個別の教育支援計画とは?発達障害のある子が、長期的に一貫した支援を受けるために。個別の指導計画との違い、対象者や作成方法も解説

ライター:発達障害のキホン

「個別の教育支援計画」は、特別な支援を必要とする幼児や児童・生徒について、本人・保護者や学校・関係機関も含めた関係者で情報共有するためのツールです。作成・活用を通して、児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことができます。

個別の教育支援計画の内容や、作成・活用方法について詳しく説明します。

個別の教育支援計画とは?

個別の教育支援計画とは

「個別の教育支援計画」は、特別な支援を必要とする幼児や児童・生徒について、本人・保護者や学校・関係機関も含めた関係者で情報共有するためのツールです。

作成する目的は、児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことです。幼稚園などで作成された個別の教育支援計画を活用して、その後の小学校や中学校など就学先に支援の情報などを引継ぎ、断続的な支援や指導に生かしていきます。教育・医療・福祉・労働等が連携協力することが望ましいとされます。

長期に渡り多くの人が関与するものなので、個人情報などの保護も十分に留意した取り扱いとなっています。

対象となる障害の範囲には、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、言語障害、情緒障害、LD、ADHD、高機能自閉症などが含まれます。通常学級に在籍している児童・生徒や、発達障害の診断が出ていない児童・生徒でも、特別な教育的支援を必要とする場合は対象となります。

「個別の指導計画」との違い

関連するものに「個別の指導計画」がありますが、こちらは子どもの実態に応じて適切な指導を行えるよう、指導目標や指導内容及び指導方法を明確にしたものです。

「個別の教育支援計画」が長期的な支援計画であるのに対し、「個別の指導計画」は学期ごと・単元ごとなど、短期的かつ具体的な計画であるといえます。「個別の指導計画」の作成にあたり、「個別の教育支援計画」も参考にされます。

今回の記事では、個別の教育支援計画について詳しく説明します。
(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/tsukyu-guide/common/pdf/chapter2_3.pdf
特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 総則編(文部科学省)
https://bit.ly/35O96rR
個別の教育支援計画について(文部科学省)
https://bit.ly/35NWOjv

個別の教育支援計画の具体的な内容は?

個別の教育支援計画に盛り込まれる情報は、以下のようなものがあります。

・本人や保護者の願い
・障害による困難な状況
・学校での支援・指導の内容
・合理的配慮の提供の状況
・生育歴
・相談歴 
・通院・福祉サービスの利用状況
・関係機関における支援の内容

個別の教育支援計画
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具体的な項目やフォーマットは、各自治体や学校ごとに異なります。一例として、東京都教育委員会が公開している「小・中学校用支援シート」をご紹介します。
小・中学校用支援シート
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小・中学校用支援シート
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自分の学校や自治体における個別の教育支援計画の内容については、各教育委員会のHPや、学校の特別支援教育コーディネーターへ問い合わせてみてください。
これからの個別の教育支援計画(東京都教育委員会)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/special_needs_education/coming_plan.html
小・中学校用支援シート(東京都教育委員会)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/school/document/special_needs_education/files/coming_plan/26shochu_shiensheet.pdf

個別の教育支援計画は、誰がどのように作成するの?

個別の教育支援計画の作成プロセス

個別の教育支援計画は、児童・生徒の状況や活用の必要がある場合に作成されます。

例:
・就学時や卒業後への移行期
・学校外の関係機関との連携した支援が必要な場合
・保護者から作成の要望があった場合
 など

作成プロセスは、以下のとおりです。

1. 障害のある児童・生徒の実態把握
2. 実態に即した指導目標の設定
3. 具体的な教育的支援内容の明確化
4. 評価

個別の教育支援計画は、1度作成して完了するものではありません。子どもの状況にあわせて適宜見直しを行い、PDCAサイクルを回しながら作成していきます。

また、進級・進学などのタイミングで関係者間で引き継ぎを行い、その内容を踏まえた計画を作成することで、長期的な視点に立った支援を行うことができます。

誰が作成するのか

就学段階においては、盲・聾・養護学校又は小・中学校、もしくは高等学校が中心となって作成します。なかでも学級担任や、学校内や他機関との連絡調整役となる特別支援教育コーディネーターが中心となって、具体的な内容を確定します。

保護者や関係機関との連携協力により、校内委員会(※)や支援会議で検討していきます。

※校内委員会:児童・生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの
個別の教育支援計画について(文部科学省)
https://bit.ly/2U32d3z
「個別の教育支援計画」作成の手引き(千葉県教育委員会)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shien/kobetunokyouikusienkeikaku.html
特別支援教育コーディネーターとは?発達障害のある子の合理的配慮を相談できる?学校内外での役割や支援内容を解説のタイトル画像

特別支援教育コーディネーターとは?発達障害のある子の合理的配慮を相談できる?学校内外での役割や支援内容を解説

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