自閉症息子の小学校選び。特別支援学校に進学、小3で特別支援学級への転校も経験。学校連携で活用したツールの紹介も

ライター:立石美津子
自閉症息子の小学校選び。特別支援学校に進学、小3で特別支援学級への転校も経験。学校連携で活用したツールの紹介ものタイトル画像

もうすぐ、就学時健康診断の時期がやってきます。発達が気になるお子さんや特性のあるお子さんの親御さんは、小学校進学を前に、わが子の進学先は通常学級か、特別支援学級か、特別支援学校なのかを悩む時期ではないでしょうか。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

息子の場合

私の息子は知的障害を伴う自閉症です。現在20歳、療育手帳(愛の手帳)を所持しています。就労移行支援事業所まで一人で電車を乗り換えながら通所することや、簡単な家事手伝いは行うことができます。一方、こだわりが強く、時にはパニックを起こして暴れることもあります。
息子は、小学校入学前、知的障害があること、着替えなどの身辺自立がまだ出来ていなかったこともあり、特別支援学校への進学を選択しました。知的障害があるのに小学校、中学校を通常学級のカリキュラムの中で過ごしてしまうと、出来るようになるであろうことも身につかない恐れがあると考えたからです。息子の障害の程度を考えたとき、教員数と担当児童数の割合にも不安がありました。
通常学級、特別支援学級、特別支援学校の比較図
通常学級、特別支援学級、特別支援学校の比較図
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※個別の教育支援計画・個別の指導計画については、通級による指導の対象者も策定義務あり
※自治体の予算により、担任以外に補助員がつく場合もある
※特別支援学校教員免許支持率は全国平均であり、地域によっても異なる
参考:令和2年度特別支援学校教員の特別支援学校 教諭等免許状保有状況等調査結果の概要 | 文部科学省
https://www.mext.go.jp/content/20210308-mxt_tokubetu01-000013247.pdf
参考:特別支援教育資料(令和元年度)第一部データ編 | 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1406456_00008.htm
特別支援学校に入学してみると息子のクラスは教員2名に対し児童5名でした。すぐに個人面談があり、個別の教育支援計画と個別の指導計画が作成されることになりました。

私から「靴ひもを結ぶ練習をさせたいので、蝶結びをマスターさせたい」と伝えると、個別の指導計画の中に“紐結びを習得させる”と記載されました。

担任の先生は息子のために教材を作り、毎日個別学習の時間で練習させてくれ、2週間でできるようになりました。
息子の学級の担任の先生が作成した教材
息子の学級の担任の先生が作成した教材
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特別支援学級のある小学校へ転校

小学2年生のとき、東京都の指導主事の巡回があり「そろそろ特別支援学級に転校させてもいいのではないか」と言われ、近くの公立小学校の特別支援学級に3年時から転校しました。

息子のように特別支援学校に入学をしても、発達の様子に合わせて、途中から特別支援学級のある小学校に転校することもあります。我が子の状態や教員数、支援内容の情報を集めて、子どもに合った環境を選択をするのが良いと思います。

知的障害がない場合

現在の制度では、知的障害を伴わない発達障害児の場合、情緒障害特別支援学級への入級をすすめられることがあります。知的障害がない場合は、知的障害特別支援学級への進級は認められない場合があるので注意が必要です。

通常学級に在籍し、通級や特別支援教室(東京都の制度)を利用している場合、“個別の教育支援計画・個別の指導計画”が立てられます。これらを利用していない場合は個別の教育支援計画の作成は学校側に義務化されていませんが、診断があれば作成していただけるよう学校に申し入れることもできます。また、通級制度の利用を検討することもできます。
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