保健室登校から不登校に。ASD傾向のある娘の居場所を探してーー私立小から公立小の特別支援学級に編入、フリースクール、放課後デイの利用も【ユーザー体験談】

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わが家の娘は小学5年生です。小4のときにASDの可能性があると言われました。娘は現在不登校を選んでいます。小2から行き渋りが始まり、小4から完全に不登校を選び、私立小から公立小の特別支援学級へ転校した娘。そんな娘の現在の居場所についてのお話をしたいと思います。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

癇癪があり、真面目で融通が利かない娘

わが家の娘は小学5年生です。小4のときにASDの可能性があると言われました。

娘は子どものころから癇癪が多く、気に入ったことには熱中をしますが、それ以外には全く興味を示さない一面や、聴覚過敏の特性などもあり、発達グレーゾーンかもしれないと感じていました。真面目で融通が利かない部分もある娘。それでも、成長と共に改善するだろうとそれほど気にせずに過ごしていました。
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小2のころから行き渋りが始まった

娘は小2くらいから週1回くらい休むようになりました。小2の3学期からコロナ禍で休校がたびたび入るようになり、休んでいること自体は目立たなくなりましたが、週1~2回は休んでいたように思います。

休みながらも学校には行っていた娘でしたが、小4の6月くらいから欠席がさらに増え、教室へ全く入れなくなってしまいました。私は「今日は仕方がないから欠席してもいいけど、明日は行こうね!」と励ましていましたが、娘は次第に「私は生きている価値がない」と暗い表情をするようになってしまいました。
学校に行き渋るようになってしまったASD娘。次第に「私は生きている価値がない」と暗い表情をするように。
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担任の先生に相談をすると保健室登校を提案され、7月からは週2日ほど保健室登校するようになりました。

登校して2時間ほど保健室で先生からの課題をこなしたり、折り紙をしたりしていました。ですが、課題が終わらず、癇癪を起こして泣くこともありました。

小4の夏休み明けから完全に不登校に

夏休み明けからは学校へ向おうとすると涙を流して足が動かなくなり、完全に不登校となりました。

学校近くの駐車場まで車で送って、学校へ向おうとしましたが、涙目になってしまって動けなくなってしまった娘。
親としてはそれまでは何とか保健室登校を続けて最終的には教室登校へ戻れればいいなと思っていましたが、本人としては一度ダメだと思った場所にはもう二度と行きたくないようでした。
夏休み明けからは学校へ向おうとすると涙を流して足が動かなくなり、完全に不登校となってしまったASD娘。
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私は娘がこの小学校へ通うのは無理だと感じ、現在の私立の小学校から公立小学校への転校を考えました。

娘は漢字や英語がとても苦手だったので、先生から本人に合った勉強の仕方があるのではないかと知能検査をすすめられ、9月にはスクールカウンセラーの先生が所属しているカウンセリングルームで検査を受けました。医師はいなかったので診断には至りませんでしたが、知能検査の結果や今までの様子から集団での授業についていくのは難しい部分もあるのではないかということでした。また発達障害に対するサポート(放課後等デイサービスなど)を考慮してはどうかとカウンセラーの先生から言われました。

「家にいてもやることがない」と言う娘からの希望もあり、10月からはフリースクールに通いはじめました。

そして転校についても本格的に考え始めました。カウンセラーの先生から「この知能検査の結果なら別の学校の特別支援学級へ入ることも可能だと思いますよ」と言われたこともあり、転校して環境を変えたら学校に通えるかもしれないという気持ち、そして現在通っている学校は私立ということで学費がもったいないという気持ちもあり、「12月から転校したい」と相談しました。すると、特別教育相談センターへの相談日程を異例の早さで組んで下さり、小4の12月に公立小学校の特別支援学級へと編入をしました。
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公立小学校の特別支援学級へ編入、しかし…

当初は「転校しても通えない」と言っていた娘でしたが、初日が得意な図工の授業だったことから、通えるようになりました。

小4のうちは給食は食べずに午前中のみで帰宅していたものの、週4回くらい通えていました。またフリースクールも引き続き通いたいということで、週2回、午後のみ通っていました。

しかし、5年生に進級後、4月末から腹痛のため小学校へ全く通えなくなってしまいました。本人は何も言いませんが、原因は4月から始まった通常級との交流が負担だったのではないかと思っています。

今思えばですが、先生方も通常級との交流がそんなに負担になるとは考えていなかったと思いますし、親の私も「今年からは通常級との交流が入るんだな〜」程度にしか考えていませんでした。

