発達障害息子の教習所通い。「左右」が分からず大ピンチ!運転免許は取得できるのか!?
ライター:寺島ヒロ
わが家の凸凹きょうだいの兄(自閉スペクトラム症(ASD)・現在22歳)は、大学3年生の時、普通自動車運転免許(いわゆる自動車免許)を取得しました。運転そのものには障害特性上の不都合はなかったので問題なく取れるだろうと思っていたのですが……。今回も前回に引き続き、発達障害のある人が運転免許を取得する際に直面する「かもしれない」出来事について書かせていただきたいと思います。
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
自動車免許を取りたいASD息子
わが家の凸凹きょうだいの兄、タケル(自閉スペクトラム症(ASD)・現在22歳)は、普通自動車運転免許(いわゆる自動車免許)を取得するため、大学3年生の時に自動車教習所に通い始めました。
入学のための書類を揃えるところでかなりバタバタしてしまいましたが……。
発達障害息子、運転免許取得は可能?教習所の申込みで予想外の困難が…!
教習のある日は、大学まで教習所のバスが迎えに来てくれることもあり、遅刻もせず安全に通うことができました。
学科教習はちょっと退屈だけど……
自動車教習所の授業は「学科教習」と「技能教習」に分かれています。
「学科教習」は50分が一コマ、30人ほどの集団で同じ教室で受けるので、まるで小中学校の授業のようです。
部屋を暗くしてのビデオ学習の時間も結構あるので、睡魔に襲われたり、飽きてしまったりすることもあったようですが、元々「お勉強」の好きなタケルのことなので、まずまず問題なく過ごせました。
「学科教習」は50分が一コマ、30人ほどの集団で同じ教室で受けるので、まるで小中学校の授業のようです。
部屋を暗くしてのビデオ学習の時間も結構あるので、睡魔に襲われたり、飽きてしまったりすることもあったようですが、元々「お勉強」の好きなタケルのことなので、まずまず問題なく過ごせました。
技能教習はつまずきの連続……!
しかし問題は「技能教習」!
ある程度予想はしていましたが、タケルは発達障害の特性から自分の体をスムーズに動かすことが苦手です。素早く必要な動作ができないというわけではないのですが、なんだか動きが「がちゃがちゃ」してしまうのです。
ある程度予想はしていましたが、タケルは発達障害の特性から自分の体をスムーズに動かすことが苦手です。素早く必要な動作ができないというわけではないのですが、なんだか動きが「がちゃがちゃ」してしまうのです。
そんなタケルを見て、教習所の教官は「慌てるな、無駄な動きをするな」と指導してくれるのですが、慌てているわけではないので直せません。むしろ注意されたことで慌ててしまい、ミスをしたり、道を忘れてしまったりして、路上教習が滞るようなことがありました。
また、タケルの場合、将来バギーや軽トラに乗る可能性が高いということで、MT教習を受けていたのですが、半クラッチがうまくできずに悩んだこともあったようです。これは何度かやっているうちに「分かってきた!!」と言いだし、やがてできるようになりましたが、他の生徒さんに比べるとかなり進度は遅かったようです。