おわりに

発達障害のことを長男に言えたとき、「ヤッター!ついに言えたぞー」と心の底から安堵しました。
と同時に、私は自分で勝手に荷物を重くしていたのかなと思いました。

思えば長男が発達障害があるかもしれないと知って一番ショックを受けていたのも、受け入れるのに時間がかかったのも私一人だけ。夫や実母も義母もじつにすんなり受け入れています。

つくづく私は一人で悩み続けてしまう性格だと思い知らされました。長男本人は笑顔で受け入れていたのにね。

長男は来年中学生になります。どんな日々が待っているやらまだまだお互いに不安だらけですが、引き続き私も一緒に成長していけたらと思います。
執筆/星河ばよ
(監修:初川先生)

お子さん本人への告知のエピソードをありがとうございます。
ばよさんの長男くんの場合は、本人から「障害があるの?」と聞いてきたのですね。5年生くらいだと周りの状況も見えてくるので、そういうこともあるでしょう。

さて、障害告知についてですが、さまざま悩ましいポイントがあるなと感じます。まずは、「障害」と伝えるかどうか。「障害」が何であるか分かるお子さんと、まだ分からない年齢のお子さんもいると思います。また、「障害」にはネガティブなイメージ(レッテル)が先に立って認識される場合もあります。そのあたりをどう考えておくか。

そして、大事なのは障害かどうかを伝えることなのか、というポイントもあります。例えば、まだ自分自身の特性や得意不得意について、よく認識ができていない状況で、「障害」とだけ伝えるのが本人にとって自己理解が深まるのかどうか、ということです。

こういうときにこう困りやすい。こんな苦手さがある。こういうことは特に苦手だから周りの人に助けてもらうことも必要みたいだ。逆に、こういうことはとても得意である。そうした自分の得意不得意や陥りがちな困りごとを日常生活の中で日々のエピソードを振り返りながら積み上げてゆき、自分はこんな人間だということを知っていくこともとても大切です。

苦手さが生活に支障を来したり、自分や周りの人が時にとても困ってしまうこともある場合に、それを障害と呼ぶんだよ、という流れは1つあるかなと感じています。

また、障害告知は一度伝えたらおしまいというものでもありません。一度にわーっと説明しても咀嚼できないかもしれません、また、どれほど伝え方を考えていても、想定した通りに伝わるとも限らないので、様子を見ながら、誤解したようなら修正したり言葉を足したりしながらしてゆくものでもあるように思います。

いろいろポイントは書いてきましたが、告知の正解パターンというのはないと思います。
保護者の方の受け取りや認識もさまざまで、お子さんの受け取りもまたさまざまだろうからです。一般に、主治医の先生に相談したり、スクールカウンセラーや相談機関の心理職に相談したりしながら準備される方も多いです。どうしてゆくか悩ましいときは相談しながら、ご自身の考えを言葉にしてゆくプロセスも一手です。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。



神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。


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