予想だにしなかった世界中からの反響

『Amazing Things Happen』に登場するキャラクターのスケッチ
アレックスさんがデザインしたキャラクターたち
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─アニメ公開後の反響はどのようなものでしたか?

アレックス: いやもう、反響のすごさに圧倒されましたよ。公開後、ものすごい数のメッセージが届いたんです。親御さんたちからは、このアニメが家族にとってどれだけ助けになったかというメッセージ。学校の先生方からは、貴重な教材になる、学校の集まりで使わせてもらう等のメッセージ。そして、自閉症当事者の子どもたちからも何件かメッセージが来ていました。自分たちのことをすごくちゃんと表現してくれているってね。

─世界中から反響があったのですね

アレックス: はい。すでに29カ国語を超える言語に翻訳されているようです。そのほかの言語でも、着々と翻訳作業が進んでいるようです。自閉症関係の団体や組織が翻訳している場合もありますが、学校の先生や当事者の人が担当してくれている場合もあります。若者を中心に広がっている感じですね。

世界中にメッセージを届けたいというようなつもりは全くなかったのですよ。それが、組織や団体を通して広がっていきました。他国のいろいろな組織から、私のアニメにその国の言葉をつけて使いたいというメールをいただいています。熱心な先生方や親御さんから依頼のメールがくることもあります。そういう方々は、必ずしも専門家ではない場合もあります。でも、皆さんすごく熱意があるんですね。そういうのを見ると、感動しちゃいますよね。

ナレーションをその国の著名人が担当しているような場合もあって。ポーランドやフィリピンなんかがそうです。すごいですよね。信じられない!

─反響のメッセージを一部紹介していただけますか

アレックス: そうですね、例えば…

「言葉が出ない5歳の娘が、私のスマホをこっそり取って、1時間以上繰り返し見ています!」
「このアニメを観て、感動で大泣きです。いろいろ気づけた。ありがとう」
「自閉症は説明するのが難しいもの。でも、よく特徴を捉えています。」
「市議会の自閉症啓蒙担当として、ぜひ次のセッションで使わせていただきます。素晴らしい!」
「私の息子は、このビデオを見たおかげで、自分の自閉脳を誇りに思うようになりました。ありがとう!ありがとう!ありがとう!」
「私の12歳の息子が、『自閉症の子どもを非常に的確に描いた素晴らしい作品だ、と伝えて欲しい』と言っていました。」
「このアニメを制作してくれて本当にありがとう。他の人が自閉症スペクトラムというものを理解できるよう、心を砕いてくださったのを感じます」
「素晴らしい教材だと思う。私のクラスの子どもたちは、とても楽しんで観ていました」


─この反響を見て、どんな思いでしたか?

アレックス: 繰り返しになりますけど、こんなに反響があることを予想していなかったんです。息子の学校の教材用に、と思ってつくっただけだったのですから。それが今や世界中にシェアされて…。うまく言葉にできませんが、これまでの自分の仕事の中で、一番やりがいがあるものでした。

このアニメに込めたメッセージとは…

得意なことは一人ひとり違うことを伝えるアニメのシーン
得意なことは一人ひとり違うことを伝えるアニメのシーン
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アレックスさんには2人のお子さんがいらっしゃるそうですが、よく仕事場を訪れて作品づくりを見ていたそうです。

2年間の年月、この作品に少しずつ生命が吹き込まれるのを目の前で見ていったお子さんたち。いつの間にかお父さんの伝えたいテーマを少しずつ学んでいったようです。兄弟で言い合いになると、アレックスさんは2人に「僕らはみんな違う。そしてそれは素晴らしいことなんだ!」と伝えました。そのたびに、3人で大笑いになったそうです。想像するととても微笑ましいですね。

アレックスさんは、「人間は一人ひとりが唯一無二の存在であるということを、都合よく忘れてしまいがちだから、常にそのことを思い返すようにすると良いね」と言っていました。

そして最後に、日本の皆さんに、アレックスさんからメッセージをいただきました。それは…

「We are all different. And that's wonderful! (僕らはみんな違う。そしてそれは素晴らしいことなんだ!)」

発達障害の子どもと関わる立場にいる者として、この言葉はとても惹きつけられ強く共感できるものでした。アレックスさんのアニメを見て、同じような想いを共有した人々が世界中にいると思うと、発達障害というものを通じて世界と繋がっているような不思議な感覚が生まれました。

アレックスさん、ありがとうございました。
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