「自分も障害になったのかな」インフルエンザの高熱で暴れたきょうだい児の小6息子が、不安げに発したその一言にドキッとして...

ライター:荒木まち子
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小学生から中学生へ。
思春期を迎えたきょうだい児は何を思っているのか。
発達障害のある姉がいる小6息子が熱せん妄を経験したときに知った、意外な“きょうだい児の思い”とは。

息子が小学6年生のときの出来事

小学校6年の冬、息子は季節性のインフルエンザにかかりました。病院で処方された抗ウイルス薬を服用した後も高熱は暫く続きました。

夜、私と娘が話をしていると、隣の部屋で寝ていた息子が何か訴えてきました。

「どうした?しんどいの?話し声がうるさかった?」

娘との話を中断し息子の部屋に向かうと、息子がドアの前に立っていました。

何やら不穏な様子

息子はこちらの問いに答えず、唸り声を上げていました。

「吐き気がするの?トイレに行く?」

私は息子をトイレに誘導しましたが、背中をさすっても息子は上手く吐くことができないようでした。

唸り声は徐々に大きくなっていき、息子は便器に顔を突っ込んだまま便座の蓋の開閉を始めました。

「ちょっと⁉頭、挟まってるよ!危ないって!」

私が制止しても息子はやめる気配がありません。
唸る息子が自ら“便器怪獣に食べられてるような仕草”を繰り返すのを見て私は思いました。

「これは熱せん妄かも…」

知識はあったけれど

1~10才台の子どもが発熱に伴って異常な行動をとる『熱せん妄(もう)』は、ニュースなどで見て知ってはいました。

実際、娘が小さいときに、インフルエンザの高熱でうなされながら布団の中で足をバタバタさせていたのを(私も横で寝込みながら)目にしたことがありました。
慣れない地で発達障害娘のワンオペ育児。孤独な私たちを救ったのは「お互いさま」の心だった――コロナ禍に思い出す15年前の日々、大変なときこそ恩を送りたいのタイトル画像

慣れない地で発達障害娘のワンオペ育児。孤独な私たちを救ったのは「お互いさま」の心だった――コロナ禍に思い出す15年前の日々、大変なときこそ恩を送りたい

2才の幼児が布団の中で足をバタバタするぐらいなら「熱でうなされているのかな?怖い夢でも見たのかな?寝ぼけているのかな?」と思う程度ですが、11才の男子が立ち歩いて大声を上げる様子を目の当たりにすると、知識はあってもやはり動揺します。
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