園や学校に「ほんの少しのサポート」をお願いしたい時、どうすればいい?

2016/06/13 更新
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明確な診断のないグレーゾーンの子も、「特別な支援、特別な配慮」までは必要なくても、ほんの少しの周囲の理解と「さり気ない」合理的配慮で、学校・園が随分楽になる、というお子さんは多いのではないかと思います。楽々かあさんが今までやってきた、園・学校に「さり気ない」配慮をお願いするコツをお伝えします。

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グレーゾーンの子は、「皆と同じ」ように求められる事が多く、当たり前のようなことをものすごく頑張っています。

うちの次男もそんなタイプで、聴覚と触覚の感覚過敏があり、がんばり過ぎてときどき疲れをためてしまうことがあります。

診断のある長男には「努力では乗り越えられない壁」がありますが、ガマン強い次男には「努力でギリギリ乗り越えられてしまう壁」があります。

ほんの少しの理解と配慮で、がんばり過ぎてしまうグレーゾーンの子の負担を減らしてあげることができます。

そのために、私がやってきた、学校や幼稚園の先生に「さり気ない」配慮をお願いしてゆくコツをお伝えしますね。
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まず、子どもの話をじっくり聴いて、問題を絞る

まずは、親が子どもの話を否定せずにじっくり聴いてみます。

例えば、朝、次男が「今日の給食がイヤだ」と言って登校をしぶっていたら、「みんな嫌でもガマンして食べているんだよ」なんてお説教してしまうと、そこで話が終わってしまいます。

感覚の過敏性がある場合、一見「ワガママ」に思えることも、本人にとっては「耐え難い苦痛」という場合もあります。

それが本当にワガママで言っていることなのか、体質的にハードルの高いことなのか、話をよく聴いて確かめる必要があります。

こんな時、私は次のように共感的な態度・口調で次男に話を聴いてみます。

【聴き方の例】

母「そうかあ、給食イヤなんだね。今日の給食の何がイヤ?」

次男「・・・炊き込みごはん」

母「そうなんだね。炊き込みごはんの何がイヤなの?」

次男「・・・(大嫌いな)コンニャクが、どこに入ってるか分からないんだもん(泣)」

母「コンニャクかあ。確かに、◯次郎は鳥肌が立つくらいイヤだよね〜。じゃあ今日は行くだけでも100点だから、おやつに好きなものを買っといてあげる。何がいい?」

という感じで、原因になることを絞っていきます(実際の会話は、もっと時間がかかります)。

イヤな気持ちも肯定的に聴きながら共感してあげると、それだけで気持ちが軽くなり、家で問題解決してしまうことも多いです。

(うちでは、給食の苦手メニューの時は、おやつリクエストや、ガマンポイントなどの「ごほうび設定」で乗り切れることもあります)
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「ポイント手帳」にガマンポイントUPなどで頑張れることもある
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先生に「さり気ない」配慮をお願いする時のポイント

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子どもの話を聴き、まずは家でできることをやってみて、それでも乗り切れない場合には、担任の先生に連絡帳や口頭で「さり気ない」配慮をお願いしています。

その時に、

・感覚の過敏性や、苦手な作業や行動の「具体的な事実」の例

・子ども本人の気持ちや意欲と、「ここまではできる」こと

・具体的な「家では◯◯するとできる」という対応例や、声かけなどで、先生が手軽にできそうなこと

を、「ご配慮頂けると助かります」「お手数おかけしますが、よろしくお願い致します」と、丁寧にお願いしながら伝えています。

感覚の過敏性や、不器用さからくる作業の困難さ、本人の気持ちなどは、
他の人には想像しにくく、言わなければ伝わらないことも多いのです。

私が遠慮し過ぎている間に、本人がひたすらガマンや無理をして、疲れを溜めてしまっていることもあります。

子どもの負担感が長期的に続くと、学校や園を休みたがることが増えたり、マイナスイメージが膨らんでしまう可能性もあります。

先生とこまめに連携することで、子どもへの理解を得ながら、負担感を軽減してあげることができます。

具体的な伝え方の例

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次男・作「おうち」。先生の手助けなしで、のりを使って自分で最後まで作った作品
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では、実際に、私がどうお願いしてきたかの一例を挙げますね。

幼稚園の頃、砂や、のり、絵の具が触れなかった次男。

ある日、登園を嫌がるので理由を聴いたところ、その日行われる「フィンガーペインティング」という、のりに絵の具を混ぜ、指につけて直接紙に書く課題を、とても不安に思っているようでした。

そこで、登園して次男をお預けする際に、担任の先生に直接こんな風にお話しました。

【伝え方の例】

「おはようございます。お忙しい所すみませんが、ちょっとだけお話よろしいでしょうか。

◯次郎が今朝、「行きたくない」というので、理由を聴いたら、

工作はとても好きなのですが、のりと絵の具を触るのが苦手で、今日のフィンガーペインティングが心配なようです。

◯次郎は、触るのが苦手なものがいくつかあって、

のりや絵の具は、筆などの道具を使えば大丈夫なんですが、

もし参加が難しければ、見学などのご配慮をお願いできないでしょうか?」と伝えたところ、

先生は「そっかあ、◯次郎君、そんなにイヤだったんだね〜。先生知らなかったよ〜」と話しかけ、

「無理しなくてもいいよ〜。でも、もし、できそうだったら筆でもいいから挑戦してみようか?」とおっしゃって下さいました。

小さくうなずいて、教室に入れた次男。

後で迎えに行くと、先生が「お母さん!今日◯次郎君、すごくがんばれましたよ!」

と、次男が指一本だけ、絵の具入りののりに触れたことをご報告下さいました。

(おそらく先生に何も伝えなければ、それを本人が「すごくがんばってできたこと」とは気づかれなかったでしょう)

その後も、工作でのりを使う時は先生がちょこっと手伝ってくれたりと、さり気なく気遣ってくれました。

おかげで、卒園の頃には、次男はのりと絵の具が大丈夫になり、大好きな工作を「ぜんぶ自分でできた!」と、嬉しそうに見せてくれました。

先生だけでも「分かってくれている」という心強さ

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今では掃除機に吸い込まれてもへっちゃら!
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小学校にあがってからも、次男にとってハードルの高いことがあれば、ときどき担任の先生に配慮をお願いしてきました。

(そして、負担が大きい時は、家でも「よくがんばったね」とほめて、なるべく休んだりリラックスできるようにしています)

なかなか他の人には共感しづらい感覚の過敏性や、皆が「できて当たり前」のことを、本当にがんばりながらやっていること。

それを「先生だけでも分かってくれている」と、それだけでも心強いと思います。

グレーゾーンさんは「努力でギリギリ乗り越えながら」、毎日たいへんな凸凹道を歩いています。

ほんのちょっとの理解と「さり気ない」配慮があれば、負担感を減らしながら、だんだんと新しいことに挑戦できたりするんです。

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