感覚過敏がいっぱいの自閉症息子。聴覚過敏だけどイヤーマフも耳栓も苦手、視覚過敏の影響で偏食も?工夫した手立てと小学校入学後の変化

ライター:ゆきみ
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お遊戯の音、聞きなれない音、暗闇、苦手な見た目の食事、絵本のイラストなどを怖がったり、嫌がったりしていた自閉スペクトラム症のある長男けんと。幼いころから苦手な感覚が多数あるように感じていました。
今回は感覚についてのお話を描かせていただきます。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

気になっていた感覚過敏。疑いから確信へ

自閉スペクトラム症のある長男には感覚面で気になることがたくさんあり、感覚に関する検査を受けることに。結果は、全項目「非常に高い」だった
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3歳のときに自閉スペクトラム症と診断を受けた長男けんと。感覚過敏について初めて気になったのは「聴覚」でした。普段聞かない音や、大きな音が特に苦手な様子で、親子教室での手遊びや、お遊戯の音も嫌がり、いつも部屋のすみに逃げていました。

そして視覚過敏。2~3歳ころ、暗い場所を怖がり、明るい街灯でいつも眩しそうにしていたのを覚えています。

年長の夏、臨床心理士さんに「SP感覚プロファイル」という感覚に関する検査を行っていただきました。すると全ての項目の感覚が「非常に高い」という結果に。以前から苦手な感覚があるという意識はあったものの、可視化された表と説明を受け愕然とし、感覚について深く考えるきっかけとなりました。

今回は、聴覚過敏と視覚過敏への対応を振り返ってみたいと思います。

聴覚過敏があるけど、イヤーマフはもっと苦手?

こども園に通っていたころ、苦手な音が聞こえると教室から逃げて、しばらく戻って来られませんでした。よく通る道にレストランがあったのですが、前を通るのを嫌がりました。換気扇の大きな音がなっている場所だったからのようです。
聴覚過敏だけでなく触覚過敏もあるようで…イヤーマフや子ども用の耳栓、イヤホンも苦手だった
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苦手な音が多いのだなと思い、イヤーマフを購入。しかし触覚過敏もあるようで、耳に触れている感触を嫌がり、好んでつけることはほとんどありませんでした。

それでは…と、子ども用の耳栓を購入。こちらは耳の穴に何かを入れるのが嫌な様子。好きな音楽が流れてくれば、耳に触れるものでも少し興味をもつかも…と思い、子ども用の極小サイズイヤホンも試してみました。小さな音量ですが大好きな曲を流している間は興味を示しつけていましたが、やはり苦手だったようで、すぐに外してしまいました。

原始的な方法に戻り、苦手な換気扇の音がするレストランの前を、母が耳をふさいで通り過ぎ「嫌な音は耳をふさぐ」と伝え続けたら、自分で耳をふさぐようになってきました。

通っていた児童発達支援施設でも、音を嫌がり課題に参加できないときがよくありました。無理にでも課題に参加させようとするのではなく、「怖い気持ちをあらわす絵カードを先生に渡す」「音が怖いから教室を出たい」と先生に伝えるというように、「誰かに伝えて安心できる場所へいく」という方法を根気強く教えてくださいました。

視覚過敏で偏食に?苦手な形状があるようで

以前はごはんをなんでも食べていましたが、年中の夏ころから、急に給食を食べなくなり、食器にフタをして、食べたいものだけを取り出して食べるようになりました。そして、このころから急に偏食に。原因は分からないのですが、視覚からきている気がしました。
自閉スペクトラム症のある長男が急に偏食に。視覚過敏が影響しているのではないかと思い、パーテーションを手づくりして活用
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家族、お友達が食べているドロドロした見た目のものは全く見られず、気分が悪くなってしまうように。家での対応として、簡易の卓上パーテーションをつくりました。文房具売り場にあったA3サイズのプラスチックボードを4枚貼り合わせたものですが、これを気にいり、今では見たくないものがあるとき「パーテーションつけて」と教えてくれるようになりました。

ほかにも視覚で気になるのは、暗闇、明るい光、特定の色味が苦手というところ。こども園の読み聞かせの時間、絵本によっては走って教室から逃げていってしまったそうです。

そこで、見たくないものがあったときは「手で目を隠す」というのを伝え続けました。が…見たくないのに、見てしまうということもあります。そういうときは、大人が手で目を隠してあげるようにしています。
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