グレーゾーンしのくん、年少進級時の夜泣きは「夜驚症」!? クラス替えで唯一の友達と離れ、担任の先生も変わることになって…
ライター:keiko
しのくんは、現在3歳9ヶ月。
診断名がついていない、
いわゆる発達障害グレーゾーンの男の子です。
しのくんは発語が遅く、3歳になってもまだ思うようにしゃべることも、言葉を理解することもできませんでした。
そんな、コミュニケーションが上手くとれない時期に、年少さんへのクラス替えがありました…
今回はそのころのお話をしたいと思います。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
1クラスが、2クラスに!?
しのくんの誕生日は3月30日。ちょうど3歳になったころに、年少さんへのクラス替えがありました。
今までずっと、しのくんの同年齢クラスは1クラスしかありませんでしたが、年少さんから幼稚園枠のお友達が増えて、2クラスになりました。
今までずっと、しのくんの同年齢クラスは1クラスしかありませんでしたが、年少さんから幼稚園枠のお友達が増えて、2クラスになりました。
集団行動が苦手で、一人遊びが好きなしのくん。そんなしのくんにも、一人だけお友達がいました。その子の名はYくん。
一緒に手をつないで園庭で遊んだり、Yくんがキックスケーターで遊んでいるのを見て、しのくんもキックスケーターに乗れるようになったりと、とても仲がよかったそうです。当時しのくんにはいつも遊ぶような特定のお友達がいないと思っていた私は、この話を先生から聞いて、とても嬉しかったのを覚えています。
ですが…
一緒に手をつないで園庭で遊んだり、Yくんがキックスケーターで遊んでいるのを見て、しのくんもキックスケーターに乗れるようになったりと、とても仲がよかったそうです。当時しのくんにはいつも遊ぶような特定のお友達がいないと思っていた私は、この話を先生から聞いて、とても嬉しかったのを覚えています。
ですが…
その、唯一と呼べるYくんとは、クラス替えで別のクラスになってしまいました。そして、担任の先生も変わってしまいました…。
またそのころ、しのくんが集団行動できるように療育にも力を入れ始めたりと、しのくんの周りの環境が目まぐるしく変化していきました。
またそのころ、しのくんが集団行動できるように療育にも力を入れ始めたりと、しのくんの周りの環境が目まぐるしく変化していきました。
環境の変化からか、しのくんに異変が…?!
新しいクラスになって3日ほどたったある日……。環境の変化からか、しのくんに異変が起きました。
お昼寝しているときに、急に大泣きし始めたのです。
しのくんは、寝ながら大泣き。
「しのくん!」と声をかけても起きません。全く起きる気配もなく(どうしよう?)と焦る気持ちばかりが膨らみました…。普段、こんな風に泣くことはなかったのでとても心配しました。
「しのくん!」と声をかけても起きません。全く起きる気配もなく(どうしよう?)と焦る気持ちばかりが膨らみました…。普段、こんな風に泣くことはなかったのでとても心配しました。
10分ほどすると、スーッと嘘のようにしのくんは泣き止み、何事もなかったかのように寝ました。
こんな様子が毎晩続きました。
当時、病院には行ってないので、ハッキリとは分からないのですが…今思えば、ストレスや不安から、寝てる間に大泣きする「夜驚(睡眠時驚愕症)」だったのかもしれません。
こんな様子が毎晩続きました。
当時、病院には行ってないので、ハッキリとは分からないのですが…今思えば、ストレスや不安から、寝てる間に大泣きする「夜驚(睡眠時驚愕症)」だったのかもしれません。
しゃべることができなくても、いろいろなことを感じとり、それがしのくんにとって、ストレスや不安の原因になっていたのかもしれません…。何日も夜中に大泣きをする様子が続いていたので、このことを保育園の先生にも連絡しました。
どうなることかと思いましたが、幸い一週間ほどで症状は落ち着きました。
どうなることかと思いましたが、幸い一週間ほどで症状は落ち着きました。
現在
あれから一年経ちますが、再発はありません。家では、自分の気持ちを話すことが難しいしのくんの気持ちに寄り添うように努めています。保育園の担任の先生が、なにかあるたびに「しのくんの気持ちに添ってやっていきますね!」と言ってくださいます。
また、加配の先生も一人しのくんについてくださっているのもあって、しのくんはとても楽しそうに、保育園へ通っています。
これからもいろいろな方のサポートに感謝しながら、しのくんの気持ちに寄り添って頑張っていこうと思います。
執筆/keiko
また、加配の先生も一人しのくんについてくださっているのもあって、しのくんはとても楽しそうに、保育園へ通っています。
これからもいろいろな方のサポートに感謝しながら、しのくんの気持ちに寄り添って頑張っていこうと思います。
執筆/keiko
(監修:初川先生より)
環境の変化は子どもにとってなかなかのインパクトがありますね。自分の気持ちを言葉で表現できないからこそ、また、自分のその不安や戸惑う気持ちが何であるかまだ分からないからこそ、泣くという形で表出したのかなと思います。ほかにも、怒りっぽくなるなど出し方はさまざまあります。
しのくんのそういう姿に、保護者も戸惑いますし、不安にもなりますね。保育園の先生にご連絡されてよかったです。変化に戸惑うことを園とも共有し、できるだけ変化の大きさを小さくしてゆく、あるいは安心できるように声掛けなどに工夫するなどができると思います。仲の良いお友達とクラスは別れてしまっても、隣のクラスにはいるのだ、と目で見て確認したり、新しいクラスではそもそも不安でいっぱいになりがちなので先生から見通しをこまめに声掛けしてもらったりするなどができるかもしれません。
変化の時期はどうしても不安と戸惑いが高まりやすい時期です。大人でも変化の多い「春」が苦手な人は結構いるのではないでしょうか。変化への準備をしつつ、来た変化の幅を小さくしつつ、変化というものを経験してゆくことが成長の1つになってゆくと思います。変化の多い時期は子どもは一時的に不安定になりやすいという大人側の心の準備も次第に上手になってゆくことと思います。
環境の変化は子どもにとってなかなかのインパクトがありますね。自分の気持ちを言葉で表現できないからこそ、また、自分のその不安や戸惑う気持ちが何であるかまだ分からないからこそ、泣くという形で表出したのかなと思います。ほかにも、怒りっぽくなるなど出し方はさまざまあります。
しのくんのそういう姿に、保護者も戸惑いますし、不安にもなりますね。保育園の先生にご連絡されてよかったです。変化に戸惑うことを園とも共有し、できるだけ変化の大きさを小さくしてゆく、あるいは安心できるように声掛けなどに工夫するなどができると思います。仲の良いお友達とクラスは別れてしまっても、隣のクラスにはいるのだ、と目で見て確認したり、新しいクラスではそもそも不安でいっぱいになりがちなので先生から見通しをこまめに声掛けしてもらったりするなどができるかもしれません。
変化の時期はどうしても不安と戸惑いが高まりやすい時期です。大人でも変化の多い「春」が苦手な人は結構いるのではないでしょうか。変化への準備をしつつ、来た変化の幅を小さくしつつ、変化というものを経験してゆくことが成長の1つになってゆくと思います。変化の多い時期は子どもは一時的に不安定になりやすいという大人側の心の準備も次第に上手になってゆくことと思います。
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