学習障害・限局性学習症の原因は?読み・書き・計算に困難の理由を理解してサポートーーマンガで学ぶLD・SLD【専門家監修】

ライター:マンガで分かる発達障害のキホン
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マンガで学ぶ学習障害。学習障害(LD)の原因について解説します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の原因は?

学習障害(LD)/限局性学習症・限局性学習障害(SLD)の原因は、中枢神経のトラブルによる先天的な脳機能障害であるといわれています。視覚認知、音韻認識、書く動作、ワーキングメモリーなど、子どもの得意不得意に合わせたサポートが必要です。
「学習障害・LD/限局性学習症・限局性学習障害・SLDの原因って何ですか?」と聞く保護者の様子。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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学習障害・LD/限局性学習症・限局性学習障害・SLDの原因は先天的な脳機能障害、脳機能の偏りが学習上の得意・不得意になって現れた中枢神経のトラブル、などといわれています。親の育て方が悪いなどではありません。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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学習障害・LD/限局性学習症・限局性学習障害・SLDのある子どもの悩みや背景は、一人ひとり違います。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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学習障害・LD/限局性学習症・限局性学習障害・SLDのある子どもには、文字入力のためのキーボード、タブレット学習、ユニバーサルチョークを使用するなど、一人ひとりの悩みに合わせた工夫を見つけ、その子の特性に寄り添ってサポートすることが大切です。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
イラスト/かなしろにゃんこ。
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学習障害の原因は、医学的にはまだはっきりとは解明されていませんが、以下のようなことが研究から分かってきています。
※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。
学習障害・LD/限局性学習症・限局性学習障害・SLDの原因は、先天的な脳機能障害によるもので、なぜその脳機能障害が起きるかは未解明です。成長・発達過程のどこかで脳機能の偏りが学習上の得意・不得意になって現れるといわれています。中枢神経のトラブルが症状を起こすという仮説が有力で、親の育て方が悪いなどの心因論は医学的に否定されています。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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中枢神経は脳や脊髄、体のさまざまな部分の働きを指令する部分です。学習障害の症状は、情報を伝達し処理する脳の機能がスムーズに働いていないことで引き起こされると考えられています。

学習障害の症状・困難の理由を理解しよう

◆見え方に偏りがある「視覚認知」の問題
じっと見つめたり、視線を上手に動かすことが困難で、行を飛ばして読んだり黒板の文字を写すのが苦手な場合があります。見た情報を脳が処理する視覚認知の機能が弱く、文字を認識するのが難しいこともあります。

また見え方に特性があり、文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまうという人もいます。
見え方に偏りがある「視覚認知」の問題の例。文字がぼやける、黒いかたまりになって見える、逆さまに見える、歪んで見えるなど違った見え方になってしまうという人もいます。(監修:鳥取大学教授、専門行動療法士、自閉症支援士エキスパート、公認心理師 井上雅彦先生 )
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◆音韻認識が苦手
文字と音を結びつけるのが難しいため、音声を聞いて文字を書いたり、文字を見て即座に読み上げるのが難しいことがあります。

◆書く動作が苦手
文字を書くという動作自体が苦手です。脳内で身体に指示を出し手を動かすという伝達機能がうまくいっていないからだという説が有力です。文字を揃えて書く、バランスを考える、筆圧を調整する、文字間の距離感を取るなどが苦手です。そのため、筆算の際に桁がずれることも多くなり、間違えやすくなることもあります。

◆ワーキングメモリーの弱さ
一度にいろいろなことをするのが苦手で、聞きながら書く、読みながら意味を考えるなどが難しいこともあります。記憶するのが苦手な場合、漢字の形や読み方をなかなか覚えられないこともあります。記憶や推論することが苦手だと、数字そのものの概念、規則性、推論が必要な図形の領域を認識するのが難しかったり、文章題を読み、意味を理解することや、グラフや表、図形などからイメージすることが苦手だったり、算数障害につながることもあります。

その子の困難の背景を考え、寄り添ってサポートを

苦手さの理由や原因は一人ひとりのケースで違います。その子がどこに困難を感じているのか、またその理由はどこにあるのかを観察してみるとよいでしょう。環境を調整したり、やり方を工夫したりすることで対処法が見つかることがあります。

現在は、見分けやすいチョークやユニバーサルフォント、音声読み上げ機能のある電子教科書、タブレットやキーボードなど、学習障害のある子をサポートする道具や機器もあります。その子がうまくいきやすい方法があれば、学校での合理的配慮を求めることもできますので、ぜひ、学習障害について理解を深め、サポートしていきましょう。
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