あれから12年。ここで過ごした毎日を振り返って思うこと

先日、息子は特別支援学校の高等部を卒業し、12年間通った放課後等デイサービスも卒業しました。ここに通う他の子どもたちやその保護者、スタッフとも長い付き合いになり、息子だけでなく親である私にとっても心の拠り所となりました。

息子はこの施設に通うことが大好きで、学校が遅くなって閉所まで30分しか滞在できないというときでも行きたがりました。学校が休みの日は、1日ここで過ごせるので大喜び。それほど、本人にとって「なくてはならない居場所」でした。

最後の日に、スタッフが書いた12年間の記録をもらいました。1年のうち平日は約245日なので、ここに通った「245日分×12年間=2940枚」というボリュームです。

息子がここで過ごした足跡のひとつひとつが、宝物になります!
自閉症の息子の「好き」にとことん寄り添ってくれた居場所――放課後等デイで過ごした12年間を振り返っての画像
Upload By 立石美津子
12年前、初めてこの施設を見学に訪れて、入会することを不安に思ったあの日…。毎日通っているうちに、小さかった息子は次第に「大きいお兄さん」になっていきました。こんな長い付き合いになるとは、あの頃は思ってもいませんでした。

ここで過ごした12年間の日々は、私にもひとつの変化をもたらしてくれました。息子が楽しんで通っていたこともあり、卒業してからも私自身が離れがたく、ガイドヘルパーの資格を取りました。これまでの恩返しをする意味でも、この施設に通う子たちの支援をする仕事をしたいと思ったからです。

息子は現在、就労移行支援事業所に通っています。「小さい子のお世話をするボランティアを兼ねて、たまに遊びに行ったら?」と言ったら「ぜったーーーーーーーーーいに嫌だ!」と叫んでいました。「ここは卒業後の居場所ではない」ということを、自閉症の息子らしくキッチリカッキリ決めているようです。

私は自分にできる恩返しをしていきつつ、「大人になった!」と鼻息が荒くなっている息子のことも、引き続き見守っていきたいと思います。

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