店員さんの前に立つと固まってしまう、場面緘黙次女の挑戦。「自分でアイスの種類を言ってみる」そびえたつ買い物のハードルに繰り返し挑んで…!

ライター:まりまり
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現在小学5年生となった次女。
小学2年生のときに場面緘黙と診断されています。
今回は、そんな次女の買い物練習エピソードをご紹介したいと思います。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

買い物練習を始める

次女は特に学校での緘黙症状が強いのですが、日常生活上でも困っている場面がいくつかありました。そのひとつが買い物で、一人で買い物がどうしてもできませんでした。

というより、買い物の前段階で、「一人で店員さんの前に立つ」というのがまず緊張してしまって「買い物のやりとりをする」という状況までたどり着くことができない…。なので、次女と話しあって、買い物練習をしていくことにしたのでした!

徐々に買い物の練習をしていった結果…

買い物へ行くといつも私のうしろに隠れていた次女。まずは買い物のときに、次女に前に出てきてもらい、商品を次女から店員さんに渡してもらうようにしました。そのあとも次女から店員さんへとお金を渡してもらって…という感じで、レジでの買い物の場に慣れてもらうことにしました。(店員さんとの言葉でのやり取りは私が担当しました)

それができるようになってきたら、今度は次女に支払いをしてもらうことに。次女の場合は、現金でのやり取りより緊張や負担が少ないと考えて、カード式の電子マネーでの支払いを選択。まずは家で、「電子マネーで!」と言う練習をしてみて、そのあと、一緒にレジまで行って次女に実際言ってもらう。そして私と一緒に、一人で買い物のやり取りをしてもらって、私が徐々に次女から距離を取っていって…。
まずは電子マネーでの支払いに挑戦する次女
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という感じで段階を踏み、できたりできなかったりを繰り返しながら、何とか一人で買い物ができるようになったのでした!(ここまで10ヶ月くらい…)

4年生の夏、初めて自分から…

小学校4年生の夏、お店でアイスを買うときのこと。
自分から挑戦の意思を見せた次女
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次女が「自分でアイスの種類言ってみる!」と、初めて自分から挑戦の意志を提示してきたのでした!
何でこのタイミングだったかは分かりませんが、そのころの次女は周りから見ていても、「最初のころに比べて、気負いなく一人での買い物ができるようになっている」と感じるようになっていました。
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そびえたつハードル、繰り返す練習

ただ、選んだアイスが「スペシャルナッツげきうまチョコレート」という感じの長い名前…。自分で選んだものの「やっぱり無理」「長すぎて言えない」と自信を失う次女…。

こういうときに、「完璧に名前を言わないといけない」と考えがちな次女なので、「大丈夫!指差しとチョコレートで伝わるよ!」と話して、長女と一緒に練習してから挑むことにしました。
店員さん役をやってくれる長女
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やりとりの練習をする長女と次女
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練習につきあってくれる長女
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こんな感じで、いろいろと教えたりするのが好きな長女なので、文句言わずに手伝ってくれて、5~6回くらい練習してから本番に挑むことにしました。

練習の結果…

アイス屋さんでいよいよ本番
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無事に言うことができたのでした…!
初めて自分から挑戦した次女。挑戦の結果、良い成功体験となりました。

そのあと、毎回自分で言えるようになった…と言うわけではなく、次女の調子によってできたりできなかったり、行きつ戻りつ。そんな感じを繰り返しながら、もはや年単位での買い物練習でしたが、小5の今では大きな緊張なく店員さんの前に立てるようになり、自分で簡単な買い物のやり取りができるようになっています。

時間はかかりましたが、こうした成長を嬉しく思う母なのでした。

執筆/まりまり
(監修:井上先生より)
まりまりさんが今回テーマとして挙げていらっしゃるように、場面緘黙のあるお子さんの場合、学校場面だけでなく地域生活のコミュニケーションの中でも困難を感じてしまうことがあると思います。基本的にはシミュレーション(事前練習)をして、自信をつけてあげてから本番に臨むのが良いのですが、シミュレ―ションでできたことが本番でも全てできるとは限りません。まりまりさんがお子さんにレジで練習させておられた「初めは手渡すだけの役」のように最初は発話を入れずに行うなど、スモールステップをより細かくして、成功体験を感じてもらうことが大事だと思います。
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