13トリソミー(パトウ症候群)と診断されたら?治療法はあるの?

現在でも13トリソミーそのものに対する治療法は確立されていません。重篤な合併疾患や基礎的な呼吸循環機能の未熟性などが原因で、約8割の子どもが生後1ヶ月で亡くなります。一方、生後1年以上の生存例も1割未満くらいあります。

治療としては、まず呼吸循環の安定と栄養の確保を進め、さまざまな疾患や合併症の評価と対応を行っていきます。合併症を引き起こしやすく症状も刻々と変わっていくため、継続的な健康管理と症状への適切な対処を続けます。

医学的治療に加え、徐々にリハビリテーションの開始を検討し、福祉資源の活用などを含めての包括的な患児・家族支援の環境を整えていくことが大切です。

13トミソリーへの社会的・療育的支援

医学の発達に伴い、新生児集中治療を行った場合の1ヶ月および1年後の生存率も少しずつ上がっています。その中で、2004年ごろから各学会が「″13トリソミーだから積極的な治療は控える″から、″一人ひとりの子どもの状態に応じて治療・療育をしていこう″」という方針に移行してきています。

個人の病状や発達状況にもよりますが、地域の療育園や医療的ケア児を受け入れる保育園などで他児と過ごしたり、訪問看護や訪問ヘルパーを利用する中で療育的支援を受けることも可能です。

また、13トリソミーの子どもとその家族を支援することを目的とした「13トミソリーの子を支援する親の会」もあります。同じ悩みや不安を話し合う、あるいは情報を共有することは、本人と家族にとってとても有意義なことです。

自宅でできるケア

息止め発作が頻繁にある、気管切開しているなどの場合は、人工呼吸器で気道や呼吸ケアを行います。てんかん発作がある子どもも多いため、抗てんかん薬の投与などでコントロールします。また経口食による誤嚥がひどい場合は、「胃ろう造設手術」を行い、胃からチューブで栄養を注ぐなどのケアを行います。いずれも自宅で療養する場合、病院のように設備が充実していないため、訪問医の存在が大切になってきます。

長時間にわたる介護や介助が必要なため、保護者の身体的・心理的・精神的負担はかなり大きくなります。医者やヘルパーなど、第三者による継続的な観察や支援が課題となっています。
13トリソミーの子供を支援する親の会ホームページ
http://www.13trisomy.com/next.html

子どもが13トリソミーと診断された場合、病状について家族できちんと理解することが重要です

13トリソミーと診断された場合、担当医から説明をしっかりと聞きながら子どもの病状について家族できちんと理解することが重要です。出生前でも出生後でも、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーによるカウンセリングを受けることもできます。保護者もしっかり担当医と知識を共有し、さらにわが子がどのような状況にあるのかを踏まえた継続的な話し合いの中で、子どもにとって最善を追求することがもっとも大切といえます。
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