おうち療育は楽しむのがカギ!くじ引きおやつやこたつクイズで、感覚統合も…!?

2022/01/24 更新
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寒い冬におうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ手軽なアイデアをご紹介。うちでは家庭でできる療育あそびを、無理なく楽しみながらできる工夫をしながら続けてきました。おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にか適応力が高まっていったように思います。うちの経験上、スグには結果が出ない療育を、おうちで親子で気長に続けるコツは、日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうことでした。

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楽々かあさん
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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

おうちで手軽にできる方法が、療育あそびを気長に続けられるコツ

こんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。
今回のコラムは、おうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ、寒い冬にオススメの手軽で楽しい手探りあそびをご紹介しますね。

うちの子たちが幼かったころは、身近に頻繁に通いやすい療育施設などがなかったこともあり、私は独学で「感覚統合」に関する書籍等を参考に(※)、子どもの興味・関心や、親の都合やライフスタイル、住宅事情などに合わせて、家庭でできる療育あそびを無理なくできる範囲で取り組みやすいようにアレンジし、手軽に楽しみながらできる工夫を試行錯誤して気長に続けてきました。
おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にかできることが増えたり、落ち着きやすくなったり、学校で得意分野での実力が発揮しやすくなったりして、総合的な適応力が次第に高まっていったように思います。

ただし、うちの経験上、「療育」というのは、そんなにすぐに結果がでるようなものではないように思います。
そして、親のほうも毎日慌ただしい中で、まとまった時間を療育のために確保するのは負担やプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。
ですから、療育は日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうのが、親子で負担なく、長期間根気よく、楽しみながら続けられるコツだと思っています。
ちなみに、うちの「療育あそび」の実践モットーは、「さり気なく」「ついでに」「いつの間にか」なので、3人の子どもたちは「療育されている」ということに、全く気づいていませんでした。

……とはいえ、実は「療育」は、そんなに特別なことではありません。
私自身は、「世の中の大半のあそびは、何かしらの療育になっている」と考えているほどですが、家庭で実践する際の2大ポイントは、
・興味の幅の狭い子に「楽しみながらいろんな動きを継続的に経験させていくこと」
・子どもがあそびに興味を持ったら「できるだけ気長につき合って(または見守って)あげること」
 でした。

(※参考書籍:『感覚統合をいかし適応力を育てよう1.発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』監修・木村順/講談社、『発達障害のある子どもの運動と感覚遊びを根気よくサポートする!』監修・木村順/日東書院、ほか多数)

触覚過敏のある子や不器用な子には、手探りあそびがオススメ!

では、うちで実際にやってきたたくさんの療育あそびのアイデアのうち、今回は「手探りあそび」をピックアップ。
手探りあそびは、どんな子にとっても楽しいあそびだと思いますが、特に、肌が敏感で触るのが苦手な素材がある子や、手先が不器用でおはしやコンパスがうまく使えない子などにオススメです。
うちの次男も、小さなころは、本当は工作が大好きなのにのりや絵の具が触れませんでしたが、(このあそびだけで全てが緩和・改善したわけではないものの)いつの間にか、触れても大丈夫になったものが増えたように思います。

では、毎日の日常生活の延長線上で手軽にできる、寒い冬にオススメな楽しい手探りあそびを紹介します。

おやつタイムを「お菓子くじ」で楽しく……

ケーキの空き箱を再利用した「くじ引きBOX」。くり抜いた穴から手探りで個包装のお菓子などをつかむ
ケーキの空き箱を再利用した「くじ引きBOX」
Upload By 楽々かあさん
おやつタイムを「お菓子くじ」形式にするだけで、毎日楽しく手探りあそびができます。
もし、おうちにケーキやお歳暮の空き箱などがあれば、簡易的な「くじ引きBOX」にリメイクするのはどうでしょう。

【作り方】 箱の上面を丸くくり抜いて、不透明クリアファイルなどを三角形に切って、裏側から両面テープで貼り付ける

そして、個包装のアメやクッキー、おせんべいなどの小さなお菓子などを沢山入れて、「1人3個まで、取っていいよ」などとすると、自分の好きなお菓子をなんとか探り当てようと、真剣に指先の感覚を研ぎ澄ませて手探りしてくれます(欲しいものを間違って取ると泣いちゃう場合は、あとからきょうだいや親のお菓子とトレードOKにすると、ついでに交渉力もUPするのでGood!)。
この「お菓子くじ」は、うちにあそびに来た子どものお友達にも大人気で、みんなで盛り上がっていました。

ほかにも、ガチャガチャで集めたモンスターのミニフィギュアなど、その子が大好きなものを入れて、どのキャラクターか手探り当てっこゲームをしたり、スーパーボールなどを詰めて、その中から小さな人形をレスキューごっこしたりと、「くじ引きBOX」を1回作っておくと、子ども自身のアイデアで勝手にいろんなあそびに発展していくことも。

また、「工作は苦手」「作るのが面倒」という方は、巾着袋やナップザックなどでも同様のことができます。それから、たとえば荷物で両手がふさがっているときなどに、「ママのポケットから、カギを取ってくれない?」など、日常生活の中で、ちょっとした手探りを促す声かけを意識してみるだけでも、いつかはチリも積もれば山となるかもしれません。

お風呂にドボン!不透明入浴剤

小さなお子さんとのお風呂タイムも、不透明の入浴剤などを入れるだけで、手探りあそびがついでにできてしまいます。
ただし、感覚が敏感な場合には、ニオイや色、素材などに抵抗感がないものを選んでいただければと思います。水の中が見えないとお子さんが不安になる場合は、最初は半透明の入浴剤から始めて、ゆっくり慣らしていくといいでしょう。

