小1自閉症息子、給食で「白米しか食べられない」体重も増えず心配…。母と先生の提案で驚きの変化が…!

ライター:ゆきみ
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この記事では、偏食の強いお子さんに対して有効だった工夫をご紹介いただいた体験談を専門家の解説と共にご紹介します。

特別支援学級2年生で自閉スペクトラム症のある息子けんとには偏食があり、さらには見た目で苦手なものがあると気分が悪くなってしまうという困りごとがあります。そのため、こども園の給食ではほかの子と席を離して食べることも多かったようです。
小学生になり、給食の時間がとても不安だったのですが、学校の先生からいただいた提案を試してみると、少しずつ変化が起きていきました。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

発達障害の子どもには、偏食が多い?

発達障害や感覚過敏がある子どもは、新しいもの、知らないことに対して不安や緊張を感じやすく、偏食も生じやすい傾向があります(ただし、偏食があるから発達障害であるとは限りません)。
また、感覚過敏があると、嗅覚や味覚、視覚、食感の敏感性のために、特定の食材が食べにくかったり、特定の場所や状況で食べることが難しいという場合があります。
例えば、「白いごはんは食べられないけれど、混ぜごはんなら食べられる」「学校では食べられないけれど、家なら食べられる」、反対に「白いごはんしか食べない」「学校以外では食べられない」など、その子どもなりのこだわりになってしまうこともあります。

発達障害は、外見から障害があるかどうかが分かりにくいため、なかなか理解が得られにくい障害です。また、発達障害の特性による偏食に対し、「わがままだ」「家で食べているなら、学校でも食べられるはず」と責められてしまうことが懸念されます。学校の給食を完食するよう言われ続けた結果、登校自体が難しくなったり、摂食障害が生じてしまうこともあります。
無理やり食べさせようとすると、不安や緊張がどんどん強くなり、食べられる食材、量がいっそう狭まったり、食べること自体に嫌悪感を持つようになってしまうこともあります。
偏食が強いと「栄養不足では?」「成長に影響が出るのでは?」と心配になるでしょうが、焦りは禁物です。子どものペースに合わせて、ゆっくり、少しずつ食べられるものを増やしていくことが大切です。
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
井上 雅彦先生(鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
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以下では、白米しか食べられなかった偏食の強いASD(自閉スペクトラム症)のお子さんに対して学校の先生と行った工夫をご紹介いただいた体験談です。専門家のコメントと併せてぜひ御覧ください。

白米しか食べられない日も。偏食の自閉症息子、小学1年の1学期

3歳で自閉スペクトラム症と診断を受けたけんとは偏食で、年長まで通っていたこども園の給食がほとんど食べられませんでした。
見た目がドロドロしていたり、グチャっとしていたりするものがあると、気分が悪くなってしまうことも。お皿の上に乗っているのを見るのが嫌なだけでなく、それらを人が食べているのを見るだけでもダメでした。そのため、小学校に入ってからの給食がとても心配でした。
入学時に担任の先生にお伝えしたところ、給食の時間はパーテーションで区切って、ほかの子が食べているのを見えないように配慮をしてくださいました。
先生のほうから「よかったら、ふりかけなどを持ってきてもいいですよ」と言ってくださり、持っていくとモリモリ食べていたそうです。
給食をほとんど食べない日が続いていたからなのか、体重もなかなか増えず、「お弁当を持たせてようかな…」と、悩んでいました。
「ふりかけを持ってきてもいいですよ」と先生が言ってくれ、持っていくとモリモリ食べていたそう。給食をほとんど食べないからか体重も増えず「お弁当を持たせてようかな…」と、悩んでいたとき…。
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小学1年生の1学期は、給食はほとんど食べられなかったようです。パンや麺類も食べられず白米だけは食べられるので、白米の日は、たくさんおかわりをしていたそうです。それを見て、先生のほうから「よかったら、ふりかけなどを持ってきてもいいですよ」と言ってくださり、持っていくとご飯をモリモリ食べていたそうです。

給食をほとんど食べない日が続いていたからなのか、体重もなかなか増えず、「お弁当を持たせようかな…」と、悩んでいたとき、先生からある提案をいただきました。

献立表に赤い丸をつけて壁に貼ると…

その提案は、学校から配られる1ヶ月の献立表を見て、けんとが食べられそうなものに私が赤いペンで丸をつけ、先生に提出するというもの。その紙を教室の壁に貼ってみたいとのことでした。
先生の提案で、学校から配られる1ヶ月の献立表を見て、けんとが食べられそうなものに私が赤いペンで丸をつけ、先生に提出。その紙を教室の壁に貼ってみることに。
先生の提案で、学校から配られる1ヶ月の献立表を見て、けんとが食べられそうなものに私が赤いペンで丸をつけ、先生に提出。その紙を教室の壁に貼ってみることに。
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試しに始めてみると、掲示物が大好きなけんとは、毎日、給食の前にその献立表をチェックするように。私が丸をつけた、自分が食べられそうなものを確認して、お皿に乗せてもらい食べていたそうです。

1ヶ月分の献立表に丸をつけていると、いくつか「これ、食べられるかな?」と母の私にも分からないものがありました。
「もしかしたら食べられるかも」、というものには「まぁいっか。丸つけちゃえ」と気軽な気持ちで試しに丸をつけてみることに。すると、何やら頑張って食べることができたそうなのです。

「食べられたぁ!」と嬉しくなったのですが、だからといって、無理だと分かっているものに丸をつけてしまったりしたら、けんととの信頼関係に傷をつけてしまう気も。なので、食べられないだろうというものには欲張って丸をつけることはせず、「もしかしたらちょっと頑張れば食べられるかも」と思えるものに丸、どうしても分からないものには三角をつけるようにしてみました。
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