保護者の涙を減らすケア&サポートが子どもの支援になる!『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』【著者・高山先生インタビュー付】
ライター:発達ナビBOOKガイド
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合同出版
子どもが言うことを聞かない、してほしくないことばかり繰り返す。「わが子の育てにくさ」に直面するなかで、精神的に追い詰められてしまう保護者も少なくありません。そんなときに頼りになるのが、療育、保育、教育のプロの力です。『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』は、親子をサポートするためのヒントがたっぷり詰まった本。著者の高山恵子さんのお話とともにご紹介します。
子どもだけでなく、保護者も含めてケアすることが重要!
発達障害のある子どもの支援には、子どものケアだけでは不十分なことが多くあります。子どもの特性は、周囲の環境からも大きな影響を受けるからです。とくに乳幼児期から10歳ごろまでは、子どもにとっていちばん身近な存在である保護者の存在が大きいことは言うまでもありません。
けれど、この時期、「お母さん、おうちでもきちんとしつけをしないと!」と周囲から叱責されて萎縮してしまったり、「もっとお子さんをほめてあげて」というアドバイスに、かえって「自分はダメな親なんだ」と罪悪感を抱え込んだりと、ストレスフルな子育てをしている保護者も少なくありません。
『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』は、保育園、幼稚園、小学校、学童保育の先生など、子育て支援に関わる方に向けて書かれた本です。保護者を支援するときにどんな視点を持てばいいのか、どんなプロセスが有効なのか、具体的な事例とともに学ぶことができます。支援者はもちろん、「わが子の育てにくさ」に悩む保護者の方にもおすすめの1冊です。
けれど、この時期、「お母さん、おうちでもきちんとしつけをしないと!」と周囲から叱責されて萎縮してしまったり、「もっとお子さんをほめてあげて」というアドバイスに、かえって「自分はダメな親なんだ」と罪悪感を抱え込んだりと、ストレスフルな子育てをしている保護者も少なくありません。
『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』は、保育園、幼稚園、小学校、学童保育の先生など、子育て支援に関わる方に向けて書かれた本です。保護者を支援するときにどんな視点を持てばいいのか、どんなプロセスが有効なのか、具体的な事例とともに学ぶことができます。支援者はもちろん、「わが子の育てにくさ」に悩む保護者の方にもおすすめの1冊です。
『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』
合同出版
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【終了しました】1月30日(土)午前10時半から、本書の出版記念オンラインイベント(合同出版主催)/#出版記念 『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』 高山恵子さん(NPO法人えじそんくらぶ代表)×田中哲さん(子どもと家族のメンタルクリニックやまねこ院長、山梨県立こころの発達総合支援センター所長)が開催されます。
「子どもを見るポイント」を保護者に伝えるために
「忘れ物をしても気にしない」「人の嫌がることを言ってしまう」「大人の言うことをちっとも聞かない」。こうした行動は、大人から見ると困ったものに映ります。何度叱っても直らず、途方に暮れてしまう保護者も多いでしょう。
困った行動が続くときに必要なのは、まず「なぜこうした言動をするのか」をよく観察することだといいます。
本書では、子どもを観察するときの手がかりになるものとして、「マズローの欲求の階層」を紹介しています。人間には5つの欲求があり、幸せに生きるためには5つの欲求が下から順に満たされることが必要である、と定義したものです。
困った行動が続くときに必要なのは、まず「なぜこうした言動をするのか」をよく観察することだといいます。
本書では、子どもを観察するときの手がかりになるものとして、「マズローの欲求の階層」を紹介しています。人間には5つの欲求があり、幸せに生きるためには5つの欲求が下から順に満たされることが必要である、と定義したものです。
1から4までの欲求が満たされてはじめて、子どものやる気スイッチはオンになります。困った行動が見られたときには、4つの要求が満たされているかを見直してみると、適切な対応が見えてきます。本書には、各項目が満たされているかを確認できるチェックリストも収録されています。
大切なのは、「マズローの欲求の階層」を道しるべにしながら、保護者と支援者が一緒に考えること。次第に子どもを叱ることが減り、育てにくさが軽減していくことも期待できます。
大切なのは、「マズローの欲求の階層」を道しるべにしながら、保護者と支援者が一緒に考えること。次第に子どもを叱ることが減り、育てにくさが軽減していくことも期待できます。
具体的な事例から、親子をサポートする対応のヒントをつかむ
本書では、「こんなときどうしたらいい?」を具体的に考えることができる9つの事例も紹介されています。子どもに伝わりやすい言葉かけのポイントや、子どもの行動を分析して対応を検討する方法など、さまざまな視点からの対応のヒントがつづられています。
たとえば、このフローチャートは、子どもの行動を「好ましい行動、好ましくない行動」に分類して整理することで、関わり方のポイントを検討していくものです。保護者と支援者が一緒に行うことで、「好ましくない」と思う行動も、実は保護者や世間の固定観念によるものだった、と気づくこともあります。
また、見方を変えることで、気にならない行動や好ましい行動に変換できることもあります。ひとつひとつ分類していくと、本当に好ましくない行動は実は少ないことがわかり、「案外、うちの子できてるかも!」と自信を持てる保護者も多いそうです。
また、見方を変えることで、気にならない行動や好ましい行動に変換できることもあります。ひとつひとつ分類していくと、本当に好ましくない行動は実は少ないことがわかり、「案外、うちの子できてるかも!」と自信を持てる保護者も多いそうです。
高山恵子さんにインタビュー! 多様な親子に寄り添うために必要なこととは?
