しいといったお子さんに向いています。
9.個別の特性に合わせた支援
たとえば読み書きのしづらさがあるお子さんに対して、拡大教科書やマルチメディアデイジー教科書の提供、プリント類の拡大コピー、より見やすい色やフォントへの変更、ルビを振る、などの支援がよく行われています。また、黒板を書き写す負担が高いお子さんには、黒板を撮影したデータまたはそのプリント紙を提供することもよいでしょう。
これらの例を土台として、実際の支援ではお子さんのご様子に合わせて、柔軟に微調整をしていけると良いと思います。お子さんの学びやすさをサポートするためのご参考になれば幸いです。
黒板に集中できるよう、黒板側の壁の掲示物を整理して余計な刺激をなくします。
2.時間の構造化
1時限内の時間配分を示す、「あと○分で終わる」と終了時間を明示するなど、時間の流れを明確にします。
3.ルールの明確化
「他の子が発言している最中には自分はしゃべらない」など、暗黙のルールをはっきりと言葉にします。
4.視覚化
すぐ忘れてしまいそうな事柄、言葉では説明が難しい事柄、重要な事柄などは、目で見てわかるように、文字・イラスト・写真などで示します。
5.ノイズ対策
机やイスの足に、切ったテニスボールを履かせて、引きずりによる騒音を減らします。
6.テレビ会議システムやskypeなどを活用
院内学級などで主に行われている方法ですが、情緒級のお子さんにも活用できるでしょう。教室内の刺激をどうしてもコントロールしにくいお子さんに、離れた場所から通常教室と同じ授業に参加してもらえる仕組みです。画面上で映像と音声を視聴し、マイクがあれば発言もできます。
7.段階を踏む
易しい順に問題を配置する、難易度別のプリントを用意する、ペア活動→個人活動の順で問題に取り組む、今できているところまで戻って学習を進めるなど、習得度に合わせて支援を工夫します。
8.体を使った教材・活動
実際に触って体感できる教材、体を動かす・絵を描く・声を出すなどの体験型の活動を組み込んで授業を構成します。座っているだけでは学びにつながりにくい、集中力の持続が難しいといったお子さんに向いています。
9.個別の特性に合わせた支援
たとえば読み書きのしづらさがあるお子さんに対して、拡大教科書やマルチメディアデイジー教科書の提供、プリント類の拡大コピー、より見やすい色やフォントへの変更、ルビを振る、などの支援がよく行われています。また、黒板を書き写す負担が高いお子さんには、黒板を撮影したデータまたはそのプリント紙を提供することもよいでしょう。
これらの例を土台として、実際の支援ではお子さんのご様子に合わせて、柔軟に微調整をしていけると良いと思います。お子さんの学びやすさをサポートするためのご参考になれば幸いです。
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