ひらがなを読めない、書けない…LD・SLD(限局性学習症)の可能性は?チェックポイント

ひらがなの習得には個人差があります。しかし、それでも発達の目安や同年代の子どもと大きく違っていると心配になる方もいるでしょう。

文字を書かない、または間違いが多い理由の一つとしてLD・SLD(限局性学習症)がある可能性があります。LDとは、読み、書き、計算など特定の分野の学習のみが非常に苦手な発達障害のことです。学習障害は現在、「SLD(限局性学習症)」という診断名となっていますが、最新版DSM-5-TR以前の診断名である「LD(学習障害)」といわれることが多くあるため、ここでは「LD・SLD(限局性学習症)」と表記します。

LD・SLD(限局性学習症)の可能性があるかのチェックポイントをご紹介します。
LS・SLD(限局性学習症)チェックポイント
LS・SLD(限局性学習症)チェックポイント
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【LD・SLD(限局性学習症)かも? チェックポイント】
・文字に関心が薄い(例:絵本を見ていても、質問したり文字を追ったりしない)
・単語の発音を正確に言えないことがある(例:「クリスマス→クスリマス、クスリスマス」のように、音の順番の変化や数の増減などが見られる)
・「ことばを一音ずつに分解して一つの動作と対応させるような遊び」ができない(例:ことばを言いながら、一音ごとに一歩ずつ移動したり、手を叩いたり、すごろくのコマを進めたりといった遊び)
・歌の歌詞がなかなか覚えられない
・文字を書くことを嫌がる、または関心がない

このチェックは簡易なものなので、これだけでLD・SLD(限局性学習症)と判断することはできません。当てはまる項目があり、不安な方は以下の相談機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

・かかりつけの小児科
・専門の医療機関(療育センター、児童精神科、小児神経科など)
・市町村保健センター
・子ども家庭支援センター
・児童相談所
・発達障害者支援センター
・児童発達センター

どの機関でも、専門的なスタッフが相談対応にあたり、アドバイスや状況に合わせた別の機関の紹介をしてもらえることもあります。電話での相談が可能な場所もあるため、ホームページを確認してみてください。
参考:吃音、チック症、読み書き障害、不器用 の特性に気づく「チェックリスト」 活用マニュアル|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000521776.pdf
参考:学習障害(限局性学習症)|厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-004.html

まとめ

子どものひらがなへの興味は4歳頃から芽生えることが多いと言われています。興味が芽生えてもすぐに練習帳などを与えるのではなく、まずは土壌づくりとして絵本の読み聞かせやことばを使った遊びを多く取り入れていくとよいでしょう。

また、ひらがなの読み書きができるようになる年齢には個人差が大きいと言われていますが、文字に全く興味を示さないなど気になる様子がある場合は、不安を抱えこまずに専門機関に相談してみましょう。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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