【指定難病】ベーチェット病とはどんな病気?症状、原因、治療方法などを分かりやすく説明します!
ライター:発達障害のキホン
口の中や皮膚、眼など、さまざまな部位に症状があらわれるベーチェット病。具体的にどんな症状がみられ、何科を受診するのか、検査、治療にはどんな方法があるのか、医療的なものから就労に関する情報まで、幅広くお伝えします!
ベーチェット病とは
ベーチェット病は、口の中や皮膚、眼など、さまざまな部位に炎症症状があらわれる病気で、原因がはっきりと分かっておらず国の指定難病になっています。ベーチェット病は、4つの主症状と5つの副症状の組み合わせによって4つの病型(完全型、不全型、疑い、特殊型)に分類されます。
1937年にこの病を初めて報告したトルコの医師「フルス・ベーチェット」の名をとって、病名がつけられました。
地域ごとでは、日本では北海道や東北に多く、世界的に見ると、日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られます。そのため、シルクロード病とも呼ばれています。
平成26年時点で約2万人の患者がおり、その男女比はほぼ同等ですが、男性の方が重症化しやすい傾向があります。また、発病年齢は男女とも20~40歳に多く、ピークは30代前半です。
1937年にこの病を初めて報告したトルコの医師「フルス・ベーチェット」の名をとって、病名がつけられました。
地域ごとでは、日本では北海道や東北に多く、世界的に見ると、日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られます。そのため、シルクロード病とも呼ばれています。
平成26年時点で約2万人の患者がおり、その男女比はほぼ同等ですが、男性の方が重症化しやすい傾向があります。また、発病年齢は男女とも20~40歳に多く、ピークは30代前半です。
ベーチェット病の4つの主症状
ベーチェット病には、口内、陰部、皮膚、眼にあらわれる4つの主症状があります。
さらに5つの副症状もあります。それらの症状が複合的かつ慢性的に発症し、その症状の組み合わせによって病型が分類されます。この章では、まず4つの主症状について見ていきましょう。
さらに5つの副症状もあります。それらの症状が複合的かつ慢性的に発症し、その症状の組み合わせによって病型が分類されます。この章では、まず4つの主症状について見ていきましょう。
口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍
再発性アフタ性潰瘍は、口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜にでき、円形で痛みを伴います。いわゆる口内炎の症状で、ベーチェット病の場合は繰り返し発症するのが特徴です。
初発症状としてもっとも頻度が高く、98%のベーチェット病患者で確認されている代表的な症状です。
初発症状としてもっとも頻度が高く、98%のベーチェット病患者で確認されている代表的な症状です。
皮膚症状
皮膚症状でよくみられるのは以下の3種です。
・結節性紅斑…皮膚に円形の赤みが出て硬くなり、痛みを伴います。ひざ下・ひじ下によくあらわれる症状です。
・血栓性静脈炎…皮膚表面に近い静脈に沿って痛みが出て、皮膚が赤くなります。ひざ下によくみられます。
・毛嚢炎(もうのうえん)様皮疹または痤瘡(ざそう)様皮疹…「にきび」に似た大きめの皮疹が顔、頸、胸部、背部などにできます(思春期、副腎皮質ステロイド薬を服用している場合は、その影響も考慮する必要があります)。
◇皮膚症状の共通の特徴
皮膚の過敏性が高まり、カミソリ負けを起こしやすかったり、注射や採血で針を刺したあとに赤く腫れたり膿んだりすることがあります。
・結節性紅斑…皮膚に円形の赤みが出て硬くなり、痛みを伴います。ひざ下・ひじ下によくあらわれる症状です。
