園や学校に「ほんの少しのサポート」をお願いしたい時、どうすればいい?
2016/06/13 更新

明確な診断のないグレーゾーンの子も、「特別な支援、特別な配慮」までは必要なくても、ほんの少しの周囲の理解と「さり気ない」合理的配慮で、学校・園が随分楽になる、というお子さんは多いのではないかと思います。楽々かあさんが今までやってきた、園・学校に「さり気ない」配慮をお願いするコツをお伝えします。

楽々かあさん
67645
View
グレーゾーンの子は、「皆と同じ」ように求められる事が多く、当たり前のようなことをものすごく頑張っています。
うちの次男もそんなタイプで、聴覚と触覚の感覚過敏があり、がんばり過ぎてときどき疲れをためてしまうことがあります。
診断のある長男には「努力では乗り越えられない壁」がありますが、ガマン強い次男には「努力でギリギリ乗り越えられてしまう壁」があります。
ほんの少しの理解と配慮で、がんばり過ぎてしまうグレーゾーンの子の負担を減らしてあげることができます。
そのために、私がやってきた、学校や幼稚園の先生に「さり気ない」配慮をお願いしてゆくコツをお伝えしますね。
うちの次男もそんなタイプで、聴覚と触覚の感覚過敏があり、がんばり過ぎてときどき疲れをためてしまうことがあります。
診断のある長男には「努力では乗り越えられない壁」がありますが、ガマン強い次男には「努力でギリギリ乗り越えられてしまう壁」があります。
ほんの少しの理解と配慮で、がんばり過ぎてしまうグレーゾーンの子の負担を減らしてあげることができます。
そのために、私がやってきた、学校や幼稚園の先生に「さり気ない」配慮をお願いしてゆくコツをお伝えしますね。

