「好きな本、1冊持っておいで!」

こんな感じで行っていました。
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私がよく行っていた方法は、「子どもの好きな本から出すクイズ」でした。

①まず、コウに「クイズやる?」と聞きます。「やる!」と答えたら、好きな本を1冊選ばせます。
(もし「やらない」が続いた場合は、「お母さんクイズしたいなー、何問だったら出していい?」と聞きます。)

②本を受け取ったら、「どのページにしようかなー」と選びます。
この時、出題ページを話し合って決めたりはしないようにしていました。学校の授業では子どもの気分で出題箇所を決めることができないからです。その代わり、「出題する本」をコウが選べることでモチベーションを維持できるようにしていました。

③ページが決まったら、その内容に合わせて簡単なクイズを出します。
「ヒツジは何匹いますか?」「イヌとどちらが多いですか?」「ウサギさんが泣いたのはなぜ?」などの簡単な問いなので、答える方も出題する方も楽です。

④子どもが答えたら、正誤に関わらず一緒に答え合わせをします。
「3匹!」「よし、数えてみよう…1、2、3…正解!」
「イヌ!」「どれどれ(数える)…本当だ、イヌは5匹。イヌの方が2匹多いね。」
「転んで悲しかったからだよ!」「どうして分かったの?」「ここ!」「そうだね、ここに書いてあるね。よく見つけたね。」

…という感じでクイズを行うことで、授業形式をとらずに“授業的なもの”にふれることができます。

算数や国語などの教科を想定した“問と答え”の形に慣れることができますし、テキストや図を見ながら“口頭での質問を受ける”ことを体験できるので、視覚優位なコウにはちょうど良い「授業の体験版」になったかなと思います。

市販の教材をちょっぴり改造

市販の教材を少しだけ変えて…
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口頭での出題の他、ワークシート形式にも慣れるように市販の教材も時々使っていました。これもまた、塗り絵や迷路と共に遊びの延長のような感じで行っていました。

視覚情報で気が散りやすいコウは、1ページごとに切り離せるものだと他のページが気にならずに取り組めていました。

それでも市販のワークシートだけでは飽きたりすぐに終わってしまったりするので、時々私が問題を作ってコウに渡していました。“自分で作る”とは言っても1から作る必要はなく、ワークシートの問題を見ながらモチーフや数字を置き換えるだけなので簡単でした。

「能力を鍛えよう!」という趣旨でやっていることではないので、基本的にはコウが簡単にできる難易度のものを与えるようにしつつ、彼がやる気に満ちている時は少し難しそうな問題にも挑戦してもらいました。

そして小学校に入学。現在は…?

「椅子の上で溶けてる…!」
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そんな「勉強遊び」の成果なのか、はたまた性格によるものなのかは分かりませんが、コウは小学校での生活にわりあいすんなり慣れました。

多分、「バッチリ新一年生になりました!」という感じではありません。授業中に立ち歩くことはないものの、前後に揺れたり姿勢が崩れて椅子の上で溶けたようになったりしましたし、一斉指示は入りづらく先生から個別に声をかけていただくこともありました。(事前に相談をしていました。)

それでも、コウ本人が「授業って楽しい!今日は何をするんだろうって思う。」と言いながら登校してくれるだけで、「準備しておいてよかったな」と思いました。

もちろん、準備をしておいても崩れてしまった可能性もあります。それならそれで、「あー、やっぱ本番は違うよねー!」と言っただろうなと思います。コウのためだけではなく、「一応準備はしておいた」と私が思うための「勉強遊び」だったのかもしれません。
ASD息子の入学準備!母自身のとまどいの思い出から生まれた「授業ごっこ」とはの画像
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そんなコウも現在既に小学校高学年です。勉強ごっこはその後どうなったかと言うと…何とまだ続いています。

「できるだけ日々手を抜いて生きていきたい…!」と思って過ごしている私ですので毎日行うことはありませんが、テストで間違った問題のみ抜き出して出題することがあります。「寒」「館」「裏」が間違っていたら、“今日の体育館は寒すぎた!足の裏がこおるかと思った!!”という問題を作って出すような感じです。

好きな本からの出題も、歴史マンガや図鑑などを元に出題する形で行っています。床でごろごろしながら答えるコウの姿は「小学生…これでいいのか…?」という感じではありますが、このまま“学ぶこと”を続けていってくれたらいいなと願っています。
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