本書の前身は、2007年に出版された『育てにくい子に悩む保護者サポートブック』(学研)。主に幼児期の支援者向けだった内容を大幅に加筆修正し、小学生の保護者支援にも活用できる1冊にまとめています。長らくADHDを中心とした発達障害の子どもとその家族、支援者をサポートする活動を続ける、著者の高山恵子さんにお話を伺いました。
編集部(以下――)ベースとなった『育てにくい子に悩む保護者サポートブック』を執筆された2007年ごろは、発達障害の親子をとりまく環境はどのような状況でしたか?
高山さん(以下高山):当時はまだ発達障害の情報も少なく、保護者も支援者も大変苦労されていました。情報不足のために「親のしつけが悪いから、子どもの態度が悪いんだ!」と誤解されることもよくありました。参考となる書籍も欧米の翻訳が中心で、なかなか日本の家族支援のスタイルには合わない部分も。そのため2007年に出版したときには、「アジアの価値観に合った子育て」を提唱した本である、とバイブルのように使っていただきましたね。
――当時と比べて、変わったと思うことはありますか?
高山:前身の本を出版したころに比べると、今は日本の家族、支援者が積極的に情報発信されるようになり、特別支援教育も広まり、子育て支援センターも増えています。相談しやすい環境は整ってきた、と言えますね。ただその一方で、逆にインターネットを中心に情報過多になっていると感じます。玉石混交の情報が飛び交うなかで、わが子にあう方法を見つけ出せずに苦しむ保護者や、保護者にどう説明していいか気遣って悩んでしまう支援者も多いです。
――前回の本を出版されて以降も、多くの支援者、保護者、そして子どもたちと接してこられた高山さん。本書を制作するにあたり、いちばん大切にされたことはどのようなことでしょうか?
高山:一番のキーワードは、「多様性」です。ひとくちに発達障害といってもいろいろなタイプの特性がありますし、保護者の特性や考え方、理想とする子育てのスタイルも多岐にわたっています。支援の際には、まず親子それぞれの多様性を理解することが大切だと思うんです。
また、ワンオペ育児のママ、育児に積極的に参加しているパパなど、子育ての形も多様化していますね。事例のバランスにも気を配りながら、幼少期から学童期までのエピソードを盛り込みました。学習障害、発達性協調運動症、虐待、ゲーム依存の話を新たに加えたり、薬物治療についても情報をアップデートしたりしています。
――支援者と保護者の関係性は、どのような形が理想だと考えますか?
高山:まずは信頼関係があることでしょうか。少しくらい意見の違いがあっても、ベースに信頼関係があればなんとかなると感じます。理想としては、さらになんでも話せる関係が築けるとベストですね。
――信頼関係がない相手からのアドバイスは、かえって保護者を混乱させてしまうこともありますね。
高山:そうですね。アドバイスは、時として相手を傷つけたり、怒りのスイッチを入れてしまったりすることもあります。信頼関係は、子どもを一緒に育てていくにあたっての土台であり、すべてのスタートになるものだと思います。
編集部(以下――)ベースとなった『育てにくい子に悩む保護者サポートブック』を執筆された2007年ごろは、発達障害の親子をとりまく環境はどのような状況でしたか?
高山さん(以下高山):当時はまだ発達障害の情報も少なく、保護者も支援者も大変苦労されていました。情報不足のために「親のしつけが悪いから、子どもの態度が悪いんだ!」と誤解されることもよくありました。参考となる書籍も欧米の翻訳が中心で、なかなか日本の家族支援のスタイルには合わない部分も。そのため2007年に出版したときには、「アジアの価値観に合った子育て」を提唱した本である、とバイブルのように使っていただきましたね。
――当時と比べて、変わったと思うことはありますか?
