アニエスベーの作品やグッズの中で自然と知りえる、社会への思い
今回はBRUT展について取り上げていますが、アニエス自身は創業当時から、持続可能な社会への意識をもって環境問題や人権問題などの社会課題解決活動をし、発信してきました。たとえば、コンセプトにある「GIVE LOVE」という言葉は、商品のキャッチフレーズでもありますが、これは彼女がずっと発信しているメッセージです。
たとえば、海洋科学探査船タラ号プロジェクト。
たとえば、海洋科学探査船タラ号プロジェクト。
青山の店舗にディスプレイされている、タラ号プロジェクトにまつわるアート作品と商品のコーナー
タラ号プロジェクトは、アニエスベーフランス本社のCEOであり、Tara Océan財団共同創設者兼会長であるエティエンヌ・ブルゴワが、アニエスベーと共に支援しているプロジェクトです。二人は2003年、科学的、環境保護的ミッションを遂行するためにスクーナー船タラ号を購入しました。科学探査船タラ号は世界中を航海し、海が直面する環境的脅威や気候変化の影響を調査しています。
タラ号の航海が始まったのが2003年。世界中の海を訪れ、海洋科学の調査研究に貢献しています。当時はまだSDGsという言葉はほとんど知られていません。海洋汚染というテーマに人々が見向きもしなかった時代。サンゴ礁の調査から、最近はマイクロプラスチックの調査も進めています。日本には、2017年、2018年に寄港し、海洋環境に関する多くの講演会やワークショップが開催されました。
タラ号が特徴的なのは、研究者や海洋環境に関する専門家だけでなく、アーティストも同船していること。青山のショップには、タラ号のクルーを撮影した作品たちやタラ号に関連する書籍やグッズが、タラ号の解説とともに展示されています。
また、1998年より30年以上にわたって、HIV/AIDS患者の支援を続けています。赤いエシャルプ(えり巻き)を販売し、その収益はエイズ患者を受け入れる組織や病院に寄付。赤いエシャルプは、ウールのマフラーとコットンのスカーフがあり、通年で販売しています。
タラ号が特徴的なのは、研究者や海洋環境に関する専門家だけでなく、アーティストも同船していること。青山のショップには、タラ号のクルーを撮影した作品たちやタラ号に関連する書籍やグッズが、タラ号の解説とともに展示されています。
また、1998年より30年以上にわたって、HIV/AIDS患者の支援を続けています。赤いエシャルプ(えり巻き)を販売し、その収益はエイズ患者を受け入れる組織や病院に寄付。赤いエシャルプは、ウールのマフラーとコットンのスカーフがあり、通年で販売しています。
コンドームのパッケージは、アニエスベーが支援するアーティストの作品やブランドに縁りのあるロゴやモチーフがあしらわれ、スタイリッシュ。啓発メッセージと共に、無料配布されており、ショップを訪れた人は自由に持ち帰ることができる。
HIV/AIDS患者支援の活動の一環として、1995年からはコンドームを無料配布。旗艦店を始めとする一部のショップには「ご自由にお取りください」というメッセージとともに、おしゃれなミニカード風のパッケージに入ったコンドームがさりげなく置かれています。自分の体を大事にするということを積極的に考えてほしい、そんなメッセージを感じます。
これらの活動は、アニエス自身の想いそのものから生まれたもの。それがまた、ショップのコンセプトを形づくっていると言えるでしょう。彼女は子どものころ、毎週訪れていた日曜日の教会での記憶が根底にあると言います。体が不自由な人や困っている人のために、自分にできることを捧げる、という体験。そこから生まれたのは、人と分かち合うという精神でした。アニエス自身が若くてまだビジネスで成功する前にたくさんの人から助けてもらったように、今度は自分が出会った若い人、まだ世の中に出ていないアーティストを応援するということは、呼吸をするように当たり前のことと言えるのでしょう。
これらの活動は、アニエス自身の想いそのものから生まれたもの。それがまた、ショップのコンセプトを形づくっていると言えるでしょう。彼女は子どものころ、毎週訪れていた日曜日の教会での記憶が根底にあると言います。体が不自由な人や困っている人のために、自分にできることを捧げる、という体験。そこから生まれたのは、人と分かち合うという精神でした。アニエス自身が若くてまだビジネスで成功する前にたくさんの人から助けてもらったように、今度は自分が出会った若い人、まだ世の中に出ていないアーティストを応援するということは、呼吸をするように当たり前のことと言えるのでしょう。
服を買うということはライフスタイルを選択するということでもある
ネオンサインの形は「ポワンディロニー」と呼ばれる感嘆符の一種。同名のアートフリーペーパーを不定期に無料配布している。「ポワンディロニー」は19世紀の終わりにフランス人作家のアルカンテール・ド・ブラームによって提唱され、皮肉めいた内容を指し示すために文章の最後に使われる。このようなメッセージやアートが店内にもディスプレイされている。
アニエスベーのショップにある洋服やファッションアイテムたち。それらは商品であると同時に、メッセージがこめられた作品でもあります。BRUT展が開催されるのはショップ併設のギャラリーですが、ショップ自体もギャラリーのようです。壁にはメッセージが書かれ、映画の大きなポスターがあり、タラ号の活動記が展示されています。こうしたディスプレイが訪れる度に様変わりするのも楽しみの一つ。
私たちは服を選ぶとき、「おしゃれに見える」「流行っている」「着心地がいい」ということがポイントとなりますが、服は自分を表現するものだからこそ、服がもつメッセージや背景も選ぶポイントとなるのだと、今回の取材を通じて感じました。
私たちは服を選ぶとき、「おしゃれに見える」「流行っている」「着心地がいい」ということがポイントとなりますが、服は自分を表現するものだからこそ、服がもつメッセージや背景も選ぶポイントとなるのだと、今回の取材を通じて感じました。
文/関川香織
撮影/鈴木江実子
撮影/鈴木江実子
BRUT展
日本在住のアウトサイダー・アーティスト13組のグループ展。
開催日時:2022年2月25日(金)~4月17日(日)(定休日無し) 11:00~20:00
開催期間中無休(※ただし新型コロナウイルスまん延防止措置の状況によります)
会場:【agnès b. galerie boutique | アニエスベー ギャラリー ブティック】
住所:東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
電話:03-3406-6010
Instagram: @agnesb_galerie_boutique
開催日時:2022年2月25日(金)~4月17日(日)(定休日無し) 11:00~20:00
開催期間中無休(※ただし新型コロナウイルスまん延防止措置の状況によります)
会場:【agnès b. galerie boutique | アニエスベー ギャラリー ブティック】
住所:東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
電話:03-3406-6010
Instagram: @agnesb_galerie_boutique
※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからアニエスベー ギャラリー ブティックのサイトに遷移します
「お金をかけられなくても」「学校に行けなくても」無料で学べるチャンネルを拓く――登録数167万人の教育系YouTuber・葉一さんを取材!
モデル・金子エミさん取材!ダウン症の息子・カイトさんが世界ダウン症水泳選手権 で3つのアジア記録を更新!ポジティブな声かけで培かわれた自信が「強さ」の背景に
リト@葉っぱ切り絵さん、ADHDの診断が転機に。「臨機応変」ができずに退職を繰り返した日々と、過集中を活かして唯一無二のアーティストになるまで
- 1
- 2