友達と一緒がいい?通園が便利だから?…発達が気になる子の幼稚園・保育園選びで大切なこと

2021/01/15 更新
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発達に偏りがあったり、他の子とは違う行動をしたりするわが子に対して、「少しでも普通の子と交わらせたい、そして刺激を受けて良い方向に行ってほしい」と思うのが親心です。

けれども、子どものことを厄介者と思うママ友が大勢いたり、幼稚園、保育園に障害に対する理解がない場合、親も子もとてもしんどい思いをします。

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立石美津子
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障害がある我が子の、幼稚園・保育園の選択

トラブルが起きるたびに呼び出されるケース

幼稚園や保育園は義務教育ではありませんし、、特別支援学校や特別支援学級のような環境はありません。障害のある子どもは定型発達の子ども達のなかでは、少数派として混ざることになります。

「障害のあるお子さんを積極的に受け入れています」という園ももちろんありますが、なかには「積極的に歓迎はしていません」という園もあります。知人のところには、トラブルが起きるたびに園から「迎えに来てください」と電話がかかってきていました。そのために、知人は携帯が鳴るたびにビクッとしていました。

他の保護者から歓迎されないケース

また、「運動会や運動会での発表に力を入れている」と言う園の中には、いい成果を上げる、立派な音楽会にすることが目的になっている場合も…。
自閉症の息子の学芸会での様子
向かって左、赤い棒を振り回しているのが息子
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私が知人から聞いた話には、こんなものがあります。

・音楽発表会で鍵盤ハーモニカを勝手に吹いてしまうので、担任に音が出ないようにホースに小さな穴を空けられた。ティッシュや粘土を詰められた。
・ママ友から「あなたの子が参加したら運動会でうちのクラスが勝てない。運動会を休んで欲しい」と言われた。

こうした環境では、我が子はつらい思いをするのではないでしょうか。

それでも、「園から悪く思われないように」、「パニックを起こして迷惑をかけないように」と事前に幼稚園の行事を家で疑似体験させたり、遠足に行く前に何度も下見をしてから参加させたりするなどの涙ぐましい努力をしている知人もいました。でも、そこまでして皆と同じように行動させる必要があるのか、子どもは窮屈な思いをしているのではないかと私は感じていました。
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自由伸び伸びの幼稚園、保育園は我が子に合っている?

「ずっと自由に遊んでいていいんだよ」と言われたら、「伸び伸びできていいじゃないか」と思う方も多いのではないでしょうか。私達には“スケジュールが組み込まれる→窮屈”“自由→楽しい”という思い込みがあるからです。

けれども、自閉症のある息子の場合は真逆で、自由な空間にポツンと置かれてしまうと見通しが立たず、戸惑ってしまいます。

息子が通っていた保育園は自由のびのびではなく、タイムスケジュールに従って“〇時からお歌、○時から体操、○時からはお絵描き”と決まっていて、息子にとっては保育の流れの見通しが立ちました。

反対に行事の時は保育の流れが変わり、いつもと違う服を着せられパニックを起こしていました。下記はハロウィンの行事の写真です。
ハロウィンイベントでの息子の様子
向かって右、先生に抱かれて泣いているのが息子
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息子が通っていた保育園では、数字や漢字や国旗のカードも見せてくれました。これにも息子は喜びました。

自閉症のある子どもの中には数字や文字、国旗、地図、地図マーク、時刻表、電車の型番など永遠に変わらないカタログ的なことに安心感を持っている子も多いです。

スケジュールが明確で興味のあることをやってくれる保育園は、息子には合っていました。
パズルをする息子
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小学校での過ごし方

不安な休み時間

園の話からは離れますが、自由時間の過ごし方は、小学校に入ってからも課題となることがあります。

小学校には時間割があります。子どもたちは「○時から国語、○時から算数」と見通しを立てることが出来ます。また、45分授業ですから「あと、○分で終わりだ」ということもわかります。授業中も「これをやって、あれをやって」とプリントやら制作や課題を出されます。

けれども、休み時間「校庭で各自好きなように遊んでいいんだよ」「自由な時間のなかで友達と交わりなさい」と言われると、困ってしまう子もいるからです。

小学校の入学後の放課後の過ごし方

息子は小学校は特別支援学校に入学しました。ただ、学校が2時に終わってしまい、特別支援学校内に学童クラブもなかったので、放課後は地元公立小学校の学童クラブに入れました。

でも、ずっと自由にしていればいいという空間、障害に詳しいの支援者がいない環境で息子の様子がおかしくなってしまったのです。なぜなら、何をしていいかわからず、見通しが立たなかったからです。

そこで、学童クラブは一週間利用した後、止めました。代わりに放課後等デイサービスに通うことにしました。そこには、発達障害のある子どもへの支援の経験が豊富な支援スタッフがいたからです。そこで6歳から18歳になるまでの12年間過ごし、息子にとっては最高の居場所になりました。
放課後等デイで笑顔でスタッフと過ごす息子
昔、暴れて空けた穴。思い出です。(指をさしているのは長年お世話になったスタッフ)
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放課後等デイでカルタをする息子
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放課後等デイで遊ぶ息子
撮影 週刊女性・渡邉智裕
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放課後等デイで手遊びをする息子
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子どものことを本当に理解し、サポートしてくれる園に入園させましょう。

一日のうちの大半を過ごす園、そして小学校入学までの長い期間過ごす園は居心地の良い快適な空間であることが大切です。

園を選ぶときは、我が子のことを熟知している保護者が
「親しいお友達が通っているから」
「園バスが近所まで迎えに来てくれるから」
「制服がかわいいから」
「有名だから」
「施設がきれいだから」
といった理由ではなく、我が子の特性に配慮してくれるか、我が家の教育方針にあっているかどうかで吟味することが必要だと思います。

何よりも大切なのは、障害のある子の保護者の話にじっくり耳を傾けてくれ、他の子と比較したり「こうであらねばならない」という基準を押しつけたりする園ではないことが大切です。我が子のためにも、皆さんが賢い選択をしてほしいと願っています。

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