高山:前身の本を出版したころに比べると、今は日本の家族、支援者が積極的に情報発信されるようになり、特別支援教育も広まり、子育て支援センターも増えています。相談しやすい環境は整ってきた、と言えますね。ただその一方で、逆にインターネットを中心に情報過多になっていると感じます。玉石混交の情報が飛び交うなかで、わが子にあう方法を見つけ出せずに苦しむ保護者や、保護者にどう説明していいか気遣って悩んでしまう支援者も多いです。
――前回の本を出版されて以降も、多くの支援者、保護者、そして子どもたちと接してこられた高山さん。本書を制作するにあたり、いちばん大切にされたことはどのようなことでしょうか?
高山:一番のキーワードは、「多様性」です。ひとくちに発達障害といってもいろいろなタイプの特性がありますし、保護者の特性や考え方、理想とする子育てのスタイルも多岐にわたっています。支援の際には、まず親子それぞれの多様性を理解することが大切だと思うんです。
また、ワンオペ育児のママ、育児に積極的に参加しているパパなど、子育ての形も多様化していますね。事例のバランスにも気を配りながら、幼少期から学童期までのエピソードを盛り込みました。学習障害、発達性協調運動症、虐待、ゲーム依存の話を新たに加えたり、薬物治療についても情報をアップデートしたりしています。
――支援者と保護者の関係性は、どのような形が理想だと考えますか?
高山:まずは信頼関係があることでしょうか。少しくらい意見の違いがあっても、ベースに信頼関係があればなんとかなると感じます。理想としては、さらになんでも話せる関係が築けるとベストですね。
――信頼関係がない相手からのアドバイスは、かえって保護者を混乱させてしまうこともありますね。
高山:そうですね。アドバイスは、時として相手を傷つけたり、怒りのスイッチを入れてしまったりすることもあります。信頼関係は、子どもを一緒に育てていくにあたっての土台であり、すべてのスタートになるものだと思います。
多様な子ども、保護者に合う支援を見つけるためのチェック&ケーススタディ
――本書では、「握ったものをなんでも投げてしまう」「気が散って宿題を忘れて、ほかのことをしてしまう」など、悩みや問題を抱えた子どもたちの9つのケースが紹介されていますね。どのような思いや背景から、この9つを選ばれたのでしょうか?
高山:9つのケースは、どれも支援者の皆さんからよく相談を受ける内容です。今回、新たに出版するにあたって、現代のニーズに合わせて回答もバージョンアップしています。学童期の事例も取り上げているので、学校の先生や放課後等デイサービスのスタッフ、学童保育など、他業種の方にも参考にしていただけたらうれしいですね。
――学童期にとくに注意したいのは、どんな点でしょうか?
高山:学習が出てくると、本人の「やりたくない」という意思のほか、「やりたくてもできない」という場面も増えてきます。そのようなときに、努力や性格の問題と決めつけないでほしい。こまかな観察が大切です。子どもたちに関わる皆さんには、ぜひその視点を養っていただけたら、と思います。
――本書では、保護者のタイプを7つに分け、タイプ別のサポート法も紹介されていますね。
高山:私は約20年間、気になる子の子育て支援をしてきました。園や学校の巡回支援では、支援者の方も本当に悩んでいる、と痛感します。「保護者の支援が大切」とわかっていても、現場では人手不足などもあり、難しさを感じている支援者の方も少なくありません。子どもも親も、本当に多様でまさに十人十色ですから。ただ、子どもたちへの対応と同様、「保護者のタイプにあった支援をする」という視点を取り入れると、具体的なイメージがわきやすくなるものです。
そのため、この本では「なんでも自分のせいだと思い、自分を責め、落ち込んでしまう保護者」「日々の忙しさがストレスになってしまっている保護者」など、困っている保護者のパターンを7つご紹介しました。園や学校で、支援のイメージを共有することで、より効果的な支援ができるようになるでしょう。
高山:9つのケースは、どれも支援者の皆さんからよく相談を受ける内容です。今回、新たに出版するにあたって、現代のニーズに合わせて回答もバージョンアップしています。学童期の事例も取り上げているので、学校の先生や放課後等デイサービスのスタッフ、学童保育など、他業種の方にも参考にしていただけたらうれしいですね。
――学童期にとくに注意したいのは、どんな点でしょうか?
