ADHD息子を「褒めて伸ばす」なんて無理!と思ってたけど…。わが家が落ち着いた、自己肯定感を育てる関わり方

ライター:かなしろにゃんこ。
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褒めて伸ばす育児がよいと分かっていても最初は全くできなかった、というか褒め方を知らなかった母ですが、
発達障害は悪いことじゃない!?社会で活躍する発達障害の先輩たちの話を伝えたり一日一回肯定的な声かけをするようにしていったら子どもが明るくなっていきました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

子どもを褒めて伸ばすのがよいと言うけれど

褒めて伸ばす子育てと言われてもイメージができない母
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ADHDと広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)の診断を受けたのは小4のときでした。息子の療育などを通して、褒めることで自己肯定感が育まれることを知り「なるべく気をつけて声をかけよう」とは思っていました。ですが、だんだんと反抗期に突入していった息子はイライラしていることが多く、特性から忘れ物やなくし物も多いことで私もイライラしてしまい、息子を素直に褒められないことが多くありました。
絶賛反抗期中の息子、どこを褒めたらいいの?
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「褒め方が分からない」「褒めるところが分からない」と思っていた私でしたが、クリニックでペアレントトレーニングを受けていたときに「君は息を吸って吐いているだけで完ぺきなんだ、生きているだけで素晴らしい」という究極の褒めに達したお母さんもいるんですよ!と教えてもらいました。

それを聞いてからは「なんだ、どんな些細なことでも褒めちゃっていいのね!」と思い、素直に息子を褒められるようになっていったと思います。(自画自賛ですけど、笑)
究極の肯定を知り、褒め方はいろいろあると感動する母
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そんなとき、発達障害の自助会で出会った当事者の先輩から親や周りの大人から受ける傷つく言葉に「こんなふうに言われたら嫌!」とか、逆に「親からこう伝えられていたら変わったかもしれない」など、いろいろな話を聞きました。
(※事前に掲載の許可をいただいております)

そこで聞いたこんな意見が印象に残りました。

「子どもの意見になんでも反対しないでほしい」

「親の言う通りの進路を歩めないからといって全否定しないでほしい」

「わざとらしく褒めないでほしい」

「偉人=発達障害というケースを比べて自分に期待しないでほしい」

大人が放った言葉一つで心が大きく揺れてしまうことがあるのだと知り、息子への声かけにも応用してみようと思いました。

息子に合った「自己肯定感を育む関わり方」とは

「あなたの意見尊重します」作戦!
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そして、息子が小5年生くらいのときから自己肯定感を育むために「リュウ太の意見尊重しますよ!」作戦をスタートしました。
それは、息子が言った「意見」に乗っかること。夕飯何が食べたいか聞いて「オムライスがいい」と言ったら、私は「リュウ太のそのアイデアいいね!オムライスにしよう!」と息子に夕飯のメニューなどを決めてもらうことにしました。意見に賛成する言葉を伝えると息子は嬉しそうでした。

また、それまで褒めるとき私は手をたたいて褒めていたのですが「その言い方マジキモイ」と息子に言われてしまったので、高学年になった息子に合わせてクールな、さりげない言い方に変更しました。「お!ソレいいじゃん」や「カッコイイね」とか「へ~うまいじゃない、やるね~」など。そのほうが本心で肯定している感じに伝わると思いました。
一日1回肯定的な声かけをしてみました
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息子が大人になってから言っていたのですが「大げさに褒める言い方は、オレにヤル気を出させるために褒めてる感が伝わってきて本心じゃないなって思ってた」と。

年齢や性格によっては、絶賛よりも同意程度がいいのね~と息子から教わりました(笑)

当事者の先輩の意見であった「偉人=発達障害と比べられたくない」というものに対しては、私はあえて使ってみることにしました。息子に偉人のようになれ!とは思っていないので、「こんな人もいるんだって」程度に起業する社長さんや研究者、芸能界などアイデアや瞬発力が必要な分野で活躍している発達障害がある先輩たちの話をしました。
特性を生かして活躍する方々の話を息子にする母
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ADHDがあるから失敗を恐れず再チャレンジができることや、豊かな発想を発信できること、好奇心旺盛で気になったらコツコツ探求、研究ができる能力があることなど、発達障害のいいところをたくさん伝えました。

息子が誇らしげに聞いてくれたことが嬉しかったです。

子どもを褒めようと意識するようになったときに、(うちの子、褒めるところがこんなに少ないなんて…)って思ってこともありましたが、息子と話しているうちに「この子にもいいところいっぱいあったわ!」と気がついていきました。
息子にはいいところがいっぱいあった!と気づく母
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短所と思っていたところも、見方を変えると長所だった!
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細かいことを気にしないで失敗しても「いっけね☆」とクヨクヨしないところなどは、本来いいところ! 忘れ物なくし物が多いマイナス面と同じくらいいいところもある!今では、「発達障害がいけないわけじゃない、世の中に発達障害があるからこそ新しい物づくりや産業が栄えたかもしれないよね!」なんて話も親子でしています。

初めのうちは発達障害の悪いところばかり見てしまったいた私ですが、徐々に考えを改めて息子自身のいいところに注目できるようになっていったような気がします。息子の自己肯定感も中学からはそんなに下がることがなく、明るくのびのびと好きなことを好きなだけやる人に成長できたんじゃないかな~って思います。

執筆/かなしろにゃんこ。
(監修:井上先生より)
思春期になると、褒め方も年齢に合わせて変わっていきますよね。子どもの話を最後まで聞き、受け止めることはすばらしいことです。たとえ、子どもの意見が間違っていたとしても一旦最後まで聞き受け止めることが「褒めること」以上に大切だと思います。
また、かなしろさんのように見方を変えることで子育ても随分楽になると思います。子どもが言われて嫌なことは障害があってもなくても同じかもしれません。子育てをする保護者みなさんが応用できることだと思いました。
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