発達障害の娘、高校はどこへ?「単位制・専修学校・特別支援学校」意外にも多かった選択肢【わが家の進路選択 Vol.4】

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地元の公立中学の通常学級を選択した娘は、初めての中学校生活に戸惑いつつも転校する前の友達にも再会し、中学生活をそれなりに満喫中。一方、母は発達障害の娘に合いそうな高校探しに勤しむのでした。

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荒木まち子
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今までの経緯

発達障害がある娘の進路、どう探す?どう選ぶ?何も分からないままスタートしたのは、小学5年生のときでした。地域の中学校の通常学級、特別支援学級、通級を見学。また、私立中学も検討しました。
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娘の意思により、中学校は地域の中学校の通常学級へ。さまざまな選択肢を見たうえでの進学だったので「つらくなったら転校・転籍すればいい」と、親である私も焦らずに進学をさせることができたように思います。

障害のある子どもの、進路選択の難しさ

障害のある子どもの進路選択の難しいところは、一概に学力や偏差値で学校を選ぶことができないところにあります。発達障害といっても、特性もタイプも個性もまちまちで“伸びる”時期も一人ひとり違います。だから、“そのとき”の“その子”に合った学校を探さなくてはならないのです。
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中学校生活は大変…!でも、個別支援計画の作成もしてもらえて

中学校は、教科担任制、提出物、定期テスト、体育祭、文化祭、部活動など、多くの面で小学校と違いがあります。入学前から相談に訪れていたとはいえ、実際学校生活が始まるとやはり娘はさまざまな面で壁にぶつかりました。

それでも学内に併設されている通級指導教室の先生が特別支援コーディネーターをされていたこともあり、障害に対しての理解、話の通じやすさ、安心感は小学校の頃とは比べ物にならないほどでした。念願だった個別支援計画書も入学後すぐに作成してもらえて、中学は親にとっても“学校に相談しやすい”環境でした。

中学校の校長先生に相談

中学校の校長先生は私が入学前に特別支援学級の先生にお話を伺いに行ったときも、入学後に小学校からの申し送りについて副校長先生と話をした際も、直接会話に参加することは控えつつも横でしっかりと話を聞いていらっしゃいました。

そして特別支援コーディネーターの先生との定期的な面談の後などに廊下で会うと、よく私に「良かったら校長室でお茶でも飲んでいきませんか?」と声を掛けて下さいました。

あるとき、私は校長先生に近隣の高校について質問しました。
発達障害のある娘の進路について校長先生に相談する
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お話を聞き、早速私はA学園の学校説明会に参加をしました。

単位制高校・A学園

最寄り駅からA学園までの案内板持ち、入り口でのスリッパ出し、説明会会場への誘導などをA学園の在校生自らが行っていたことに私は驚きました。また、参加者にはペットボトルのお茶や学校名の入った文具が配られ、説明会は至れり尽くせり感満載でした。

先生による学校説明の後には卒業生のスピーチがありました。それは「自分はかつて不登校だったけれど、A学園に通ううちに教師になりたいと思いはじめた。今は教員資格取得を目指して大学に通っている」という内容でした。

説明会後の個別相談の順番待ちの間に、私は参加者同士の「この学校は〇〇君に合いそうね」という会話を耳にしました。私のように一人で参加したり、夫婦で参加される方の他に、塾や施設、学校の仲間同士で説明会に参加する方も多いようでした。

個別相談では担当の先生に『習字』のカリキュラムについて質問をしました。

私「習字は選択科目ではなくて必修科目なのですか?」
先生「はい、必修科目です。」
私「娘は視覚認知機能に弱さがあるのですが、希望すればテキストの拡大コピーなどの配慮はしていただけるのでしょうか?」
先生「当校ではそういったことは行っていません。」

先生とのやり取りから、私はこの学校は障害のある生徒向けではなく、不登校の生徒の学び直しに力を入れている学校なのだと感じたのでした。

通級にはパンフレットがたくさん!情報の宝庫でした

学内支援の一環として、私は学内特別支援コーディネーターでもある通級の先生との面談を定期的に受けていました。通級の面談室には発達障害に関する専門書の他に近隣の学校のパンフレットがたくさん置いてありました。中学卒業後の情報を探している私とってそれはまさに「宝の山」でした。
通級には地域のさまざまな学校のパンフレットがおいてあった
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そこで初めて「専修学校」というものを知った私は、まず通級に似た取り組みもあるというB専修学校に一人で見学に行くことにしました。