高山:学習が出てくると、本人の「やりたくない」という意思のほか、「やりたくてもできない」という場面も増えてきます。そのようなときに、努力や性格の問題と決めつけないでほしい。こまかな観察が大切です。子どもたちに関わる皆さんには、ぜひその視点を養っていただけたら、と思います。
――本書では、保護者のタイプを7つに分け、タイプ別のサポート法も紹介されていますね。
高山:私は約20年間、気になる子の子育て支援をしてきました。園や学校の巡回支援では、支援者の方も本当に悩んでいる、と痛感します。「保護者の支援が大切」とわかっていても、現場では人手不足などもあり、難しさを感じている支援者の方も少なくありません。子どもも親も、本当に多様でまさに十人十色ですから。ただ、子どもたちへの対応と同様、「保護者のタイプにあった支援をする」という視点を取り入れると、具体的なイメージがわきやすくなるものです。
そのため、この本では「なんでも自分のせいだと思い、自分を責め、落ち込んでしまう保護者」「日々の忙しさがストレスになってしまっている保護者」など、困っている保護者のパターンを7つご紹介しました。園や学校で、支援のイメージを共有することで、より効果的な支援ができるようになるでしょう。
支援者は、子どもと保護者を結ぶ「通訳」に
――さまざまなチェックシートやケース、タイプ別の解説など、支援者の方に寄り添った1冊であると感じました。本の制作にあたり、工夫された点を教えてください。
高山:子どもも保護者も支援者の方も、みなさん頑張っています。それなのに子どもの特性に気づけなかったり、うまく能力を伸ばしていく方法が見つからなかったりするだけなのです。
本書では「多様性」というキーワードを意識し、「この子にはどんな特性があるんだろう」「保護者はどんなことに困っているんだろう」と事実を確認する助けになるようにと執筆しました。チェックリストやケース・タイプ別のまとめは、それを判断するのに役立つと思います。
――支援者の方との会話や、子どもの行動を見つめ直すワークなどによって、保護者も子どもの特性に改めて気づいたり、今できることが明確になったりしますね。
高山:そうですね。だからこそ、支援者自身の心の安定も大事なポイントになります。支援者が頑張りすぎることでかえって親子のストレスを強め、関係性が悪くなってしまう場合もある、ということも頭に入れておかないといけません。その確認として、この本では支援者のストレスマネジメントの方法についても取り上げました。1人で抱え込まないよう、複数の支援者で対応するなど、職場内の環境をつくることも大切ですね。
――この本をどのように活用してほしいとお考えでしょうか?
高山:保護者の心が安定すれば、子どもも安定して能力を発揮できるようになる。保護者の心が安定するには、周りのサポートが欠かせない。今までの経験から、そう確信しています。そのためのヒントとして活用していただけたら、と願っています。
とくに育てにくいと感じる子を育てていらしゃる方の中には、理想とは違う子育てに複雑な思いを抱えている保護者もいるでしょう。また、虐待に関する悲しい事件も多く目にします。親を批判するのは簡単ですが、どんなケースでも、親だけが一方的に悪いということはなく、それぞれに深い事情があるものです。孤軍奮闘し、ストレスを溜めこむ育児が続けば、怒りや鬱々とした気持ちが爆発するのは無理もありません。
支援者には正論をアドバイスするのではなく、まず傾聴する姿勢をお願いしたいところです。保護者の話に耳を傾けるなかで、いろいろな価値観の違いやタイプの違いを見つけ、その方にあった支援をしていただければ、と思います。
――最後に、発達ナビをご覧いただいている皆さまへメッセージをお願いします。
高山:現在は発達障害についての情報もあるし、相談機関も増えています。けれど、なぜかわが子にしっくりくるサポート方法が見つからない、という保護者の方がたくさんいらっしゃいます。そんな方は、ぜひ本書をお手にとってみてください。
また、支援者の方は、教育虐待をはじめ、さまざまな困りごとを抱えている保護者に対して、どう対応したらいいか悩んでいる方が多いように思います。子どもの多様性だけでなく、保護者の多様性にも着目することが大切です。
子どもと保護者の多様性を理解した支援者の方は、両者の「通訳」をすることができます。これこそが、現在の支援者に求められる大切な役割だと思います。この本を読んだ皆さんの力で、幸せな親子が増えることを心から願っています。
高山:子どもも保護者も支援者の方も、みなさん頑張っています。それなのに子どもの特性に気づけなかったり、うまく能力を伸ばしていく方法が見つからなかったりするだけなのです。
本書では「多様性」というキーワードを意識し、「この子にはどんな特性があるんだろう」「保護者はどんなことに困っているんだろう」と事実を確認する助けになるようにと執筆しました。チェックリストやケース・タイプ別のまとめは、それを判断するのに役立つと思います。
――支援者の方との会話や、子どもの行動を見つめ直すワークなどによって、保護者も子どもの特性に改めて気づいたり、今できることが明確になったりしますね。
高山:そうですね。だからこそ、支援者自身の心の安定も大事なポイントになります。支援者が頑張りすぎることでかえって親子のストレスを強め、関係性が悪くなってしまう場合もある、ということも頭に入れておかないといけません。その確認として、この本では支援者のストレスマネジメントの方法についても取り上げました。1人で抱え込まないよう、複数の支援者で対応するなど、職場内の環境をつくることも大切ですね。
――この本をどのように活用してほしいとお考えでしょうか?