そして例えば、うちでは……
・お風呂の中に沈んでいったおもちゃや石鹸などを、手探りでつかまえる
・指などを動かして、水中かくれんぼ(ときどき、水面からチラッと見せると盛り上がるかも)


……などを、親・きょうだい同士でときどきやっていました。
最近は、いろんな種類のバスボム・バスボールも市販されていて、中に小さなおもちゃやマスコットの入ったものや、カラフルなもの、泡がいっぱいでるものなどもありますし、簡単にできる手作りキットなどもあるので、お風呂があんまり好きじゃないお子さんも、あそんでいるうちに、ゆっくり湯船で体の芯まで温まることができるかもしれませんね。

また、お風呂ついでにできる、「なーんて書いた?」と、背中に文字を書いて当てるクイズや、いろんな素材で身体を洗ってみることなども、触覚の過敏さを緩和し、ボディイメージを育ててくれるようです。

ただし、もし、お子さんが、こういった触れ合いあそびに抵抗感があったり、刺激が強過ぎてしまう場合には、無理のないところからで構いません。
最初は「パパの背中に落書きしていいよ」などと、お子さんのほうから自分のタイミングで触ってもらい、あそび自体に慣れてから、目で確認できる手のひらなど、大丈夫な場所からゆっくり始めたり、服を着ているときにちょっとだけトライしてみるのもテだと思います。

ぬくぬくコタツや毛布で、タッチングクイズ

日本の冬といえば、コタツとお茶とみかん、ですよね。
コタツの中は、闇鍋のようなブラックボックスの空間となっているので、ぬくぬくタイムのついでのついでに、指先だけでなく、全身でちょっとした感覚あそびをするのにうってつけではないでしょうか。

例えば、うちでは……
・足の指先で、子どもにちょんと触れて「だれの足かな〜?」「これは、〇〇ちゃんのどこだろね?」と当てっこ
・「はい、みかん、受け取って」などと、コタツの下をくぐらせて、手探りでものを渡す
・足の裏などをこちょこちょする、くすぐり遊び(刺激を強く感じる場合は、くつ下をはいてる時から慣らすとGood!)


……などと、ちょっとしたあそびのヒントやきっかけを与えると、今度は子どものほうから、いろんな方法でタッチングクイズのアイデアを次々と考えてくれました。
とはいえ、昨今コタツのないご家庭も多いでしょうし、見えないことへの不安感が強いお子さんなどは「コタツに入るのが怖い」という場合もあるでしょう。そんなときは、使い慣れた毛布やひざ掛けなどを使っても同様のことができるので、無理のない範囲で、ちょっとしたスキマ時間に「ついでに」「楽しく」、タッチングクイズのチャンスを見つけていくといいと思います。

現在は、子ども達もすっかり大きくなって、家族みんなでコタツに入ると足を伸ばすスキマもなくなってしまいましたが、今でも毎年コタツを出すと「ワクワク感」があるようなので、小さなころの楽しいコタツあそびの思い出が記憶に根づいているのかもしれません。

おうちでの療育あそびは、子どもが笑えばOK!

感覚過敏の中でも、特に触覚過敏の問題は、親子の愛着関係や周りへの興味などの発達にも影響があるようなので、私はうちの子たちの発達面の課題の中でも優先順位を高くして、家庭でできるときにできる範囲で、手軽な感覚あそびを続けてきました。
また、療育あそび以外にも、日頃から日常生活の中で、自然な流れでちょっとしたタッチやスキンシップをキモチ多めに取るようにも意識してきました。
触覚の過敏さが少しでも緩和されると、子どもが落ち着きやすくなり、お世話もラクになるので、子育ての上でもメリットが多かったように思います。

ただし、療育はなかなか結果が出ないと不安や焦りが強くなりますし、子どももプレッシャーを感じ取ってしまうと、どんなに良い方法でも、主体的に気長に続けられなくなってしまうかもしれません。
ですから、親のほうも「トレーニングしなくては!」「改善しなくては!」などと気負わずに、家庭での療育は、あそびの延長として、「子どもが笑ったら効果あり!」くらいの気持ちでいると、たとえお子さんが期待通りに取り組めなかった場合でも、気長に続けられるのではないでしょうか。

そして、温かいイメージと一緒に刻んだ、毎日の生活の中での親子のちょっとしたふれあいの思い出は、子どもが成長して少々取り扱いが難しい時期になってからも、その子の心や親子関係の根っこを支えてくれるのだと、私は最近よく実感するようになりました。

たとえスグに結果がでなくても、あれこれと親がやってみたことは、ちゃんとお子さんの成長の栄養になっていますからね。
文:大場美鈴(楽々かあさん)
(監修・井上先生より)

大場さんの書いておられるように、触覚あそびの中でのアタッチメントは親子の関係性を深めるのに有効なやり方だと思います。 療育やトレーニングは、自然なあそびのなかに入れ込んで行えることもたくさんあります。ソーシャルスキルトレーニングなどで行うロールプレイなども、日常生活の中で自然な形で機会をつくることができます。日常生活の中での機会設定は、般化しやすいというメリットもあります。
わが家では、子どもが小さいころは「宝探しゲーム」をよく行っていました。絵や文章を手掛かりにおもちゃを探すゲームです。ヒントの出し方によっては概念理解も進む(例えば、「れいぞうこの下」という空間概念など)あそびです。子どももわくわくしながら一緒にあそんでいましたよ。(新型コロナ等の影響で)家から出られないときの遊びとしてもお勧めです。

このコラムを書いた人の著書

発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換
大場美鈴 (著)
あさ出版
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