専修学校・B学校

B専修学校は一般科目の他に簿記やマーケティング、パソコンなどの授業もありました。英検、漢検、数検の他に情報処理やビジネス文書、簿記や秘書検定など様々な検定取得にも積極的に取り組んでいました。校舎は複数のビルにわかれていて校庭や体育館はありませんでしたが、発達障害に関する知識を持つ先生もいて、卒業後は進学、就職の他、就労支援事業所との繋がりもある学校でした。

娘に合いそうと感じた私は改めて体験入学の申し込みをしました。娘と一緒にCAD(設計や製図を支援するシステムソフト)の授業を見学した主人もこの学校を気に入ったようでした。パソコンに興味のある娘もB専修学校を気に入り、その後何度も体験入学をしました。

この学校は土曜日の体験入学の他に夏休み中のサマースクール、春休み中のスプリングスクールなど多くの体験入学を実施していました。

内容も理科実験教室やPC体験(名刺作り)など多岐にわたっていました。中でも私が特に面白いと思ったのは『女子会』でした。それは在校生を交えてお菓子を食べながら話をしたり、制服を試着して写真を撮るという企画で「どんなタイプの男子生徒が多いか」「部活の様子はどうか」「アルバイトはして良いのか」など、生徒の生の声が聞けました。“先輩”とざっくばらんに話をすることで緊張や不安が減り、進学への意欲を高めるのにとても効果的だと感じました。

また、PC体験入学の際に、以前見学した私立中学の生徒が複数人参加していたことも印象的でした。高校付属の私立中学に通っていてもそのまま付属の高校に進学しない生徒もいるのだと私はその時知りました。

学習支援を受けていたNPO法人主催の学校見学会

娘は中学入学後、障害のある子どもの学習支援や余暇支援を行っているNPO法人に通い始めました。そのNPO法人は保護者向けの学習会や講演会、福祉事業所の見学会などさまざまな企画も行っていました。
新設の学校の見学に申込み
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ちょうどその年に開校したC学園の見学会が開催されると聞き、私は迷わず見学会に参加しました。

単位制高校・C学園

C学園は不登校や軽度発達障害がある生徒向けの通信制高校でした。習熟度別クラスや通う日数を選べるスタイルの学校で、WISCなど発達検査の結果を読むことのできる先生もいました。

新設校の為、卒業生の進路実績が不明瞭でしたが、それまで見学した中で一番通いやすい場所にあることと、開校間もなくてこぢんまりとアットホームな雰囲気があるところに好感が持てました。

後日家族で体験入学を受けに行ったところ、体験の内容は名刺作りや美術体験などB専修学校に似た内容でした。でも娘はB専修学校の方が気に入っているようでした。

いざ!特別支援学校高等部の見学へ

娘が小学生の時にはタイミングがうまく合わず、見学ができなかった特別支援学校高等部。家族そろって見学に行けたのは中1の終わりごろでした。この学校は軽度の知的障害の生徒が『卒業後に企業就労による社会参加や自立をめざす』学校でした。

進学を目的にした学校ではないため、学習科目は主に

国語:コミュニケーションの基礎とした「聞く」「話す」「読む」「書く」の学習
数学:四則計算 (生活の中で使う単位 時間 金銭計算など)
社会:社会のきまりや制度、生活に関わることがら
家庭科:自立生活のための調理・裁縫等
英語:あいさつや日常表現
体育:体力つくり運動

を学ぶといった内容でした。

当日見学した授業の内容は

PCの授業では生徒たちはデータ入力に加え、各机に置かれた内線電話を使った受け答えや業務連絡のメモ取り作業も同時に行っていました。また別の授業では生徒がペアを組みシーツの畳み方の実施テストを行っていました。

私は「娘の苦手なコミュニケーションや四則演算が学べて、将来一人暮らしした時に役立つ料理や洗濯などの家事を授業で教えてもらえるなんて、願ったり叶ったり!」と思ったのですが、当の娘は…
娘の希望は、勉強ができる高校だった
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そこまではっきり言われたら

まだ予定していた学校すべてを見学したわけではありませんでしたが、どの高校に行きたいのか娘の中では決まりつつあると私は感じていました。

でもそのまますんなりとはいかないのが障害児育児です。この後、中2になった娘に思いもよらぬ出来事と変化が起こり、それは進路選択へも大きな影響があったのです…。

次回コラムでは、中2のときのできごとを中心に紹介します。

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