小言より「親のしくじりエピソード」を話すべし?!学校に行きたくない、ゲームがやめられないわが子へ

ライター:楽々かあさん
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子どもが落ち込んでいるとき、親はなんて声をかけたらいいのでしょう。良かれと思って励ますつもりでも、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、特に繊細な子や失敗体験が多くなりがちな子などには、かえってプレッシャーになることもありますが、実は、ほぼ「ハズレなし」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができる、とっておきの秘策があるんです。

子どもを勇気づける「親の失敗体験」

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こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』他、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。

子どもが落ち込んでいるときや失敗したとき、親はなんて声をかけていいのか、戸惑ってしまうこともありますよね。かける言葉が見当たらないこともあるし、励ますつもりだったのに、なぜか怒らせてしまう結果になったり…。

こんなときには、まずは子ども自身の話を否定せずに「うん、うん」「そっか、そっか」と、最後まで聴いてあげるのがいいと思いますが、それでも気持ちを引きずってしまう場合などに、親ができる"とっておきの秘策"があるんです。

それは、親自身の「失敗体験」を話してあげること!

特に繊細な子や、失敗体験が多くなりがちな子などの場合、話のタイミングやその子の受け止め方によっては、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験などは、かえってプレッシャーになることもありますが、親の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史、短所や欠点についての話なら、ほぼ「ハズレ無し」で、どんな子も勇気づけ、元気にすることができると思います(うちの経験上!)。

それでは、恥ずかしながら”うちの実例”エピソードを、いくつか紹介しますね。

うちの定番ネタ「クッキーがおもちになった話」

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まずは、不器用すぎて失敗が多くなりがちな長男を始め、うちの3人の子ども達になぜか大人気で、もはや定番ネタと化した「クッキーがおもちになった話」から。

大学時代、学園祭で私が所属していたサークルは毎年喫茶店を出店していたのですが、そこで手作りクッキーを手分けしてつくり、飲み物と一緒に添えて出すことになりました。私は、お菓子づくりだけはどうしても苦手で、それまで一度も成功した試しがありません。

不安しかありませんでしたが、材料も受け取ってしまったし、仲間達に負担をかけるわけにも行かず、仕方なくつくる羽目に…。

とはいえ、クッキーはごく一般的な、生地を伸ばして型抜きしてシートに並べて焼くだけの、誰にでもできる"ハズ"の簡単なモノもちろん私は、我流のアレンジなどは一切加えずに、レシピに書いてある通りに素直につくったつもりでした。

ところが、オーブンレンジを開けて出てきたのは、見事に一枚につながった謎の物体…。どうしてこうなるのか。

時間もなく、仕方なしに「ソレ」を四角く切り分けて持っていくと、「な、なんだコレは!」と、ざわつく仲間達。そのうちの勇気ある1人が試食して一言…「うん、おもちだね」。

結局、心優しい仲間達が、「クッキーだと思わなければ、意外と美味しいかも?」「モチモチ新食感だね」等と笑いながら食べてくれ、その後も何度か飲み会でネタにされたりもしましたが、今では学生時代のいい思い出です。

こんな母の失敗体験を、何かある度に「ねえねえ、あの、おもちの話、して〜!」と子ども達にワクワク顔で迫られ、読み聞かせのように何度も繰り返し話しました。わが子がこんなに喜んでくれるなら、「あのとき、失敗して良かった」とすら思えてきます。

パズルゲーム中毒で成績低下に…

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子どものゲーム依存などを心配されるご家庭も多いかと思います。

うちは基本的には「やるべきことさえやっていれば、ゲーム時間に制限はつけない(ただし、夜9時就寝!)」というルールです。それでも、特に好きなことに熱中しやすい長男は、オンラインゲームにのめり込み過ぎて心配になることも…

でも、ここで正論のお説教をするよりも、私のしくじりエピソードを話すほうが、ずっと説得力が出るんです。
実は私、ちょうど今のうちの子達の年頃に、「パズルゲーム中毒」のようになってしまい、ちょっとヤバかった時期があるんです。

私は元々パズルが大好きで、小学生のころはジグソーパズルやルービックキューブなどに、健全な範囲で夢中になっていたのですが、思春期のころは、ちょうどファミコンブーム全盛期。そして、「上から落ちてくるT字やL字のブロックをキッチリ積んでいって、I字ブロックで一気に全消しする」という、例の元祖パズルゲームに私はどハマリして、もう本当に一日中、ぼーっとブロックを積んでは消し、積んでは消し…と、ひたすら繰り返していました。

当時の私は、悶々と悩み続ける事も多く、自分で思考を止められずにしんどかったのですが、パズルゲームに無心で没頭している時間だけは、パズルに必要な部分以外の脳をオフにして、ほっとできたんですね。でも、その結果、ゲームをやめたくてもやめられない状態に…。