高山:保護者の心が安定すれば、子どもも安定して能力を発揮できるようになる。保護者の心が安定するには、周りのサポートが欠かせない。今までの経験から、そう確信しています。そのためのヒントとして活用していただけたら、と願っています。
とくに育てにくいと感じる子を育てていらしゃる方の中には、理想とは違う子育てに複雑な思いを抱えている保護者もいるでしょう。また、虐待に関する悲しい事件も多く目にします。親を批判するのは簡単ですが、どんなケースでも、親だけが一方的に悪いということはなく、それぞれに深い事情があるものです。孤軍奮闘し、ストレスを溜めこむ育児が続けば、怒りや鬱々とした気持ちが爆発するのは無理もありません。
支援者には正論をアドバイスするのではなく、まず傾聴する姿勢をお願いしたいところです。保護者の話に耳を傾けるなかで、いろいろな価値観の違いやタイプの違いを見つけ、その方にあった支援をしていただければ、と思います。
――最後に、発達ナビをご覧いただいている皆さまへメッセージをお願いします。
高山:現在は発達障害についての情報もあるし、相談機関も増えています。けれど、なぜかわが子にしっくりくるサポート方法が見つからない、という保護者の方がたくさんいらっしゃいます。そんな方は、ぜひ本書をお手にとってみてください。
また、支援者の方は、教育虐待をはじめ、さまざまな困りごとを抱えている保護者に対して、どう対応したらいいか悩んでいる方が多いように思います。子どもの多様性だけでなく、保護者の多様性にも着目することが大切です。
子どもと保護者の多様性を理解した支援者の方は、両者の「通訳」をすることができます。これこそが、現在の支援者に求められる大切な役割だと思います。この本を読んだ皆さんの力で、幸せな親子が増えることを心から願っています。
親子の毎日に新しい視点をプラスしてくれる1冊
「マズローの欲求の階層」をもとにした子どもの生活チェック、子どもに伝わりやすい声かけの実例など、この本には「わが子の育てにくさ」を分解し、その子の特性にあわせた対応ができるようになるための知恵がたっぷり詰まっています。
子どもの行動を観察するためのチェックやワークは、自分自身に当てはめながら読んでも気づきが多いもの。自身の心の状態にもきちんと目を配りながら、親も子も、支援者も、みんなが幸せになれる毎日へ。『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』は、そんな新しい視点をプラスしてくれる1冊です。
取材・文/浦上藍子
子どもの行動を観察するためのチェックやワークは、自分自身に当てはめながら読んでも気づきが多いもの。自身の心の状態にもきちんと目を配りながら、親も子も、支援者も、みんなが幸せになれる毎日へ。『育てにくい子の家族支援 親が不安・自責・孤立しないために支援者ができること』は、そんな新しい視点をプラスしてくれる1冊です。
取材・文/浦上藍子
【終了しました】高山恵子さんも登壇!本書出版記念オンラインイベント開催
開催日時:2021年1月30日(土)10時半スタート、12時終了予定
主催:合同出版株式会社
出演者:高山恵子さん(NPO法人えじそんくらぶ代表)×田中哲さん(児童精神科医)
*オンライン参加のみです
*参加者のカメラはオフになります
*先着100名
*参加費2,000円 ※締切1月30日(土)8:30
主催:合同出版株式会社
出演者:高山恵子さん(NPO法人えじそんくらぶ代表)×田中哲さん(児童精神科医)
*オンライン参加のみです
*参加者のカメラはオフになります
*先着100名
*参加費2,000円 ※締切1月30日(土)8:30
育てにくい子の家族支援 親が不安、自責、孤立しないために支援者ができること
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