自閉症息子との4年間分の誕生日エピソード。気づいたのは「頑張りすぎない」大切さ

2021/07/21 更新
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先日4歳の誕生日を迎えた息子。はっぴばーすでーとぅーゆー♪お誕生日おめでとう!(ろうそくふー)はい!プレゼント!欲しがってたやつ!「わーいわーい!ありがとう!」

そんな、お誕生日を過ごすことができないなど知る由もなく、誕生から4歳まで、笑って、泣いて、泣いて、泣いて…泣きが濃い目の4年間を過ごしてきました。今回は、0~4歳を誕生日ごとに振り返ってみたいと思います。

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かさはらあやこ
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

0歳のお誕生日。なんて可愛いんだろう

陣痛開始から25時間後に出産。なんて可愛いんだろうと見つめた。
陣痛開始から25時間後に出産。なんて可愛いんだろうと見つめた
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0歳のお誕生日。

(いま思い返すと)出てくる気力がなかったのか、陣痛が始まってから25時間後に先生に上から押されやっと出てきた息子。産まれた数時間後から目をぱっちり開けていました。とても静かで、ただただ、なんて可愛いんだろうと見つめていました。

不思議なことに、夜に授乳のためベッドのライトを点灯すると、眩しそうに少しバタバタし、必ずくしゃみをしていました。〝……産まれたばかりなのに、光が眩しいなんてことあるの?〟と少し違和感がありましたが、誰に伝えても特に相手にされず…自分に似て視力がいいのかもしれないと思っていました。

1歳のお誕生日。おしゃれな記念写真は撮れなかった

初めての誕生日は、おしゃれな記念写真を撮りたくて頑張って飾り付けるも、秒で破壊されてしまう
初めての誕生日は、おしゃれな記念写真を撮りたくて頑張って飾り付けるも、秒で破壊されてしまう
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1歳のお誕生日。

「大きくなったら欲しいものを指定されて、プレゼントを選んであげることなんてなくなるから、3歳まではわたしが選びたい!」。そんな想いで選んだ、とっておきのプレゼント。頑張って飾りつけをし、おじいちゃん、おばあちゃんを家に招き、ごちそうを用意して臨んだ初めての誕生日。

SNSでよくみる、おしゃれな記念写真を撮りたくて、飾り付けた壁の前に連れて行くと、秒で破壊。指示が通るはずもなく〝おしゃれな記念写真〟は撮れませんでした。

誕生日前から注文していた一升餅。当日までに歩くことはできず。普段あまり会わない祖父に抱かれて、これでもかというほどギャン泣き。1歳児向けの玩具には見向きもしない。無表情で、目も合わず、にこりともしない息子を見て、せっかく来てもらった両親に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

2歳のお誕生日。ケーキも玩具も…

2歳のお誕生日は、ケーキには無反応、食事にも口をつけてもらえず、終始無表情で終了
2歳のお誕生日は、ケーキには無反応、食事にも口をつけてもらえず、終始無表情で終了
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2歳のお誕生日。

第二子の産後2ヶ月。それでも頑張って息子の好きそうな食事をつくり、大好きなキャラクターのたくさん乗ったケーキを用意。全く喜んだような反応をせず、食事には口をつけず、終始無表情で終了。2歳児向けの玩具にはやっぱり見向きもせず。悲しくて、涙を流しながら片づけをしました。

当時は児童発達支援に通ってはいたものの診断前で、発達障害のことも、息子の状態もまだ全然知らない時期でした。2歳児って、こんなものなのかなぁ…?と思いながらも、せっかく用意した食事を食べないことにイライラしたり、期待した反応が返ってこないことの虚しさや、焦り、不安。毎日の夜泣き、乳児の世話…。自分でもよく耐えたなと思うぐらいストレスフルな毎日でした。

妹が現在2歳。食事を出すと、「わぁ〜!おいしそう!」と言い、ハッピーバースデーも歌います。

3歳のお誕生日から、頑張ることをやめて

頑張ることをやめた3歳のお誕生日。心を乱すことなく、小さくお祝いすることができた
頑張ることをやめた3歳のお誕生日。心を乱すことなく、小さくお祝いすることができた
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3歳のお誕生日。

知的障害を伴う自閉症であることがわかってから初めてのお誕生日。廃棄するだけの料理をつくることをやめ、喜ばないケーキを注文することをやめ…とにかく頑張ることをやめました。

大人はオードブル、息子にはいつものメニューを用意。ケーキはシンプルで小さなホールケーキ。誰かを呼ぶわけでもなく、騒がず、はしゃがず、小さくお祝いする。息子はオードブルのレモンをツンツンして終了でしたが、終了後に涙が溢れて止まらない誕生日を過ごした前年とは違い、心を乱すことなく、落ち着いて成長を見守ることができるようになりました。

4歳のお誕生日。

自閉症育児をする中で、よく「2〜3歳が一番大変」と聞いていたので、4歳を迎えるにあたって、〝あぁー、やっと4歳か。やっと大変な時期を抜けるのか〟と思っていましたが、実際に4歳を迎えてみて思うこと。相変わらず、大変。

大癇癪はいまだに起こるし、身体は成長しているから、その分怒りのエネルギーもすごい。身辺自立も何一つできていないし、偏食は加速し、睡眠も不規則。いまのところ、ここが成長して楽になったなぁ~という部分は一切ありません。

想像していた4歳より全然成長しておらず、あぁ、これが自閉症のわが子の成長なのかと徐々にわかってきた感じですが、一年前と比べ、身体が少し大きくなったこと、発語があったこと、笑顔が増えたこと。それでじゅうぶんだと思うようになりました。

と言ったそばから、4歳のお誕生日は人生初めてのアレルギー事件が発生し、(長くなるので割愛)バタバタしてしまいましたが…。4歳は、健康で楽しく笑っていてくれたら、それでいいな、と思います。

井上先生より

誕生日は、お子さんの記念日であり、保護者にとっても大切なメモリアルです。誕生日ごとに振り返ることで、しんどかったことも思い出されるけれど、当時と比べるとお子さんの成長も感じられると思います。お母さまには「よくぞここまで!」と大きなエールを送りたいです。お子さんがなぜパニックになるのか、なぜ喜ばないのかという理由が少しずつ分かるようになると同時に、どうしたら楽しめるか?という視点が加わることで、これからももっと、そのときの成長に合ったオリジナルな誕生日の祝い方を楽しめるようになれると思います。
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