・血栓性静脈炎…皮膚表面に近い静脈に沿って痛みが出て、皮膚が赤くなります。ひざ下によくみられます。
・毛嚢炎(もうのうえん)様皮疹または痤瘡(ざそう)様皮疹…「にきび」に似た大きめの皮疹が顔、頸、胸部、背部などにできます(思春期、副腎皮質ステロイド薬を服用している場合は、その影響も考慮する必要があります)。
◇皮膚症状の共通の特徴
皮膚の過敏性が高まり、カミソリ負けを起こしやすかったり、注射や採血で針を刺したあとに赤く腫れたり膿んだりすることがあります。
眼症状
よくみられる眼症状に「虹彩毛様体炎」があります。普段外気に触れている眼の表面側の炎症で、痛み、充血、眩しく感じるなどの症状を生じます。
表面側の炎症が眼の奥の方まで広がると「網膜絡膜炎(ぶどう膜炎)」となり、視力低下や視野異常を引き起こします。炎症を繰り返していくうちに、失明に至ることがあります。
いずれも、両眼にあらわれることが多いです。
表面側の炎症が眼の奥の方まで広がると「網膜絡膜炎(ぶどう膜炎)」となり、視力低下や視野異常を引き起こします。炎症を繰り返していくうちに、失明に至ることがあります。
いずれも、両眼にあらわれることが多いです。
外陰部潰瘍
男性では陰嚢、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣粘膜にできる痛みを伴う潰瘍です。見た目は口内炎に似ていますが、痕が残るくらい深い炎症になってしまうこともあります。
ベーチェット病の副症状
副症状はベーチェット病の発症から数年経過して出現することが多く、「副」症状という名のくくりであっても軽い予備的な症状ばかりを表すわけではなく、生命に危険が伴う重篤な症状も含まれます。5つの副症状を一つずつ確認していきましょう。
関節炎
膝、足首、手首、肘、肩などの関節に腫れを伴う炎症が起きます。似た症状に、関節リウマチがありますが、ベーチェット病による関節炎の場合は左右非対称に症状があらわれること、関節の変形や強直(関節や筋肉がこわばること)が残らないこと、手指などの小さい関節には発症しないことが特徴です。
血管病変
血管炎に分類されるほかの疾患では、動脈の病変が主ですが、ベーチェット病由来の血管病変は動脈系にも静脈系にも生じます。むしろ、上大静脈、下大静脈、大腿静脈などの太い深部静脈の病変の頻度が高く、その病変のほとんどは静脈を閉塞してしまう血栓症という症状です。
また、静脈に比べ頻度が高くないとはいえ、動脈の病変もあり、その多くは動脈瘤です。瘤のできる場所や、瘤が破裂してしまった場合には生命に関わる重篤な病態に陥りやすいため、注意が必要です。
また、静脈に比べ頻度が高くないとはいえ、動脈の病変もあり、その多くは動脈瘤です。瘤のできる場所や、瘤が破裂してしまった場合には生命に関わる重篤な病態に陥りやすいため、注意が必要です。
消化器病変
主に小腸と大腸の移行部分(右下腹部)を中心とした腸管潰瘍です。腹痛、下痢、下血などが主な症状で、腸管潰瘍が進行すると腸管に穴が空くこともあり、緊急手術が必要な場合もあります。
神経病変
脳や脊髄などの中枢神経系に症状がみられることもあります。神経病変は難治性で男性に多く、ベーチェット病発症から神経症状が現れるまで平均6.5年と言われています。
患者さん個々に症状はさまざまです。髄膜炎や脳幹脳炎として急性的に発症するタイプと、認知症などの精神症状に片麻痺や小脳症状などの神経症状が伴って慢性的に進行するタイプに大きく分けられます。
昨今は神経病変と喫煙になんらかの関連性があるのではないかと考えられ、研究が進められています。
患者さん個々に症状はさまざまです。髄膜炎や脳幹脳炎として急性的に発症するタイプと、認知症などの精神症状に片麻痺や小脳症状などの神経症状が伴って慢性的に進行するタイプに大きく分けられます。
昨今は神経病変と喫煙になんらかの関連性があるのではないかと考えられ、研究が進められています。
副睾丸炎
痛みと腫れを伴う睾丸部の炎症です。男性患者の約1割弱にみられます。