関連記事
合理的配慮とは?考え方と具体例、障害者・事業者の権利・義務関係、合意形成プロセスについて

関連記事
「合理的配慮」を学校にお願いする前に、やっておきたい3つのこと
まず、子どもの話をじっくり聴いて、問題を絞る
まずは、親が子どもの話を否定せずにじっくり聴いてみます。
例えば、朝、次男が「今日の給食がイヤだ」と言って登校をしぶっていたら、「みんな嫌でもガマンして食べているんだよ」なんてお説教してしまうと、そこで話が終わってしまいます。
感覚の過敏性がある場合、一見「ワガママ」に思えることも、本人にとっては「耐え難い苦痛」という場合もあります。
それが本当にワガママで言っていることなのか、体質的にハードルの高いことなのか、話をよく聴いて確かめる必要があります。
こんな時、私は次のように共感的な態度・口調で次男に話を聴いてみます。
【聴き方の例】
母「そうかあ、給食イヤなんだね。今日の給食の何がイヤ?」
次男「・・・炊き込みごはん」
母「そうなんだね。炊き込みごはんの何がイヤなの?」
次男「・・・(大嫌いな)コンニャクが、どこに入ってるか分からないんだもん(泣)」
母「コンニャクかあ。確かに、◯次郎は鳥肌が立つくらいイヤだよね〜。じゃあ今日は行くだけでも100点だから、おやつに好きなものを買っといてあげる。何がいい?」
という感じで、原因になることを絞っていきます(実際の会話は、もっと時間がかかります)。
イヤな気持ちも肯定的に聴きながら共感してあげると、それだけで気持ちが軽くなり、家で問題解決してしまうことも多いです。
(うちでは、給食の苦手メニューの時は、おやつリクエストや、ガマンポイントなどの「ごほうび設定」で乗り切れることもあります)
例えば、朝、次男が「今日の給食がイヤだ」と言って登校をしぶっていたら、「みんな嫌でもガマンして食べているんだよ」なんてお説教してしまうと、そこで話が終わってしまいます。
感覚の過敏性がある場合、一見「ワガママ」に思えることも、本人にとっては「耐え難い苦痛」という場合もあります。
それが本当にワガママで言っていることなのか、体質的にハードルの高いことなのか、話をよく聴いて確かめる必要があります。
こんな時、私は次のように共感的な態度・口調で次男に話を聴いてみます。
【聴き方の例】
母「そうかあ、給食イヤなんだね。今日の給食の何がイヤ?」
次男「・・・炊き込みごはん」
母「そうなんだね。炊き込みごはんの何がイヤなの?」
次男「・・・(大嫌いな)コンニャクが、どこに入ってるか分からないんだもん(泣)」
母「コンニャクかあ。確かに、◯次郎は鳥肌が立つくらいイヤだよね〜。じゃあ今日は行くだけでも100点だから、おやつに好きなものを買っといてあげる。何がいい?」
という感じで、原因になることを絞っていきます(実際の会話は、もっと時間がかかります)。
イヤな気持ちも肯定的に聴きながら共感してあげると、それだけで気持ちが軽くなり、家で問題解決してしまうことも多いです。
(うちでは、給食の苦手メニューの時は、おやつリクエストや、ガマンポイントなどの「ごほうび設定」で乗り切れることもあります)
先生に「さり気ない」配慮をお願いする時のポイント
子どもの話を聴き、まずは家でできることをやってみて、それでも乗り切れない場合には、担任の先生に連絡帳や口頭で「さり気ない」配慮をお願いしています。
その時に、
・感覚の過敏性や、苦手な作業や行動の「具体的な事実」の例
・子ども本人の気持ちや意欲と、「ここまではできる」こと
・具体的な「家では◯◯するとできる」という対応例や、声かけなどで、先生が手軽にできそうなこと
を、「ご配慮頂けると助かります」「お手数おかけしますが、よろしくお願い致します」と、丁寧にお願いしながら伝えています。
感覚の過敏性や、不器用さからくる作業の困難さ、本人の気持ちなどは、
他の人には想像しにくく、言わなければ伝わらないことも多いのです。
私が遠慮し過ぎている間に、本人がひたすらガマンや無理をして、疲れを溜めてしまっていることもあります。
子どもの負担感が長期的に続くと、学校や園を休みたがることが増えたり、マイナスイメージが膨らんでしまう可能性もあります。
先生とこまめに連携することで、子どもへの理解を得ながら、負担感を軽減してあげることができます。
その時に、
・感覚の過敏性や、苦手な作業や行動の「具体的な事実」の例
・子ども本人の気持ちや意欲と、「ここまではできる」こと
・具体的な「家では◯◯するとできる」という対応例や、声かけなどで、先生が手軽にできそうなこと
を、「ご配慮頂けると助かります」「お手数おかけしますが、よろしくお願い致します」と、丁寧にお願いしながら伝えています。
感覚の過敏性や、不器用さからくる作業の困難さ、本人の気持ちなどは、
他の人には想像しにくく、言わなければ伝わらないことも多いのです。
私が遠慮し過ぎている間に、本人がひたすらガマンや無理をして、疲れを溜めてしまっていることもあります。
子どもの負担感が長期的に続くと、学校や園を休みたがることが増えたり、マイナスイメージが膨らんでしまう可能性もあります。
先生とこまめに連携することで、子どもへの理解を得ながら、負担感を軽減してあげることができます。
具体的な伝え方の例
では、実際に、私がどうお願いしてきたかの一例を挙げますね。
幼稚園の頃、砂や、のり、絵の具が触れなかった次男。
ある日、登園を嫌がるので理由を聴いたところ、その日行われる「フィンガーペインティング」という、のりに絵の具を混ぜ、指につけて直接紙に書く課題を、とても不安に思っているようでした。
そこで、登園して次男をお預けする際に、担任の先生に直接こんな風にお話しました。
【伝え方の例】
「おはようございます。お忙しい所すみませんが、ちょっとだけお話よろしいでしょうか。
◯次郎が今朝、「行きたくない」というので、理由を聴いたら、
工作はとても好きなのですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです。
◯次郎は、触るのが苦手なものがいくつかあって、
のりや絵の具は、筆などの道具を使えば大丈夫なんですが、
もし参加が難しければ、見学などのご配慮をお願いできないでしょうか?」と伝えたところ、
先生は「そっかあ、◯次郎君、そんなにイヤだったんだね〜。先生知らなかったよ〜」と話しかけ、
「無理しなくてもいいよ〜。でも、もし、できそうだったら筆でもいいから挑戦してみようか?」とおっしゃって下さいました。
小さくうなずいて、教室に入れた次男。
後で迎えに行くと、先生が「お母さん!今日◯次郎君、すごくがんばれましたよ!」
と、次男が指一本だけ、絵の具入りののりに触れたことをご報告下さいました。
(おそらく先生に何も伝えなければ、それを本人が「すごくがんばってできたこと」とは気づかれなかったでしょう)
その後も、工作でのりを使う時は先生がちょこっと手伝ってくれたりと、さり気なく気遣ってくれました。
おかげで、卒園の頃には、次男はのりと絵の具が大丈夫になり、大好きな工作を「ぜんぶ自分でできた!」と、嬉しそうに見せてくれました。
幼稚園の頃、砂や、のり、絵の具が触れなかった次男。
ある日、登園を嫌がるので理由を聴いたところ、その日行われる「フィンガーペインティング」という、のりに絵の具を混ぜ、指につけて直接紙に書く課題を、とても不安に思っているようでした。
そこで、登園して次男をお預けする際に、担任の先生に直接こんな風にお話しました。
【伝え方の例】
「おはようございます。お忙しい所すみませんが、ちょっとだけお話よろしいでしょうか。
◯次郎が今朝、「行きたくない」というので、理由を聴いたら、
工作はとても好きなのですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです。
◯次郎は、触るのが苦手なものがいくつかあって、
のりや絵の具は、筆などの道具を使えば大丈夫なんですが、
もし参加が難しければ、見学などのご配慮をお願いできないでしょうか?」と伝えたところ、
先生は「そっかあ、◯次郎君、そんなにイヤだったんだね〜。先生知らなかったよ〜」と話しかけ、
「無理しなくてもいいよ〜。でも、もし、できそうだったら筆でもいいから挑戦してみようか?」とおっしゃって下さいました。
小さくうなずいて、教室に入れた次男。
後で迎えに行くと、先生が「お母さん!今日◯次郎君、すごくがんばれましたよ!」
と、次男が指一本だけ、絵の具入りののりに触れたことをご報告下さいました。
(おそらく先生に何も伝えなければ、それを本人が「すごくがんばってできたこと」とは気づかれなかったでしょう)
その後も、工作でのりを使う時は先生がちょこっと手伝ってくれたりと、さり気なく気遣ってくれました。
おかげで、卒園の頃には、次男はのりと絵の具が大丈夫になり、大好きな工作を「ぜんぶ自分でできた!」と、嬉しそうに見せてくれました。
先生だけでも「分かってくれている」という心強さ
小学校にあがってからも、次男にとってハードルの高いことがあれば、ときどき担任の先生に配慮をお願いしてきました。
(そして、負担が大きい時は、家でも「よくがんばったね」とほめて、なるべく休んだりリラックスできるようにしています)
なかなか他の人には共感しづらい感覚の過敏性や、皆が「できて当たり前」のことを、本当にがんばりながらやっていること。
それを「先生だけでも分かってくれている」と、それだけでも心強いと思います。
グレーゾーンさんは「努力でギリギリ乗り越えながら」、毎日たいへんな凸凹道を歩いています。
ほんのちょっとの理解と「さり気ない」配慮があれば、負担感を減らしながら、だんだんと新しいことに挑戦できたりするんです。
(そして、負担が大きい時は、家でも「よくがんばったね」とほめて、なるべく休んだりリラックスできるようにしています)
なかなか他の人には共感しづらい感覚の過敏性や、皆が「できて当たり前」のことを、本当にがんばりながらやっていること。
それを「先生だけでも分かってくれている」と、それだけでも心強いと思います。
グレーゾーンさんは「努力でギリギリ乗り越えながら」、毎日たいへんな凸凹道を歩いています。
ほんのちょっとの理解と「さり気ない」配慮があれば、負担感を減らしながら、だんだんと新しいことに挑戦できたりするんです。
新著: 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』
発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法
Amazonで詳しく見る >

