感覚過敏な息子、学校生活での対策は?授業中の「困った行動」も実は...

ライター:かなしろにゃんこ。
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五感が過敏になってしまう感覚過敏と、その真逆の感覚鈍麻の2つの特性がある、ADHDとASDがある息子リュウ太ですが、一日のうちに2つの感覚が入れ替わり立ち替わり起こります。どちらも当事者には困った症状で、集団生活では疲れの原因になっていました。どんなときに、どのタイミングで入れ替わるのか?本人に聞いてみました。

感覚過敏で教室にいられず、廊下に出ていた息子

学校では多くの情報が周囲にあり、対応しようと頑張ることで感覚過敏がひどくなっていた。
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わが家のADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太には、音に敏感になってしまう・人が大勢いる場所だと視覚情報が多くて疲れる・光が眩しく感じる・服の繊維の感触が気になってしまうなどの感覚過敏があります。

授業中は感覚のせいで気持ちが疲れてしまって、教室にいられず、廊下で一人になってクールダウンをしていました。
一方で、集中しすぎると自分の体のサインに気づかなくなる。
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何かに夢中になると、感覚が鈍くなる!?

そんな症状に悩まされている息子ですが、全く真逆のことも起きていて、何かに夢中になると寒い、暑い、空腹、疲労、痛みなどを感じる感覚が鈍くなるという状態になり、一日の中で感覚過敏になったり感覚鈍麻になったりが交互にやってくるというのです。

それを教えてくれたのは息子が成人してからでした。

全く真逆の感覚がどうして入れ替わり立ち替わり現れるのかを聞いてみました。
興味のない授業に集中しようとすると、ストレスを感じて感覚過敏になることを説明するリュウ太。
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「学校などで集団で生活していると、先生の話を聞かなきゃ!周りの状況を確認しなくちゃ!と自分の外側に意識を向けているときに感覚過敏は起こりやすいんだ」と言います。

「特に授業中は、人の話を聞くなど、外的刺激に対応しなければいけない状況でしょ。外にアンテナを向けているときに五感が敏感になっていて、その状況が20分以上になり、長く続くと疲れてきちゃってしんどい。ボクの場合は45分間授業もたない。

入ってくる情報がキャパオーバーしたら、ホワイトアウトのように目の前が真っ白になって、『このまま教室にいたらマズイな』と思って廊下に出るようにした。白目になっているわけじゃないよ(笑)」

「授業中のお絵かきは、自分がラクになるための手段だったんだ」

静かな場所に避難しようと、授業中に廊下に出るリュウ太。
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だから自分が楽になる方法として、授業中に絵を書いたり工作をはじめる!そうすると創作に意識が向くから周りの声や音が遠のいていくし、暑さや寒さなどの不快な感覚も感じにくくなっていくんだ!このままではツライと感じていたときに、無意識に感覚を内側に向ける行動をとっていたんじゃないかな?」

と言います。

その2つの感覚の状態が一日のうちに何度か繰り返し起こることで、今日もなんとか学校で過ごすことができた♪めでたし♪めでたし♪となるそうです。

「人の話に集中しなくちゃいけないとき、指示に従って何かをやらなくちゃいけないなど本意じゃないときに、意識を向けるときが一番感覚過敏になる。そのときに汗がたくさん出て皮膚の感覚が過敏になったりとか、連鎖していく感じかな?」

と息子は教えてくれました。
感覚がコロコロ入れ替わる様子。
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授業中に工作をはじめてしまうことが頻繁にあると先生から報告を受けていた当時の私は、リュウ太が勉強をしないことが心配で、工作は休み時間だけにしてほしいな~と思っていたのですが、工作をするという行動は自分を守るためにやっていたことなのかもしれないと考えるようになりました。

どっちの感覚もなんだか大変そうだな?と思いますが、感覚過敏も鈍麻も少しずつ付き合い方を知っていくことが大切なのだなと感じました。

しんどかった学校生活の経験があって大人になった現在は、上手とはいえませんが、過敏になりすぎず、鈍麻も控え目にほどほどに自分でコントロールして過ごせているように感じるのでした。
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