それで結局、学校の成績が下がったり、ついゲームに手が伸びてしまって受験勉強に集中できなかったりもして、いろんなところに影響が出てしまいました。

…こんな私の実体験を子ども達に切々と語ると、結構真剣に耳を傾けてくれるんです。やっぱり、経験者のリアルな話は重みが違いますからね。

当然、こんな自分のダメっぷりをわが子の前で晒せば、親としての威厳なんて簡単に地に堕ちてしまいます。でも、だからこそ、子どもと同じ目線で語る言葉のほうが、難しい年頃の子達の心にも、ちゃんと届くんじゃないかな、なんて思います。

まあ、長男は「でもさ、もし、かあちゃんがゲームに浪費した時間を勉強とかに全フリしてたら、人生の分岐ルートも違って、オレ達も生まれてなかったかもよ。だから、今、オレ達がいるのはテ◯リスのおかげ」なんて、言ってくれたりも…。

不登校とズル休みの思い出

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そして、次男が小学校時代、体調を崩して学校に行けない日が続いていたときに、本当に役に立ったのが私自身の不登校の経験でした。

私は、小学3年生のころ、1ヶ月ほどですが、同じように体調不良がきっかけで急に学校に行けなくなったことがあります。

だからこそ、本人は「本当は学校行きたい」と言うけれども、どうしても身体が思うように動かないときの気持ちがよーく分かるので、かつて私の母がそうしてくれたように、無理に行かせたり、説得を試みたりはしませんでした。そして、家でテレビをぼーっと見ながら過ごす次男との母子2人の時間に、当時のいろんな思い出話をしました。例えば…

「あのころ、かあちゃんはさ、学校って人が多くて疲れちゃったんだよね。いつもザワザワしてるしさ〜、休み時間はちっとも休めないしさ〜」

…なんて切り出すと、我慢強い次男も、「そうそう、そうなんだよ」なんて、少しずつ本音や溜め込んだ不満を話してくれたりも。それから、

「こういうとき、かあちゃんのかあちゃんがね、忙しい仕事の合間に『何か食べたいものある?』って聞きに来てくれたのが嬉しかったんだよね。で、〇次郎は今、何か食べたいものある?」

…と、懐かしい思い出と共に希望を聞くと、嬉しそうにリクエストしたり…と、普段は兄や妹になんとなく遠慮している次男も、時折こっそり私に甘えてくれるようにもなりました。そうしている間に、本当にゆっくり、ゆっくりと、次男の体調は回復していきました。
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また、春のコロナ休校が終わり、学校が再開された直後に、朝「行きたくない」と長女の登校しぶりが続いたときも、私の過去の「ズル休みの経験」が活きました。

長女は悪知恵を働かせて、朝の検温を愛犬の脇の下で計って、「37.5度」という、なかなか”いい数字”を出して、得意そうに体温計を見せてきましたが、実は、体温の偽装に関しては私もプロなのです(良い子はマネしないでね)。

「かあちゃんも小学生のとき、ズル休みしたくてさ〜…」と、当時、水銀体温計で、「心配されて病院に連れて行かれるほどの高熱ではなく、かつ、親が一応念の為、休ませておこうと思えるラインの、ちょうどいい数字」を出すにはどうしたらいいか、あんな方法やこんな方法で試行錯誤したことを話すと、ちょっと尊敬(?)の眼差しを送ってくれました。

それから、運動が苦手だった私が「マラソン大会がイヤ過ぎて、毎年前日にお腹を出して寝た」だとか、「運動会が消えてなくなるように、台風の進路に全身全霊で念を送った」だとか、ちょっとカッコ悪い思い出話を気前よく披露すると、苦手な行事を前に沈んでいた子ども達を笑顔にすることもできました。

どんなにネガティブな気持ちだって、身近な人に分かってもらえたり、「自分だけじゃない」と思えたりすることで、気がラクになることも結構あるのではないでしょうか。
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親の失敗体験は財産!

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こうして見ると、私は自分の失敗体験やしくじりエピソード、黒歴史…あるいは短所や欠点なども「あってよかった」と、財産のように思えてきます。

ちょっとくらい失敗したって、間違ったって、寄り道したって、結構なんとかなるものだし、少々できないことや苦手なことがあっても、ちゃんと大人になれますから。「失敗のお手本」が目の前にあれば、子どもだって思い切って失敗できるハズ。

そして、不思議なことに、子どもに自分の失敗体験を話してみると、なんだか親のほうも元気になるんです。

それは、「親だって、完璧じゃなくてもいい」「子どもの前で、立派な親であり続ける必要はない」…と思えると、少しだけ”いい親”のプレッシャーから解放されて、肩の荷を降ろすことができるから…なのかもしれませんね。
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このコラムを書いた人の著書

大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
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