受験勉強で使った「年号の覚え方」と同じ

どうして、これらの教え方で正しい筆順をマスターできるのか、考えてみました。それは子どもたちの印象に残りやすいからだと思います。

歴史の年号を語呂合わせで覚えた経験が私にもあります。例えば、「遣唐使が廃止されたのは894年」と覚えても忘れてしまうので、「船酔いで吐くよ(894)、遣唐使廃止」と覚えました。

個人の経験に結びつけながら覚えるエピソード記憶をうまく活用しながら覚えるのもいいと思います。子どもに文字を教えるときは、印象深くて面白い教え方を工夫することで、勉強を苦行にしないですむのではと感じます。

添削の仕方の工夫

添削のしすぎも避けたいものです。子どもはダメ出しをされすぎると、学習意欲をなくしてしまうからです。
真っ赤に添削された「ほ」
Upload By 立石美津子
子どもの書いた文字を真っ赤っかになるまで添削するのではなく、書かれた中で一番うまく書けた文字を見つけて花丸をしてあげると、子どもは意欲的に文字を練習するようになると感じています。
よくできた文字にはな丸を付ける例
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こんな歌を作ってみました。自分が言われる側になったらと想像したら…子どものやる気を引き出す関わり方ができるのではないかなと思います。

「0点とったら怒鳴られて
30点とっても怒鳴られて
60点とったら 平均点以下だと 怒られて
90点とったら、”なんでこの10点 取れなかったんだ”と叱られて
やっと100点取れたら「これを維持しなさい」と釘を差された!

ああ何をやっても 僕の母さんはダメだし母さん
ああ、僕はゴールの見えないマラソン選手
これじゃ、人生楽しめない!」

執筆/立石美津子

(監修者・井上先生から)
文字は読めても書くのに苦労するという話は、学齢期のお子さんの相談を受けている中でよく上がってきます。
ひらがなの学習などでつまづかない工夫はとても大事です。修正の仕方も大切で、消しゴムで消すことが不器用で苦手なお子さんや、消してから書き直すことに抵抗感があり新しいプリントを使ったほうが学びやすいお子さんなどもいます。学校の先生方にも理解が広まり、宿題の出し方などにも工夫があるとよいと思います。ご家庭でも、タブレットやパソコンなどで合理的配慮をお願いする前に、今回紹介されたような覚えやすい工夫を試し、お子さんに合う方法を見つけるのも大事だと思います。

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