自閉症息子の激しすぎる癇癪に、母は迷走!声がけ、テレビ断ち、食生活変更。でも何より必要だったのは…

ライター:ぼさ子
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2歳を過ぎたころからほぺろうの癇癪が激しくなり始め、さすがに様子がおかしいと思いつつもまだ発達障害の可能性を信じたくなかった私。なんとか癇癪を改善する方法を探そうと、隙さえあればすぐスマホにかじりつく『検索魔』に。少しでも望みのあるものは何でも試し、藁にもすがる思いで食生活の変更を家族に強制するまでになっていました。でも今振り返ると、もっと大切なことはほかにあったと気づきました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

ほぺろう2歳。少しでも癇癪を改善したくて…ネット検索漬けの日々

「この癇癪がおさまるなら何でもいい」と、スマホで検索を続ける母
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自閉症と知的障害のある、わが家の息子ほぺろうは、現在保育園の年長さん。6歳になりましたがいまだに発語はありません。

1歳半健診のときに発達の遅れを指摘されていましたが、言葉の遅れを気にしている余裕がないくらい悩まされたものが『癇癪』。ほぺろうは2歳を過ぎたあたりから癇癪が激しくなり始め、『なだめる・共感する』も一切通用せず抱っこも拒否。眠っているとき以外は朝から夜中まで、一日10回は地雷を踏み、1回につき1時間は泣き暴れる…そんな毎日を繰り返し、ほぺろうも私も心身疲れ果てていました。

こんな大きな困りごとがあるのに当時の私はほぺろうに発達障害の可能性があることを信じたくなくて、「私にできる改善方法はないだろうか」と隙あらばネット検索漬け。暴れ疲れてようやくほぺろうが眠ってくれたとき、私も疲れているのだから寝ればいいのに、チャンスとばかりにスマホにかじりついては検索。疲れているのに頭はさらにフラフラになり、取り憑かれているかのように『検索魔』になっていました。
息子が眠ると、チャンスとばかりにスマホにかじりついては検索し疲れ果てる母
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ネットから得た情報を何でも試しました。声かけや接し方のみならず、コミュニケーションを増やすためにテレビを一切視聴しなくしたり…。でもほぺろうには響かず、ついには『食生活の変更』まで。

迷走。約1年続けるほど必死だった

そのときよく目にしていた情報の一部ではありますが、それを元に私は『いくつかの食材を断つ』という取り組みをしました。ほぺろうがほしがるといけないので夫にも協力してもらいましたが、今までの食生活を変えることは大人でもストレスを強いられるし、偏食のほぺろうにとってはさらにに食べられるものが狭まってしまう。それでも「この癇癪がおさまるなら…」と私は続けました。

レシピ本を購入したり、ほぺろうのおやつもなるべく手づくりしたり(しかも午前と午後)、何をほぺろうに食べさせたら良いのだろうということばかりで毎日頭がいっぱい。当時お世話になっていたデイサービスにまで、おやつの出し方に条件を出して協力をお願いしていました。

そんな生活を約1年続けました。ズボラな私がそこまでするなんて今では想像できません。それだけ必死だったんだと思います。とにかく「あのとき取り組んでおけば良かった」という後悔はしたくなかったのと、ほぺろうのためにやれることは何でもやらなきゃとガムシャラだったのです。
食生活を変えることについて、夫やデイサービスの先生に協力依頼をする母
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迷走を続けた結果、今は…

約1年そんな生活を続けましたが、結果ほぺろうの癇癪に何ら変化はありませんでした。保育園に入ったあたりから、給食を選り好みしてる場合でもなかったし、何より食材制限に縛られる私が疲れてしまって、やめました。

制限を強いられる生活を続けたことで疲れ果てはしましたが、時間の無駄だったとは思っていません。ほぺろうには効果がなかったと実証できたし「あのときやっておけば…」という後悔にはならなかったので、今はスッキリしています。

でも、当時の私に言いたいことがあります…。
次ページ「当時を振り返り、大切だと思うこと」

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