でも本人的には特別支援学級へ通うことで精一杯だったんだと思います。それを見抜けずに勝手に負担を増やしてしまったことを反省しています。

また、フリースクールでも「卒業生への寄せ書き」「来年へ向けての目標」などを書くことができずに毎回涙目になっていたようです。カウンセラーの先生から「文章を書くことが苦手なら、3択くらいで書けそうな文章から選んでもらうなどの配慮が必要」と言われて、娘がそこまで文章を書くのが苦手だとは認識していなかったので、配慮をお願いしていなかったとを反省しました(フリースクールも7月中旬にトランプに負けて癇癪を起こしたことをきっかけに通えなくなってしまいました…)。

またカウンセラーの先生からは「娘さんが癇癪を起こしたときには別室などで1人にしてあげるのが良い」と言われました。それまでは癇癪時も先生方は「大丈夫?」などと声をかけてくれていたようで、かえって火に油を注ぐ対応になっていたようで、親も特性に対する勉強と配慮が足りていなかったと思います。

現在の娘の様子は

フリースクールへ通えなくなったあと、やはり「ずっと家にいるのはやることがない」と本人に言われ、市の不登校支援の教室なども考えましたが、娘のほかにもきょうだいが2人いるため送迎の都合がつかず行くことができませんでした。

いろいろと検討した結果、特性への理解もある放課後等デイサービスが本人にとっても、一番居心地が良いのではないかと考え、10月から通い始めたばかりです(市役所では放課後等デイサービスを不登校の居場所代わりに使うことに難色を示され、受給者証の認可が下りるまで時間がかかりましたが…)。

娘の興味がある内容で無理なく通えることを重視したので、レクリエーション・クッキング・お出かけなどその日によってやる内容はさまざまです。プログラム以外の編み物やアクアビーズなどを娘の希望ですることもあり、興味がないプログラムのときは無理せず欠席しています。
特性への理解もある放課後等デイサービスが本人にとっても、一番居心地が良いのではないかと考え、10月から通い始めました
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娘が不登校になってからいろいろと勉強し、1年経ってようやく、もともと発達障害が根底にあり、否定されることや成績不振が重なり、自分は生きている価値がないと感じるようになってしまったのだろうと理解しました。そこから不登校へとつながってしまったように思います。

もしもっと早く発達障害について学んでいれば…不登校状態となる背景には発達障害が隠れているかもしれないこと、小学校中学年くらいになると勉強が難しくなり、成績不振になる子どもが多いこと、発達障害の特徴は消えるということはなく一生付き合っていかなくてはならないことなどを知っていれば早期に適切な対応ができたのではないかという後悔もあります。

きょうだいで発達障害。親の願いは…

わが家には3人子どもがいるのですが、(この話の娘が長女です)その反省を生かして、登園しぶりが見られたのと習い事で集団活動ができなかった年中の長男は発達障害を疑いすぐに療育センターに相談し、支援につなげることができました。

そして周りの子と同じようにできないことを叱っていた育児から、本人ができたことを一緒に喜んだり、スモールステップで挑戦する育児へ切り替えることができました。少なくとも長女のように苦しむ可能性は少なくできたのかなと思います。

保育園や学校への行き渋りや不登校に悩む場合には発達障害の可能性も視野に入れた方が良いということ、親に診断を受け入れる勇気がなく、医療機関を受診しようか迷っている方がいらっしゃったら、環境が変わらないことなどで苦しむのは子ども自身なので、子どものためを思うなら早期の受診をしてほしいなと思います。

わが家の場合は現在小1の次女も場面緘黙があり、特別支援学級へ通っています。きょうだい3人とも発達障害があるため、それぞれの良いところを見つけて褒めて伸ばしていってあげたいと思っています。

長女に関しては、初めての場所でも話せること(下2人は場面緘黙があり、そのような場面で話すことが難しいというのを経験していることもありで、とてもすごいことだと思います)、下のきょうだいの面倒見が良いこと、今は料理や工作を楽しんでいることなどから、まずは自分に対する自信をつけていってほしいと思います。

そうして最終的には自分のやりたいことを見つけていってほしいと願っています。
長女に関しては、初めての場所でも話せること、下のきょうだいの面倒見が良いこと、今は料理や工作を楽しんでいることなどから、まずは自分に対する自信を付けていってほしいと思います。
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イラスト/keiko
エピソード参考/かい

(監修:井上先生より)
女の子の場合男の子に比べて、発達障害を早期に気づくのは難しいと言われています。初めての人や場所、活動に対する高い不安や、環境や予定の変更などによる高いストレスなど大人から見ると目に見えにくい困難が多かったのだと思います。
親御さんの理解によって、お子さん本人もうまくいかないことは自分のせいではなく、自分の特性に合わせて環境や学び方を工夫すると良いことに少しずつ気づかれていくのではないでしょうか。かいさんの書いておられるように、それぞれのお子さんの得意な所や好きな所をたくさん褒めていくことがお子さんの自信を高めることにつながると思います。
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