関連記事
【今日の合理的配慮】#2 息子の通う幼稚園では…
当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。

あわせて読みたい関連記事

発達障害がある子に必要な支援とは?関わり方から、活用できる専門機関や公的サービス、民間資源についても紹介!
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害です。発達障害がある子どもは、その特性による困りごとを抱えることが多くあります。この...
発達障害のこと
15518
view
2020/10/03 更新

カナー症候群(カナー型自閉症)とは?アスペルガーとの違い、症状、年齢別の特徴、子育て・療育法を紹介!
「カナー症候群」とは知能や言葉の発達の遅れ(知的障害)を伴う自閉症の通称です。現在の医学的な診断名としては「自閉症スペクトラム」と呼ばれる...
発達障害のこと
276661
view
2017/06/21 更新
この記事を書いた人
楽々かあさん さんが書いた記事

小言より「親のしくじりエピソード」を話すべし?!学校に行きたくない、ゲームがやめられないわが子へ
子どもが落ち込んでいるとき、親はなんて声をかけたらいいのでしょう。良かれと思って励ますつもりでも、親の立派な武勇伝や学歴自慢、成功体験など...
自分と家族のこと
7377
view
2020/12/18 更新

「ちょっと」「もうすぐ」「しっかり」…その「あいまい言葉」子どもに伝わっていないかも?今日から試せる、楽々かあさんの超・具体的な「声かけ変換術」
「ちょっと待って」「ちゃんとやって」「キチンとして」…こんなアバウトであいまいな言葉がイマイチ伝わりにくい子は案外多いんじゃないでしょうか...
発語・コミュニケーション
8368
view
2020/11/17 更新

かんしゃく・パニックは予防が9割!?修羅場の回避には「3大危険地帯」の心得を...
子どもがひっくり返って大暴れ。どんなにあやしても泣き止まない。とにかくテコでも動かない。もう全てがワヤクチャで手がつけられない!…なんて、...
遊び・お出かけ
15985
view
2020/10/19 更新

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら
コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOメディア&ソリューションズがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOメディア&ソリューションズは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOメディア&ソリューションズの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。